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「便利になるとストレスが上昇する」という不思議なジレンマ

週末の夕方。東京都内の広告会社で営業を担当する佐野裕美子さん(23)=仮名=は、仕事を終えると気の合う友人2、3人に携帯メールを送る。 「いま何してる?」 送り終わると、すぐに返信確認。1分、2分、3分…何度も操作を繰り返す。返事が来たら食事に誘う。5分も返事が来なければイライラする。「早く決めたいから、すぐ返信がほしい。自分が待てなくて嫌な思いをしているので、わたしはいつも即レス(即答)です」

【溶けゆく日本人】快適の代償(1) 待てない人々 数分間でイライラ (1/4ページ) - MSN産経ニュースより引用】

 これと全く同じことが、アメリカでBlackberryを持つビジネスマンにも起こっている。私も3年ほど前にしばらく持ち歩いていたのだが、あまりにもイライラするので持つのをやめてしまった。

 Blackberryを持つと会社のメールに24時間いつでもどこでもアクセスできるようになる。その意味では「とても便利なデバイス」なのだが、まさにここに書いてあるような副作用がある。パソコンからメールにアクセスしている限り、1時間に1回ぐらいチェック出来れば十分なのだが、常時接続状態のBlackberryを持つと、それが24時間いつでもどこでもメールが入って来た瞬間に『ブルブル』と知らせてくれるようになる。そうなると、食事中だろうと、ミーティングの最中だろうと、車の運転中だろうと、Blackberryが「ブルブル」とメールの受信を知らせると、どうしてもすぐチェックしたくなるのが人間の心情だ。

 それだけならまだ良いのだが、自分がそんな「常時接続状態」にあると、相手に対しても同じようなレスポンスを期待するようになってしまうから始末が悪い。まさに上に書いてある「5分も返事が来なければイライラする」状態である。特に私の場合、部下との連絡にメールを使っていたため、10分もメールの返事が返ってこないと「なんて使えない部下だ!」とついつい思ってしまい、顔を見たとたんに「さっきのメールの返事が来ないけどどうしたの?」と言ってしまう。最悪な上司だ。

 結局のところ、「便利さ」と「ストレス」を天秤にかけて「Blackberryをあえて持たない」ことを選択した私だが、その時につくづく感じたのは、本来なら人々の生活をより良くするための「便利さ」が逆にストレスを増す方向に働くことがよくあるということ。

 一日に電車が2本しか来ない田舎の駅でなら30分ぐらい電車を待つのになんのストレスも感じないのに、山手線が5分来ないとイライラする。本当に人間の心理とは不思議なものだ。

Comments

hoshino

仮に「常時接続状態」と思われてそうな人全員に「私はメールは絶対昼食休憩の時と夕食前にしか返信しないからそれ以外の時に返事は来ると思わないで」と宣言し返信したくても(!)実行しておいたらどうなるでしょうか。「ああ、あいつはこの時間は絶対返してこない」わかっていればあまりイライラせずそれを計算に入れた行動になると思うのですが。山手線も鉄道マニアよろしくダイヤを完璧に頭に入れて「あと何分でくる」と認識できればストレスは少ないと思います。予定調和的に事が進むようにしておけばイライラは減るんですよね。

YUUH32

hoshinoさん。どんなに”宣言”しても無駄だと思います。相手の状態に関係なく「相手に対しても同じようなレスポンスを期待するようになってしまう」のが問題の核心なのだから。
ある意味、その宣言もこの問題の裏返しなのかもしれません。「相手に自分の宣言の通りに行動することを期待する」というやりかたで。

Chao!

人は勝手に「期待をして」その「期待を裏切られると」イライラするんですよね。山手線は、すぐ来ると期待している。田舎の電車はすぐには来ないからと期待していない。部下なんかでも、期待している相手ほど実はイライラしていたりして。

humu

わたしの場合は全てのメールに即答しないようにしてますねえ・・
即答するとどちらにせよ良いことにならないのでw
1時間とか平気で放って置くし気が向かなければ返信しない

そういう人間だと思わせておけば相手もそういう風に思ってくれますよ
適当でいいんです,イライラするやつにはイライラさせておけば良いんですよ
本当に用があるなら電話してくるだろうと思ってますし

社壊人

最初から期待していなければ期待通りのことしてもらえたときに喜びに変わります。
ホント、期待しなければ普段の生活がうれしいことだらけです。

思わず変身

会社メールは以前、携帯に自動転送されていましたが、セキュリティ上、転送廃止となりました。最初は、非常に不自由だったのですが、やがて、開放感に。退社後、休日、いかに束縛されていたのか・・・と思いました。

eakas

イノベーションのジレンマですね(^^;

受信側からすると、プライベートな時間に仕事メールをチェックするのは、落ち着いて見る時間を決めるなどしないと、海外とのやりとりが頻繁な人は不眠症に陥ってしまうでしょうね・・・。
仕事を持ち帰ってでも早く帰宅したい人には便利、プライベートとのメリハリをハッキリさせたい人には迷惑。

返事が来なくて送信側がイライラしてしまう件については、急ぎの用事であれば電話する、というのが手っ取り早いかと。
相手が電話に出なくて、しょうがないと思うか、イライラしてしまうかは・・・w

くらげ

Twitterで「遅延はあたりまえ」という精神を鍛えるというのはどうでしょう。

passing through

メーラー同士の『おもてなし』が足りないんじゃないでしょうか。
もっとエージェント機能を、AI送受信を。学習効果を。。。
時間順で配達するという郵便感覚のまま。あたり前になりすぎた『外観特急』の弊害。。。

田辺

ちょっとずれますが、ある人から聞いた話。
「あまりに便利すぎるツールに対して、人は距離を置く」
という傾向があるそうです。

自分の仕事がなくなってしまうという恐怖感からか、
よくわかりませんが。。

bearcat

個人的には、
「デバイスの機能進化と個人の能力拡大との整合が取れない」
という印象。
ある種の想像力欠如状態だと思うんですよね、配慮が足りない、という状況は。

人間もゆっくり進化していくので、
やがては常時接続(24hという意味だけでなく)が当たり前になるのでしょうが。

私なんて、Email系は配送されても一切通知(表示・音・振動)が出ないようにしています。
てか、携帯電話にさえ気が向かないと出ない・・・(笑)

sega

humuさんと同様、私もメール送ってきている時点で、内容確認しつつも、即時性を求めていないもの、と思ってすぐに返信しないこと多いですね。
ただ、内容の重要度と、相手がどう期待しているかでも対応変えないといけないため、めんどくさいですね。。

携帯電話と同様、メールにもボタン一つで、「現在即返信は出来ません」といった返答機能がつけばそのようなストレスも少なくて済む気がします。

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