iPhoneと「マーケティング2.0」
2008.02.04
According to Harvard Business School professor David Yoffie, Apple has generated a scant $400 million in free iPhone advertising since its announcement【Gadgets: iPhone Generated $400 million in Free Publicityより引用】
通常の企業がプレスリリースに頼る新製品のアナウンスメントを、わざわざMacWorld Expoなどのイベントにあわせてスティーブ・ジョブズ自身の口から語らせるマーケティング・テクニックにより、年間数百万ドルのマーケティングコストを節約していると言われるApple。
上で引用した記事は、去年のiPhoneのローンチ以降、ブロガーたちによるバイラルマーケティング効果が400万ドル相当だ、というハーバード・ビジネス・スクールの教授のコメント。私自身も少なく見積もっても1〜2万ドル分ぐらいは貢献しているんと思うんだが、いかがだろう。
Appleはもともと熱烈なファンの口コミを活用したバイラル・マーケティングが得意だったわけだが、ブログの時代になってそれが花開き、ジョブズのカリスマ性と相まって「神ワザ」のレベルに至っている、と言える。
こんな話を書くと、「じゃあ、うちもブロガーを利用した新製品のマーケティングをするためにブロガーにコンタクトしよう」と短絡的に考えるマーケティング担当者がいるかも知れないが、それではうまく行かない。
私にしろ他のブロガーたちにしろ、彼らに心の底から「こんなものが欲しかった」「この喜びを他の人たちにも伝えたい」と思ってもらえるものを作らない限り、バイラル・マーケティングは成功しない。同じApple製品でも、iPhoneのことはこれだけ褒める私なのに、(アップデート前の)Apple TVに関してはさっぱりなのには理由があるのだ。つまり、バイラル・マーケティングはもの作りの段階から始まっているのだ。
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