「へんな会社」と「出るクギを打つ」社会の話
2008.02.17
へんな会社を貫くために、普通の会社のやり方をよく理解しておくというのは必要なんじゃないか、とこれははてなに限らず思う次第。【Kousyoublog | はてな移転で中の人が言うべきことと言ってはいけないことより引用】
この手の発言こそが、まさに「出るクギを打とうとする」行動。近藤さんに関してはそんな心配をする必要は全くないが、他の若い人たちが「やっぱり『普通の会社のやり方』をちゃんと勉強しなきゃ」などと誤解してはいけないと思い一言。
上場している企業と違い、はてなのように、ごく少数の株主が所有している会社の場合、株主・取締役の了解さえ取れれば、大幅な経営方針の変更は自由にしてかまわない。それが非上場であることの大きな利点だ。
今回の場合、「米国からは一時撤退し、多少会社の規模が小さくなっても良いから、京都にもどって落ち着いた環境でもう一度もの作りに専念する会社としてやりなおす」という決定は、(ライブドアの株に投資していたような)金儲けだけが目的の株主には『常識はずれ』な戦略変更かも知れないが、必ずしも上場を目指しているわけでもない(大株主の)近藤さんにとっては、彼なりの理性に従った合理的な判断。
もちろん、その判断が気に食わない社員は辞めて行ったわけだし、近藤さん自身も、そのリスクを十分に理解していた上での経営判断だ。
このブログを読んでいる若いエンジニアの人たちに覚えて欲しいことは、「やっぱり『普通の会社のやり方』をちゃんと勉強しなきゃ」なんて保守的な考え方ではなくて、「(はてなのように)ワンマン社長のいる会社に入ると、社長の鶴の一声で会社の経営方針が一晩で大きく変わったりすることもある」というリスクの理解であり、「そんなリスクを追ってでも『この人に付いて行きたい』と心の底から思ったのであれば、少なくとも何年間かの間はその人に賭けてみるのも悪くない」ということである。
ベンチャー企業に務めるというのはまさにそういうことである。そんなリスクが負えないならば、経営者にそれだけの魅力を感じられないならば、ベンチャー企業などに来るべきではない。逆に自分がベンチャー企業の経営者になるのであれば、そんなリスクを乗り越えてでも自分に付いて来てくれる人を見つけなければならないし、そう思われるのにふさわしい経営者としての魅力を身につけなければならない。
『へんな会社を貫くため』に、と書いてあり、そうでない意志を併記してあるのに、文章の後半だけをとらえて、変な会社はダメダよね、普通の会社の方が良いよね。という文章としてとらえるのはちょっとかわいそうかなぁと思いました。
『普通の会社のやり方』を勉強する=普通の会社として運営する という事ではない と思います。他の会社の様子を見て、良い所は取り入れる悪いところは自社のオリジナルメソッドを取り入れていく。という主旨だと感じました。この意見には賛成で他の会社を全く参考にせず、盲目的に自分を盲信することの方が会社として危険だと思います。
自己を振り返り、周りを参考にし、その上で、独自の道を進む。それがベンチャー会社に必要なことだと思います。
それとは別に、ベンチャー会社のリスクというのはおっしゃるとおりだと思います。おっしゃっていることは十二分に正しいと思いますが、引用されている元の文章との関連性の部分は文意の解釈を異なっているかなぁと感じましたのでコメントさせていただきました。
Posted by: 心は萌え | 2008.02.17 at 12:42
i cant understand japanese... do you have a translation....
thanks
Posted by: Wilfred | 2008.02.17 at 21:36
「出る杭は打たれる」ですね。些細なことですが、ちょっと気になったので。
Posted by: aenigma | 2008.02.18 at 05:07
「心は萌え」さんのおっしゃることは一般論として正しいように思えるし、バランスを取ろうとする、非常に健全な態度と言えると思えます。でも批判覚悟でいえばベンチャーにそんないい子チャンな発想は要らないのです!模範的な態度なんて糞食らえです。キャッシュフロー、あるいはギリギリ生きられるburn rateと、信じてくれる社員とリーダーのビジョンとスピリットがあれば良いのです。少しでも心にブレーキがかかる模範な気持ちを持つ位なら、エッジーで普通の会社には到底作れないようなプロダクトを作るべきです! そうやって何百何千というベンチャーの屍の上にGoogle やらYouTubeが産まれるのですから。
Posted by: ken | 2008.02.18 at 09:21
任天堂に京都アニメーションと、なぜか2000年代を代表する日本を代表するソフトウェア産業の雄がそろって京都に集まってるというのも面白い話ではありますなあ。しかもどこもベンチャーというには歴史が古いのに、体質はすごくベンチャー的なのが。
京都には一体なにがあるってんでしょうね。
Posted by: nonbug | 2008.02.26 at 04:28