スティーブ・ジョブズ、「Flashは重すぎて、Flash liteは使えない」と発言
2008.03.05
As my colleague Tom Krazit reported Tuesday afternoon, Jobs used the Apple shareholders' meeting to publicly dismiss the the full-blown PC Flash version as "too slow to be useful" on the iPhone. He then went on to describe the mobile version--Flash Lite--as "not capable of being used with the Web."【Adobe bites its tongue after iPhone Flash jab | Coopより引用】
この発言で、AppleがiPhoneにFlashを載せない理由が明確になった。「大きすぎて載せられない」のだ。
このスティーブ・ジョブズの発言は、Adobe Flashの問題点を端的に語っている。最新バージョンのFlash(Flash 9)はパソコン向けのアプリを作るにはすばらしい開発環境だが、メモリを大量に消費するためにモバイル・組み込み端末には適していない。一方でFlash LiteはFlash9とは全く異なる古い環境で、非同期のデータバインディングを駆使したウェブ・アプリケーションを作るのには適していない。
組み込み端末向けの案件でSIベンダーがパソコン上のFlashで作ったプロトタイプで仕事を取ったは良いが、いざ実装しようとすると実機上のFlashは全然パフォーマンスが出ず、やむなくネーティブ(C++)で作ることになり地獄を見る、なんてことは良くある話。
うちの会社(UIEvolution Inc.)はAdobeと直接競合することはないが、Flashを担いだ組み込みベンダーとソリューションレベルで比較されることはしばしば。カタログスペックでFlash9と比較されたりすると当然UIEngineの方が非力だが、Flash7ですら重すぎて走らない非力なデバイスでUIEngineが軽々と動くところをデモして見せて「おおっ」と言わせる、という営業戦略は手間はかかるけど結構効果がある。
本来なら「非力なデバイスでも動いてしまう」点を数値で示せれば良いのだが、それがなかなか難しい。これからは、このジョブズのセリフを営業で使わせてもらおうかな、と。
SilverLightが話題にも上がらないのが悲しいです・・・。
ちなみにFlashといえばWeb/携帯向け軽量動画配信を連想するのが普通ですが、そろそろFlashPaperが携帯向け軽量ドキュメント配信として注目されるのではないかと思っています。
Posted by: Satoru Koshiba | 2008.03.05 at 16:19
Flashもそうだったのですね...。
近年のAdobe製品にはMicrosoft化(?)を感じます。
特にCSシリーズは、大きなバグを潰さない内に新バージョンが投入されてそれっきり。おまけに新バージョンでも改善されていない、ということが繰り返されているような...。
Posted by: PowerYOGA | 2008.03.06 at 01:42
述べられているようにモバイル向けのFlash LiteがFlashとは似て非なるもので、結局コンテンツベンダーはスクラッチでFlash Lite用コンテンツ・アプリを起こさないといけない、ってのがモバイルでFlashをやることの意味を喪失させるのに大きかったような。で、モバイル用に新たに書き起こさないといけない、という意味ではUIEエンジンも同じ境遇。となるとあとはコンテンツオーサリング環境がどれだけ揃っているか、そこにサードパーティが参加してオーサリング環境に横幅が広がるか、ということが重要に。ランタイムだけが供給されているような環境はコンテンツ側としてはやはり採用できないとです。
Posted by: ぶらりん | 2008.03.07 at 15:29