なぜオープン系開発者の間でMacへのシフトが急速に進んでいるのか
2008.05.30
先日のRails Conference 2008に関するレポートでも書いたが、米国のオープン系の開発者の間でのMacへのシフトが急速に進んでいる。たまにWindowsマシンを持っている人がいても、そんな人たちは口を揃えたように「うちの会社は.Netの案件もあるので、Macは買わせてもらえないんですよ」と本当は彼らもMacに切り替えたいことを告白する。
いろいろな事情・環境がからみあってこうなっているのだが、簡単にまとめると、そもそも、
- アップル製品に対する昔からある漠然としたあこがれ
- 90年代にソフトウェア業界の富を独り占めにしたマイクロソフトに対する恨み
- iPodの成功で一躍元気を取り戻したアップルという企業自身の魅力の上昇
という潜在需要があったところに、
- 意味もなく重くなっただけのVistaに比べて完成度の高いOS-X
- Unix系OSをカーネルに持つが故に整った開発環境
- バーチャルマシンのおかげでWindows/Mac両OS上での各種ブラウザーに関して1台でテストが可能なこと
という現実的な理由が重なり、PHP/Perl/Ruby/Pythonなどでウェブサービスを開発している技術者たちにとっては、趣向・実用の両面から見てMacが最適な開発マシン、という状況になっているのだ。
それもこれも、NeXT Computerの買収、iPod、iTunes、インテルチップへの切り替え、iPhoneという一連の戦略的な投資が着実に実を結んで来た結果のことであり、これに関してはアップルの経営陣の経営手腕にひたすら敬意を表するしかない。
こんなブログエントリーをポートランドのスタバで朝食を食べながら書いている私のマシンも、いまやMacBook Air。Windows95の開発チームの一員であった私としては、若干複雑な気持ちではあるが、開発者として自分に最適な環境に勝るものはない。