マイクロソフトを辞めてからもう9年も過ぎるが、辞めた一番の理由は「会社が大きくなりすぎて思いっきりコードが書けなくなった」こと。私がいた時代ですでに1000人のエンジニアを抱えたWindowsチームの生産効率は、「エンジニア一人あたり一日1.5行」という悲惨なもの。
プロジェクトが肥大化して人が増えて来ると、それに反比例して生産効率が下がって来るのはどうしても避けられないが、この規模になると常にすし詰め状態の満員電車の中でマラソンをしているしているような気分で、前に進んでいるのかどうかすら分からなくなってくる。
特にWindowsクラスの大きなプロジェクトになると、その複雑さのために開発期間が3年とか5年とかの長期なものになってしまい、途中で何がなんだかわからなくなってしまうケースもしばしばだ(Windows Vistaが良い例)。
逆に今は、増井君がサーバー側・私がiPhone側、というたった二人での開発体制なので、自由度は思いっきり高い。iPhone向けのアプリの開発にもずいぶんと慣れてきたので、「今年は月に二つのペースで新しいアプリを開発」と目標を定めて、全力疾走。
特に二月は、PhotoCavnas、DogClub、CatClub、Silhouette、YesWeCan、ColorCanvasと6つの新製品と3つのアップデートの計9つのアプリをアップルにリリースする(ただし、現時点でApp Storeに並んでいるのはPhotoCanvasのみ、他は審査中)という「怒濤の二月」となり、さすがにちょっと息切れ気味。
こんなペースで仕事をしていると、つくづく自分は小さな会社があっているんだと思う。もちろん、Windowsの様に「作れば売れる」ような立場にはないのでビジネスとしては大変だが、こんなペースでユーザーの声を聞きながらものを作る、というのは私にとっては理想的な環境である。
米国のメディアは「App Storeのアプリの数が2万を超えた」と騒いでいるが、私みたいに「iPhone向けのアプリを作るのが楽しくて仕方がない」連中が世界中にたくさんいるのだから当然と言えば当然である。
先日も、「マイクロソフトのモバイル戦略についてどう思うか」とインタビューされたばかりだが、開発者から見た魅力という話で言えば、「Appleがダントツの一位で、そこから1年以上遅れたところにGoogle。マイクロソフトはまだ眼中にすらない」というのが正直なところ。
サードパーティのサポートだけが勝負を決めるわけではないとは思うが、ここまで差がついてしまうとかなり追いつくのは厳しいのではないかと思う。
Nakashimaさんはアプリのソース公開はして頂けないでしょうか?
私もiPhoneAppの開発を行っておりまして、テレビ番組表 や NatsuLion for iPhone のソース公開により大分助けられています。github に公開されています。
多くの開発者の目標となっているNakashimaさんのコードは大変参考になると思いますので、是非ともご検討お願いします。
個人的にはphotoshareのソースを見たいです。
Posted by: Ochi | 2009.02.26 at 23:30
すみません。Nakajima ですね。
Posted by: Ochi | 2009.02.26 at 23:36
カルデロンのり子を助けるべきなのか?
それとも、目を伏せるべきなのか?
親指のデジタルネイティブはどう思い、どう考え、どう望むのだろう?
Posted by: You'll stealing from as? | 2009.02.27 at 20:40
ニンテンドーDS(またはDSi)はプラットフォームとしていかがでしょうか?
無線LANしかありませんが、iPhoneより多い出荷台数や、一部のライトゲーマーはiPhoneのユーザ層と重なっていますし、全く違うユーザ層もいて興味深いと思います。
Posted by: テテス | 2009.02.28 at 23:42