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「官僚たちの夏」と「ガラパゴス携帯」と

 知り合いの勧めで録画したままにしてあった「官僚たちの夏」を今になって見ている私だが、あのドラマを単純に「なぜ戦後の日本はあれほどの急成長をとげたのか」という視点から見るだけでなく、「その同じ日本でなぜガラパゴス携帯ができてしまったのか」を考えながら見るとより面白い。

 「今の官僚や企業が(あのころの官僚や企業とくらべて)だらしないから」という見方もあるかも知れないが、私としては「そもそも官僚主導の産業政策が今の時代に合わなくなっている」と見る方が正解に近いように思える。

 もちろん、その場その場で異なる状況があるので、あまりに単純化して見るのは危険だが、少なくともアナログ方式からデジタル方式に移行した2Gケータイの時代に霞ヶ関主導で「モトローラやノキアなどの海外メーカーに席巻されることを嫌い、あえて日本独自の方式を採用して国内の携帯機器産業を保護・育成しようとした」ことは歴然とした事実である。それがNTT DoCoMoを中心とした「運命共同体」的な業界を作り、それが故に「海外では通用しないガラパゴス携帯ビジネス」を作ることになってしまったことは非常に興味深い。

 じゃあなぜ高度成長期の自動車産業やテレビ産業の海外進出がうまく言ったのに、最近のパソコンやケータイ産業になるとさんざんなのか、という点が大きな疑問として残る。答えとしては、

(1)当時は欧米が日本を見下していたため隙をつくことができた
(2)官僚主導で作る「非関税障壁」という裏ワザが完全に見破られてしまっている
(3)情報・流通の速度が上がったため「最初は国内で育て」などと流暢ペースでは戦えない
(4)グローバリゼーションの時代に「日本独自方式」はそもそも合わない
(5)日本人がハングリーでなくなった
(6)中国・台湾・韓国などの追い上げが激しくなった
(7)そもそも保護主義は長期的には国内産業を弱体化させる

などが考えられるが、いずれにしろ「官僚主導で国内産業を育てて海外に進出させる」という高度成長期にとても有効だった手段(この部分に関しての官僚の役割に関しては意見も分かれるところだが、結果だけ見ればすばらしい成長を遂げたことだけは事実)が必ずしもうまく機能しなくなっているというのが現状である。

 そんなことを考えながら、「じゃあ、これからはどんな形が良いのか」などを妄想を膨らませながらこのドラマを見るといっそう楽しめる、思った私である。

Comments

wizardofcrowds

+1

porco

携帯電話については、NTTが独自方式を開発したにもかかわらず、世界にセールスできなかった事が最大の失敗ですね。
土台となる高付加価値なNTT方式がマーケットを獲得できなければ日本の携帯はガラパゴスです。
日本メーカーは、ねちっこい開発で高品質な製品を作る事が得意ですが、労働力の生産性はとても低いレベルです。
ベーシックな機能しか実現できない、当時の海外方式のマーケットでは日本流の携帯は値段だけが高くて持て余します。
そうやってマーケットを失ってきました。
NECは一時中国で世界マーケットの獲得を試みましたが、生産性について割り切った施策が取れなかったために撤退しています。
BRICSが台頭する過程のマーケットの読みが甘かったと言えます。
現在は高付加価値に偏った経営をするメーカーがほとんどですが、今まで経験しないような画期的な生産性の改革をして世界のマーケットに挑戦すべきと思います。

yutakarlson

■「草食男子スカウター」 男性の顔写真から“草食度”判定、動物顔に合成―日本の携帯はガラパゴスではなく浮世絵か?

こんにちは。通産省主導で行った事業などことごとく全部失敗しています。これは、本当です。Tronなどその典型です。通産省が成功した戦略は、いわゆる「引き伸ばし戦略です」。無論「何もしないということ」も戦略の一つではあます。成功したのは、今まで2例だれです、農村人口の都市部への流入、近代化が遅れた流通業の近代化・システム化です。これらに対して、通産省は何もしないことによって大成功を収めました。もともと、お役所というところは、法律その他のインフラを創ることはできても、そのインフラの上にのっかって、何かをすれば必ず失敗します。その意味では、「官僚達の夏」は幻想に過ぎません。
ところで、草食男子度を診断する携帯電話サイトができましたね。日本は、こうしたサイトすぐに作ってしまいますが、海外だとそうでもありません。やはり、日本の携帯電話のサービスやコンテンツは、幅も広いし、奥行きも深いということだと思います。英語を使う人口のほうがはるかに多いというのに、日本のブログ数は携帯電話もパソコンのものも世界一です。これは、とてつもないことだと思います。今後、日本の携帯電話のサービスやコンテンツも、世界中で見られるようになります。そうなると、日本のサービスも世界中の人々に大きな影響を与えていくのではないかと期待しています。詳細は是非私のブログをご覧になってください。

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