組み込み機器向けandroidに関してのつぶやき
2009.10.15
もともとは携帯電話向けに提供されていたGoogleのandroidが、それ以外の組み込み機器向けのOSとして注目されている。私なりの見解もそれなりにあるのだが、勘違いしている部分もあるかも知れないので、確認のためにも私の見方をぽろぽろとTwitterでつぶやいてみたので、ぜひともフィードバックをいただきたい(Twitter、このブログのコメント欄やトラックバック、はてぶ、のいずれでも結構)。以下がつぶやきの内容。
- androidが携帯だけでなく組み込み機器一般で注目されている背景には、「要求される機能が肥大化し開発費が膨大になり、機種ごとにOSから組み上げるのがコスト的に見合わなって来た」というのがある(リンク)。
- それに加えて、GUIやマルチタスクなどの要求に対し、従来の組み込みOS(μiTron・VxWorksなど)が答えられなかったという状況もある(リンク)。
- その答えの一つとして浮上してきたのがLinuxだが、GUIレイヤーが統一されていないし、オープンソースという責任の所在が不明確なものを商品に使うことに不安があるし、GPLはいやだし、意外に開発費が安くならないし、という悩みを業界全体が抱えていた(リンク)。
- そこに、Googleという大企業が全面的にバックアップするandroidがオープンソースの形でGUIレイヤーも含めて出て来たものだから、既にLinuxに以降していた・移行に二の足を踏んでいた企業がこぞって参加を表明した、というのが私の見方(リンク)。
- ある意味で「赤信号、みんなで渡れば怖くない」的な心理が働いて、androidに一気に傾いたのでは、と私は見ている。このあたり、当事者の方々にはぜひともご意見をうかがいたい(リンク)。
- もうひとつ忘れていけないのは、GPLの件。GPLゆえにLinux上にソフトウェア資産を築くことに二の足を踏んでいた企業が、GoogleがGUIレイヤーをApacheライセンスにしたことに安心感を持った、というのもあるんじゃないかと私は見ている(リンク)。
- はてぶで指摘してもらって言い忘れていたことに気がついたけど、エミュレータとデバッグ環境がしっかりしていることも android の魅力の一つ。
- こうやって書いていると「じゃあどうしてWindowsCEじゃだめなの?」という疑問が湧いて来る。WinCEはPDAだけじゃなくてSTBとかの組み込みデバイスにも使えるはずなのになぜ全然だめなのか?Microsoftが本気でないから?PDAマーケットの挫折と一緒に挫折したのか?
- Microsoftにはパソコンビジネスでおいしいところを全部持っていかれた苦い経験があるから、もうあまり組みたくないとか?数ドルのライセンス料が部材コスト100ドル以下のSTBには高すぎるとか?
AndroidってSDKしか見てないんで、よく解ってないですが、
GUIに特化した(フレームワーク化した)Javaの亜種みたいな物だと思ってるんですが、
巷で言うOSって言ってるのが何処までの物なのかよく解らないですね。
なので何らかのOSが乗らないと動かない処理系だと思ってるんですよ。
「AndroidとWindows7を再起動せずに切り替え」
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20091015_android_aspire_one/
なので、上記は、Windows7上にAndroidが起動しているのではないかと思ってるんですが。違うかな。
だれかAndroid OSに詳しい人、教えてください。。
組み込みもAndroidというのは、やはり大抵のことが既にライブラリとして揃ってるからじゃないかと。
あと結構Javaエンジニア人口が増えているので、開発費用もローコストで出来るのかなぁと思ってます。
ライセンスのこともあるでしょうし、WindowsCEは無いと思います。
そういえば昔、Jiniって有りましたね。これも見越しての事なのでしょうか。
Posted by: MY | 2009.10.15 at 23:42
まず日本の多くの製造業の開発者というかそのマネージャーですが、GPLやAPL、BSDといったものをほとんど理解していません。法務部門ですらその完全な理解は怪しいくらいなもので、法務部門はリスクゼロがミッションですから、まずGPLがどんなものかわかるとほとんどのケースで否定します。その上で、トップの号令によってLinux等が検討されるわけですが、どういうわけか多くのマネージャにMicrosoftは嫌われています。おそらくは、まずNDA、次に周到に整ったライセンスアグリーメントとその担当がでてきて、開発部門ではまず太刀打ちできず、法務部門は先のミッションの達成のため、非常に長いライセンス交渉になります。そしてMicrosoftはとるべきところはしっかりととるので、ライセンス契約は多くの場合、ライセンシーにとって苦渋の決断になります。このため、Linux等GPLやその他オープンソース開発費用やリスクとMicrosoft製品を比べたときに果たして、どちらが有利かということが見えなくなってしまうことが多いのです。開発部門は、この経験から、単に反Microsoftということで、Android を選ぶということすらあるはずです。純粋な技術的な性能等を考えるとWindows CEもいわれるほど悪いものではないにも関わらず、土俵に上れないのです。Android がいいものかどうなのかはわからなくても、開発者は自身のマシンに Linux ないしいずれかの Unix を使うことあるので、Linux を使うことは敷居が低く、マネージャにも Microsoft ではないから、すぐに使えるね、といったことで多くの支持を得ているものと想像されます。
Posted by: just a reader | 2009.10.16 at 04:29
細かいツッコミですが3つめの項目に
「オープンソースという責任の所在が不明確なものを商品に使うことに不安があるし」
と書いておきながら4つめの項目では、オープンソースが利点となっているように書かれています。
もう少し考えられそうですね。
面白い考察です。
Posted by: ore | 2009.10.16 at 08:51
AndroidにはVxWorksのウインドリバーが絡んでいるというのが、心情的には大きいかもしれないですね。
Googleじゃだめなんですよ。大企業かもしれないけど、組み込み開発をビジネスにしている会社ではない。
でもウインドリバーが居るなら、プラットホームの継続性をそれなりに期待できるかと。
組み込みプラットホームは、何を選ぶにせよ、パートナーとして継続的にバックアップしてくれるのは誰?となりますよね。
コミュニティじゃなく、ビジネスとして継続的にパートナーになってくれる会社が必要。
マイクロソフトは、パートナーとしては言うこと聞いてくれない、高い、というイメージ。
Linux系だとモンタビスタなんでしょうか…
と、そこにVxWorksで業界に浸透度の高いウインドリバーがLinux系であるAndroidをひっさげて登場。
パートナーとして魅力的な会社+先進的(イメージ)なプラットホーム、というわけでマイクロソフト以外のパートナーというニーズをすくいあげることができたんじゃないでしょうか。
Posted by: cloudland | 2009.10.16 at 19:01
WindRiverはそこまで深く関与していないと
思うんですが・・・>cloudland様
私的な印象では、疲弊感漂う業界が、
こぞってAndroidに呑まれていく、暗いイメージです。
もっとも、日本じゃなくて、アジア系には
すごくいいマッチングだと思いますけどね。
実際、そちら側の方が積極的だし。
Posted by: bearcat | 2009.10.17 at 06:55
もともと、組み込みLinuxは普及しています。ただしオープンソースとして普及しているというわけではなく、組み込みOSの一種として普及しています。
そのため、GUIレイヤや一部のミドルウェアは各社、プラットフォームベンダがそれぞれがバラバラにプロプライエタリソフトウェアとして作ってきました。
それを改善しようと企業連合により共通プラットフォームが開発されたりしましたが、API規定だけだったりとなんだか片手落ち。
アプリケーションストアのあるiPhoneのウケたことで対iPhoneプラットフォームのニーズが高まったが、Appleよりもネームバリューや開発力の無い会社では単独で勝ち目が無い(*1)ため、プラットフォームの標準化圧力が強まる。
*1 勝てるとしたらMicrosoft、Google、ソニーぐらいな印象。
そこへAndroidの開発会社を買収したGoogleがさっそうと登場し話題沸騰。
GoogleがOHAを組んで、半導体会社から組み込み支援会社までもを巻き込む。
周辺の会社も無視は出来なくなり、Androidに対応したり講座を開いたり。
Androidの講座が増えたことで、他のところでも使われるように。
といった感じかと。外から見てるので薄いです。時系列も多少ズレてそうだなぁ。
Posted by: n | 2009.10.17 at 14:20