Microsoft, 何もかもAppleのまねをすれば良いって分けじゃないぞ
共著「Google Chrome OS」出版のお知らせ

Google TVを作ってソニーに何の得があるのだろう?

 今週は先日ベータリリースしたばかりのGoogle App Engineアプリのアップデートで忙しいのに、こんなネタを振られては書かざるを得ない。もちろん、「グーグルとインテルとソニー、「Google TV」デバイスを共同開発か--米報道」のこと。

 Googleにとってこれが良い話であることは誰にでも分かる。先日のセミナーでも指摘したように、先進国では既に飽和状態にあるGoogleのマーケットシェア。これ以上の利益を上げるためには、パソコンやスマートフォン以外のデバイスもネットに繋いで、全人類を「どこにいてもネットに繋いでいる状態」にしたいわけで(別名「全人類ネット中毒計画」)、Sonyのテレビを皮切りに、Samsung、Panasonic、Sharp、と主要なメーカーのテレビをGoogleのサービスに繋いでもらうためなら金を出しても良いと思っているぐらいだろう。

 Intelにとってもこれは当然の話。イノベーションのジレンマを断ち切るために、経営陣の英断で作ったAtomチップ。パソコンだけにとどまっているつもりなど全くないからこそのAtomなので、狙いはスマートフォンと家電。数にしてパソコンの10倍は売る意気込みじゃなければあんなものは作らない。その意味では、ソニーの全テレビに入れて、コストパフォーマンスと低消費電力をケーススタディとしてアピールできれば、その宣伝効果ははかり知れない。

 どうしても理解できないのが、Sony。元来がオープンAPIのGoogleのサービスなら、誰でも簡単に繋げるし、AndroidもChrome OSもオープンソースなのでそこでは差別化は出来ない。Intelに関しては、ソニーはチップを買う立場にいる顧客であり、パートナーシップを組んで得られるのは技術サポートとディスカウントぐらい。しかし、それは他のテレビメーカーもAtomにコミットさえすれば得られるもので、決してソニーだけのものではない。このパートナーシップから、ソニーが「ソニーにしか作れないもの」を出してこれるとはどうしても思えないのだ。

 言い換えると、私にはこの三社間パートナーシップにおいて、ソニーは何の得もしないのではないかと思えるんだが、何か見逃しているんだろうか?ひょっとしたら、ソニーのテレビがネットに繋がってGoogleに広告収入が入るたびに売り上げの何パーセントかを分けてもらえる、というアフィリエート的な小銭かせぎに走っている可能性もある。まあ、薄型テレビもコモディティ化して利益率の下がって来たことを考えれば、そんな小銭稼ぎもばかにならないのかも知れないが。

 これで完全にはしごを外された形になるのは東芝。久夛良木さんの肝いりでスタートした「Cellチップをテレビを含めた色々な家電に載せる」とう構想に、SonyテレビへのAtomチップ搭載で完全に終止符が打たれることになる。久夛良木さんもいない今、Cellチップにつぎ込んだ数千億円の投資は Sunk Cost (別名「死んだ子供の歳は数えるな」)として割り切ることにしたのだろう。

 しかしそれにしても残念なのは、Cellチップ構想がうまく行かなかったこと。経済面から見れば消費電力とコストがあまりにも家電向きでなかったのが失敗なのだろうが、やはり久夛良木さんが社長になれなかったことが敗因だろう。確かに思いっきりとんがった人ではあったが、このままコモディティ路線に走るよりも、「ソニーにだけしか提供できない何か」ととことん追求するには、彼のようなとがった人がリーダシップをとらなければならなかったのだろう。

 考えても見てほしい、誰でも作れるGoogle TVと、Cellチップが最初から組み込まれていて電源を入れるだけでPS3のゲームが遊べるテレビ、どちらが「ソニーらしいか」を。 

Comments

bob

些細ですいません sank → sunkですね。

nanasin

SONYとしては失敗続きですからね・・・
「嫌ならSamsungに話を持っていく」と言われて、慌ててOKしたのでは?
とにかく販売台数を伸ばさなきゃ話にならん、という状況なのでは。

Masa

同調です。 SONY AVチームが迷走しているとしか思えない。
CELLを使わず、INTELとは・・・久夛良木さんの逆の発想ですね。
TVもPCビジネスのようなモデルにしたいとしか思えない。
ここはとりあえず、東芝 CELL REGZA がんばれ。

あ、れ?どっかで見たような…

今朝このニュースを湯川さんが速報してたのを見て
なんとも言えない気分に…。
久夛良木さんはどのような思いでこのニュースを見てるのでしょうか?

>ここはとりあえず、東芝 CELL REGZA がんばれ。

Masaさんに同意

cloud

まさに5エントリー前の会話がSONYでされたのでは?

bob

そういえば、ちょっと昔久夛良木さんが打ち合わせで「いつまでもインテルのケ●の穴を舐めるようなビジネスをするつもりなんだ?」とある事業部長を問い詰めていたというのを聞いたことがあります。下品ではありますが、まさにそれをしているような感じですね。

YO

ps3入りtvなんて要らないけど?

青井十九

SONYに何の得があるのか? 門外漢の私はユーザー側の視点でしか捉えられませんが、どう考えても「消費者に対するインパクト」くらいしか利点が見えませんね。
SONYがテレビ商戦での「武器」としてGoogleにすがり付き、そこにインテルが割り込んできた、という印象です。
ずいぶん昔に、HDDレコーダー+PS2=PSXという製品がありましたが(売れませんでしたが)、SONYにはああいう面白い製品を作って欲しいなあと思います。しかしまあ、売れないとだめなんでしょうね。
恐ろしいのはGoogleです。もしSONYとの連携が成功すれば、必ず「ほとんどのテレビにGoogle機能が付いている」という状況へ持ち込むでしょう。そう考えるとインテルもいやらしいですねえ。
囲い込むための製品作りですか。なんだかがっかりな世の中になってきました。

ryu

何らかの独自ネットサービスをテレビ上で早期に立ち上げたいなら良い選択だと思いませんか?
おかえりなさいTVが上記デバイスのアプリ(サービス)として有っても良いわけで。ユーザー目線で見ればCPUがCellだろうがAtomだろうがEEだろうがSH4だろうが、OSが独自だろうがAndroidだろうがi-tronだろうがVX-Worksだろうが、関係ないですよね。ならHWやOSはH264のデコードFullHD出力出来る前提でVAIOで経験・実績のあるATOMとXpeiraでカスタマイズ経験のあるAndroidがてっとり早いと言うことではないかと。Cell開発に突っ込んだ資金が有ればどれだけのサービスが作れたかと思うと・・・。

またHWスペックだけで勝敗が決まらないのは、PS3 vs Wii, PSP vs DSで経験してきてるSonyならでは。Androidなら独自に変なセンサーやASIC突っ込んでもさくっと動きそうな気がします。結局LinuxのKernelドライバとNDKでJNIするだけですから。

ただ本当にSonyがサービス重視に舵を切るならって話ですね。会社ってやっぱり人財でもってますけどSonyはカスタムチップ設計とか電気回路とかHW周りのエンジニアの方が圧倒的に多いですから。

独自のサービス開発せずサービスはGoogleにおんぶにだっこで考えているなら中島さんのおっしゃるとおりだと思います。

yas

Google TVで「何を提供するのか」はもちろん重要ですが、「どうやって提供するのか」もまた同じくらい重要だと思います。
SonyはXMBという(改良すべき点もあるけれど)素晴らしいUIを持っているので、と安易に「Googleにおんぶにだっこしていれば」とはならないで欲しいです。

やなたかし

テレビコンテンツ制作サイドから見ると「すっごいな〜。テレビ付けるとGoogleのページがでるのかな〜。新しい番組作れないかな?」といった感想です。
ちょっと本筋とはずれるのですが、似たようなサービスに「アクトビラ」があります。これもテレビ+ネットワークなんですけどね。
でも、ほとんど話題になってない・・(すいません! アクトビラ開発の方々)。
しかしながら「Google+TV」だと、これだけ開発関係の方々の関心を呼ぶ! この落差に個人的にはびっくりです。
となると、、新しいサービスとして認識してもらうには「AとBを足してCができる」といったスペック、つまりは「何ができます」というよりも、「何ができるんだろう? 何かが変わりそうな感じ」などの期待感もかなり重要のような気がしました。
何か広がりそう! という感触がやっぱり必要なんでしょう。

Ching

Googleは本気っぽいですね。

今年の新入社員研修?と称して40人ぐらいをGlobal trainingさせてるらしいです。

品川に大勢来たのか判りませんが、台湾MediaTekには訪れたそうです。。。

WAL-MARTもBestBuyもチャリンチャリンビジネスに躍起ですから、SONYも黙っちゃいられないのでしょう。

今 話題の FREE TVができる日は近い?

SCENEE

確かに、据え置き型のゲーム機はTVと一緒になった方が合理的です!
PS3はCellが乗ったブルーレイデスクプレーヤーと考えてしまうと、ブルーレイプレーヤーが入ったテレビにCellを乗せればいいってことですかね?両方が一緒になって、従来のテレビより少し高いくらいであれば欲しいです。
これに、ソニーが開発しているWiiライクなリモコンをセットにすれば、面白いUIでTVと触れ合えそうです。

ただ、ふと思ったのですが、そのようなリモコンより、iPadのようなタブレットデバイスと連動すると面白いことになりそうです。タブレットなら、大きなマウスパットにもキーボードにもリモコンにもなれます。まるで、DSのディアルディスプレイ感覚をリビングルームで実現できますので、従来と違う、タッチパネルを使ったリビングエンターテイメント(ゲームや映画鑑賞など)が提供できそうです。TV+ネット+PC+ゲーム=PS3TV+タブレット。

なので、もしソニーがGoogle+Intelで何かやるとしたら、そういったタブレットデバイス+TVの融合を実現するタブレットPC&テレビ、そのためのソフトウェアを開発してほしいです。

家族で、高画質版Youtubeをテレビで見れたり、Picasaを閲覧したり、AtomがCellTVを操るためのサブCPUって位置づけだったり。

ryugeninagi

sonyとしては、対apple包囲網として、googleと組む方向でしょうか。電子書籍リーダー、テレビの次は何で連携してくるか分かりませんが、いずれにしてもgoogleと一番「親しい」関係にあるハードを作っている会社となる戦略だと、素人ながら思います。もっと深い戦略があるかな?

gr

Sonyのロードマップがみえませんか?

3Dテレビ用メガネ
 ↓
3D-PSP内蔵メガネ
 ↓
電脳メガネ

らしいでしょ?(^^)v

多分君

グーグル:OS&アプリ担当
インテル:CPU&GPU担当
ソニー:ゲーム&ハード担当

じゃないかなと思うんですけどね。
グーグルはゲームに関してはノウハウゼロですからね。
違うかなあ?

Black Lilly

無駄が多いものは、スタンダードになりえません。
つまり、無駄が多いものでは世界を取れません。
シンプルな進化こそが美しく、ipod googleはこの進化を忠実に実行できている会社だと言えます。

PS3ができるTVなんて、無駄の極みとしか思えません。
ファミコンテレビ・PSX同様、世界を取ることはできないキワモノです。

写真を取れて動画も取れて、GPSナビができて、お財布携帯が内蔵され、多機能進化してきた携帯が良い例でしょう。
悪く言えば抜本的な進化をせず、既にある物に継ぎ接ぎし最新であると言う幻想に陥った結果が今の日本の携帯電話産業です。
継ぎ接ぎしたものは、今までの据を捨て明確な進化を目指した物に勝てません。


そして、この携帯で起こっていることは数年後TVでも起こるかもしれません。
intelが搭載するチップがAtomであるなら、メーカ側が支払う代金は相当安いことが想像できます。
プラス10万かかる3D TVよりも、1万以内で収まるGoogle TVの方が先に流行るかもしれません。
そうなった場合に備えて、sonyが今のうちにノウハウを貯めることは英断だとしか思えません。

なっくん

わたしも最初「ソニーは騙された」と思いました。

とはいえ、現在日本でちょっと売れているソニエリのExperiaと同じような発想なのかもしれません。

いまやOS以下のレイヤーはコモディティでありそれなりの機能があればよく(他社にまかせる)、そのうえでどのような差別化可能なアプリを提供するかにフォーカスしているかとみれば、この行き方も有りなのかも。

一体型はコケます

>電源を入れるだけでPS3のゲームが遊べるテレビ
PSが1994年、PS2が2000年、PS3が2006年発売です。約6年スパンで新しいハードを出している。
そうすると最新のゲームをやる場合6年ごとに買い替えが必要になります。モニタ部分が壊れていない
のに買い替え?馬鹿らしいです。
またどちらかが壊れた場合、テレビもゲーム機もいっぺんになくなることになります。
ソフトの発売も悩ましいです。やりたいソフトが手持ちのハードで発売されるとは限りません。こんな
時はゲーム機とモニタは別のほうがすげ替えが簡単です。
ゲーム機とテレビが一体になったものといえば昔シャープがファミコンを内蔵したテレビを発売しまし
たが、すごく売れていたという記憶はありません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ファミコンテレビC1

一体型は便利なようで不便なのです。

midoriao

3Dテレビ用メガネ
 ↓
3Dヘッドアップディスプレイ(ワンステップ追加だったね)
 ↓
3D-PSP内蔵メガネ
 ↓
電脳メガネ(かっこいいサングラス風で頼むよ)

The comments to this entry are closed.