iPadのインパクト、私の予想8
iPadのインパクト:電子書籍のビジネスモデル

iPadで走れメロスを読むとこんな感じになります(実物大PDF付き)

 先日アナウンスしたiPad向けの「クラウド本棚付きeBook Reader」向けの青空文庫のPDF化の件、たくさんの方々からご支援をいただき、大変感謝している。このペースで行けば、日本でiPadが発売されるまでには、かなり充実した「本棚」ができそうだ。

 ところで、実機がまだ手に入っていないこともあり、レイアウトに関して特に指定はして来なかったのだが、皆さんの意見を聞いたり、実際にPDF化された文章をエミュレータで読んでいて感じたのは、青空パッケージなどで標準で採用されている「縦書き二段組み」がよさそうだということ。

 試しにiPadにこのフォーマットのPDFファイルを表示したところを実物大でプリントアウトしてみたが、結構良い感じだ。参考のために、リンクを下に貼付けておいたので、興味がある方はどうぞ(画面で見るのではなく、プリントアウトしてお楽しみください)。

http://satoshi.blogs.com/raw/sample_ipad.pdf

 ひょっとすると揺れる電車の中で読むには少し字が小さいかもしれないが、その場合はiPadを横向きにしていただければ、一段ごとに(つまり倍の大きさで)表示するようには作ってあるのでこれで十分かも知れない。

 ちなみに、「どうしてPDFなの」という質問がよせられたので答えておくと、iPadぐらいの大きさのデバイスで読む場合は、テキストファイルを流し込んで自動レイアウトする方式よりも、人力でフォントをしていてレイアウトしたものの方が、実際の本を手に取って読む感覚に近いものが実現できると考えているからだ。もちろん、そんな設計の方が、スキャンしたマンガ(JPEGファイルをZIP圧縮したもの)の取り扱いと親和性が良いというユーザー・インターフェイス上の利点もある。

 後、少し誤解をまねいてしまったようだが、正しいツールで制作したPDFファイルは基本的にベクターフォーマットなので、拡大縮小しても品質が落ちない。私が言うところの「iPad向けに最適化したPDF」とは、「iPadのピクセルサイズにあわせてラスタライズしたもの」を指すのではなく、「iPadの画面ぐらいの大きさに表示して読むのに適したフォントサイズとレイアウト」を指す。

 最後に、青空文庫のPDF化に関して、とても良いサイトを二つ教えていただきいたので、リンクを貼付けておく。

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