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普天間基地問題に関する一考察:米国は世界の「ジャイアン」

 鳩山さんの引退会見をこちら(シアトル)からiPad+Youtubeで見た私だが、彼が「普天間の問題は日本の安全保障の問題でもあり... 今の朝鮮半島の情勢を見るに...」という発言を聞いていて、「これはアメリカに恫喝されたんだな」と感じたのは私だけではないはずだ。

 安全保障の問題は、まさに日本という国のアキレス腱だ。それも第二次世界大戦における敗戦の傷が65年たってもまだ直らずに精神的なトラウマ状態になっている。

 「日本は世界で唯一の被爆国で、世界に平和を訴えて核兵器のない世界を作るのが日本の使命」というモットーはすばらしいが、現実の世界では軍事力を持ったアメリカが「世界の警察官」と自分自身を勝手に任命して、大きな顔をしている。「日本は絶対に核兵器を持たない、でもいざとなったら(核兵器を持った)米国に助けてもらう」という本音と建前の微妙な境目に日本の安全保障は立っている(参照)。

 米国は、ある意味でドラえもんに出て来る「ジャイアン」のような嫌なやつなのだが、実際のところ北朝鮮が韓国に攻め入ったりした時に真っ先に軍を派遣できるのは日本ではなく米国だ、というところが頼りになると日本も韓国も思ったりしているところが微妙だ。日本と韓国が隣国として本当の意味での強い同盟関係を結ぼうとしても、一番大切な結局安全保障の問題になると米国を交えずには話し合いすらできないのが現状だ。

 日本の政治家は、「日本も自衛隊なんかじゃなくて、ちゃんとした軍を持つべき」と発言しただけで「あいつは右翼だ、ファシズムだ」とマスコミに徹底的に叩かれ、結果的に票を失ってしまうという弱みを持っている。米国もそれをちゃんと理解しており「自分の国を自分で守れないくせに(すなわち、『自国の軍を持とう』と国民を説得もできないくせに)、沖縄の基地を移転しろなんて甘いこと言ってんじゃないよ」と、交渉の余地もない。

 鳩山さんも「そんなこと言うなら、日本だって自分で軍隊を持ってやる。日米安保なんかくそくらえだ!」とタンカを切ってから交渉にのぞみたかったところだろうが、現実問題としてそれが無理なことは米国にもバレバレで、結局のところ「分かったよジャイアン、なんとか沖縄の人を説得してみるよ」とすごすごと肩を落として退散してくるしかないのび太くん状態なのだ。

 こうなったらドラえもんに頼んで、新しい島でも一つ作ってもらうしかないと思うんだがどうだろう?あ、それはあまりにも現実的ではないから辞任するって?

 鳩山さんの会見を聞いていて、この人は本当は「日本も軍を持って、自国のことは自分で守れる状態にすべき」と言いたいんだな、でもそれをはっきりと言ってしまうと党が次の選挙で票を失うから言えないんだな、と強く感じた。

 世界の情勢が見えている政治家は、自民党でも民主党でも皆、「自国のことが自分で守れない国は世界での発言権がなくて、米国の言うことを聞くしかない」ことは十分に理解していると思う。でも「だから軍を持とう!」とは言えない。マスコミにたたかれるから言えない。「右翼だ、軍国主義だ」と批判されて票を失うから言えない。そんな気持ちがつくづくにじみ出ている会見であったと思う。

 次の総理が誰になるかは分からないが、もしその人が憲法9条の改正のことを言い出したり、自衛隊の海外派遣のことを言い出したとしても、拒絶反応で頭から否定するのは賢くないと思う。軍国主義でもなく、かつ米国の属国・二級市民状態でもない「平和を愛し、核兵器にも反対するけど、軍隊の必要性から目を背けたりせず、自分のことは自分で守れる自立した国」という形を本気で目指す時期が来ていると思う。難しいとは思うが、そろそろ敗戦のトラウマから脱却する時期だ。

Comments

fantasia

アメリカがジャイアンなら、日本はのび太・・・ではなくスネ夫。
臆病者で「虎の威を借る」ことが大好きな国ですから。

shigeki

結局、何でも批判か・皮肉るか・同調するかの日本人が多すぎるということでしょう。本当情けないよそうした日本人の存在とあんな負け犬と同盟関係なんて。

kaz

沖縄県民です。私も同じような事を考えていて、ブログにも書きました。

http://jamlog.podzone.org/index.php?id=39

「そろそろ敗戦のトラウマから脱却する時期」という意見、ホントそう思います。軍事アレルギーを持ち続けてはいけない、と。

satomeyer

その例えでいくならアメリカはドラえもんでしょ。
世界が手におえない事態になって「助けてドラえも~ん」と泣きつかれるのがアメリカですから。

AT

米国から独立したいなら、まず「核」か、核以上にヤバく決定的な兵器の開発/実用化が必須でしょう。
「あいつ強いから、ケンカ売ると痛い目に合う」と米中両国に思わせて、初めて脅しから逃れられ、
対等の交渉ができるようになるんです。

まず核(かそれ以上の武器)が先。核武装なしで独立論ぶちあげられても迷惑するだけです。
国際関係は性善説では動いてません。「(軍事力に限らないあらゆる意味での)力」が全てです。
他国の善意を信じて突っ走るのは自殺行為です。(おかげで温暖化トラップにかかって酷い目にあってます…)

hiro

中国が日本に武力侵攻した際に、アメリカは助けてくれるのか?ということを考えると、最大の米国債の受け手である中国に大して正面きって武力行使をするのを米国はためらうのではないかと思っています。

そうすると、「そろそろ敗戦のトラウマから脱却する時期」というのは本当におっしゃるとおりだと思います。

貴重な意見をありがとうございます。

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