iPadアプリ開発日誌:CloudReadersのアーキテクチャの解説を書きました
今日はWindows95の15才の誕生日

読者への公開質問:なぜソニーはアップルになれなかったのか?

 私も交換書簡およびアプリの開発を担当している、梅田望夫さんの「iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう」、電子書籍ならではの目玉は、発売後に読者からいただいた質問に私と梅田さんが答えるという「増える交換書簡」。

  すでに二つの質問に対する回答がアップロードされているが、これからも順次答えて行く予定なので、質問の方、よろしくお願いする。

 興味深いのは、最初の二つの質問がどちらもソニーに関するものであること。「なぜソニーがアップルになれなかったのか?」「ソニーとグーグルの提携に未来はあるのか?」。

 株価総額でもあっさりとアップルに抜かれ、ここのところいまいち元気のないソニーだが、「もし日本のメーカーでアップルに対抗することができる企業があるとしたら、それはソニーだろう」という多くの人の期待を込めた質問なのだろうと解釈している。

 私の回答は交換書簡を見ていただくとして、逆に私からこのブログ(もしくはこの電子書籍の)の読者に質問を投げかけてみたい。質問はずばり「なぜソニーはアップルになれなかったのか?」だ。

 アップルが瀕死状態だった2000年前後、家電ビジネスには多少問題があったものの、プレステのビジネスは絶好調でメディア・ビジネスへの投資にも効果が現れており、色々なものがデジタル化する中で、当時のソニーは「デジタル家電の覇者」になるのに必要な人材・技術力・ブランド力・カルチャーのすべてを持ち合わせていたように思える。

 しかし、実際にはiPodで足元をすくわれ、iTunes Music Storeではまさに「ソニーがやりたかったこと」を目の前でされ、iPhoneがあっと言う間にソニエリを抜き去りスマートフォンの頂点に達し、電子書籍端末に関して言えば、iPad vs. Kindle の戦いの土俵にも上げてもらえない状態だ。

 なぜこんなことになってしまったのだろうか?そして、これからどうすればソニーは復活できるのだろうか?もしくは、真っ向からアップルと戦わないのであれば、ソニーはどんな企業になれば良いのだろうか?

 このエントリーへのコメントでも、はてぶでも、Twitterでも(タグは #sonyap)、自分自身のブログへのエントリーを書いてトラックバックをする形でも良いので、ぜひとも皆さんの意見・味方を聞いてみたいと思うのでよろしくお願いする。活発な意見交換を期待する。

Comments

Hori

おそらく「日本的な企業体質」が邪魔をしたのでしょう

Hori

おそらく「日本的な企業体質」が邪魔をしたのでしょう

hellomac

ソニーに限らず日本の企業は独創的なアイデア(製品アイデンティティ)を具現化する事をリーダーシップを取らない傾向があると感じます。デザインや個々の機能にはアイデアが存在し、提案もしているのだけれどそれらを一つにまとめ使いやすく理解しやすくするための取捨選択と誇張ができない。
多くの商品を抱えすぎて個別に行われているために製品同士の共通のアイデンティティも希薄だと感じる。
多くのユーザーに最大公約数的な満足や売り上げを確保するために平均値的な判断がなされすぎていて冒険することがない。世界のソニーは日本的企業だと感じる。右脳の働きが優先されないのではAppleにはかなわない。

kamimura

Kamimura's blog: Satoshi Nakajimaさんのブログ、"Life is beautiful: 読者への公開質問:なぜソニーはアップルになれなかったのか?" にコメントしてみる。
http://sitekamimura.blogspot.com/2010/08/satoshi-nakajimalife-is-beautiful_24.html
(トラックバックの仕方が分からない(;^_^A のでブログのエントリーを書いたので記事へのリンク)

首藤真

イノベーションのジレンマ!

ysh

コモディティ化する戦略をとらなかった
ずれた土俵で相撲をとられて負けたように見えてます。

ysh

コモディティ化する戦略をとらなかった
ずれた土俵で相撲をとられて負けたように見えてます。

makoto

やっぱり、SMEとの関係がありOpenMGで著作権にこだわったのが失敗だと思います。
あとは、PS2のメモリカードをメモリースティックにしてシェアを拡大しとけば、違ったような気がします。
CLIEや、ソニーの携帯を愛用していた頃が懐かしい。テレビもコンポも全てソニーでした。

Kenji Munakata

ソニーには、ジョブズがいなかったから。
アップルもジョブズが戻るまでは、迷走してました。

yhd

インターネットは隕石であると言ったもののそれ以上のものが
何も見えなかった出井氏の無能さが原因でしょう。
ジャック・ウェルチのまねをして大失敗。

もつ煮込み。

Apple:デザインと機能、技術が融合してる。
SONY:デザインが機能の足を引っ張り、技術がデザインの足を引っ張る。

どちらも個性的であろうとしている部分は同じだが、
Appleはユーザーフレンドリーであり、SONYは独善的。
結局のところ、トータルバランスが悪い。
優秀なデザイナーは多数いるのだろうが、
プロダクト全体をディレクションできる優秀な人材がいないのでは。
ジョナサン・アイブや宮本茂のような才能を育てるかヘッドハンティングすべき。

mtgood

SONYは製造業であったがコンテンツホルダにもなってしまったのが
間違いの始まりだったと思う。
コンテンツ側が足を引っ張って技術力を生かせなくなってしまった。
Appleだけじゃなくサムスンなどが飛躍してるのもコンテンツホルダでない
強みを生かせているのだと思う。

mg

昔のソニーは、ユーザーの視点にたった開発をしていた。ビデオは放送局や映画界のコンテンツプロバイダの訴訟に対し、ユーザーの立場で立ち向かい、タイムシフト視聴なる概念を導き出して商品化を成功させた。ウォークマンも個人的にカセットに自由に録音して自由に利用できた。ところが、今のソニーはユーザー視点でなくコンテンツプロバイダの立場で開発を行っている。このためCCCDやATRAC、iTunesストアへの楽曲未提供など問題行動がユーザーを遠ざけている。90年代のCDの成功体験や映画コンテンツの成功がそうさせたのかもしれない。Appleはあくまでもユーザーの立場が最優先であり、ユーザーのためにいかにコンテンツプロバイダと共存するかを考えているメーカーであるためiTunesストアのようなことができた。だからAppleはSONYのように音楽レーベルや映画会社を持つことはない。SONYが昔のようにメーカーのみであったならどうだろう、Appleのような企業になっていくかもしれない。

motowie

私自身も私の周りもソニーというブランド力はPS2まで。
それまでは、ソニーというだけで買いたくなる何かがあったし、
ソニー製品だらけだったのに、今は一つも無い。

RJ

ソフトとハード、両方あると思います。

ひとつはソフト面です。
iPodで敗れたという意味では、やはり
SONY MUSICといったコンテンツプロバイダーを
抱えているのがネックなのではないでしょうか。

網羅的なサービスを作りにくいばかりでなく
(それがmoraだとソニーは思っているのでしょうが)
iPodユーザーにSONYのコンテンツを
提供することもできなくなっています。
実際、自分はboom boom satellitesや
いきものがかりやJASMINEが好きなのですが、
iTMSにないので購入していません。
「地元のスーパーにない」のは致命的です。
みんながラー油買いに石垣島に行くわけじゃないですからね。

もうひとつはハードです。
自分はコピーライターなのですが、
キーボード入力の快適さからVAIOを選んでいます。
先代まではデザインも良かったのですが
現行はこだわりが少なくなったように感じます。
ストリンガー就任の悪い側面でしょうね。

PS3などにも言えることですが、
ソニーは大手なのにクオリティ高いというのが
他の大衆化ブランドとの差別化になっていました。
自分もCyber-ShotやBRAVIAを買ってきています。
その分価格は…となるわけですが、
実はアップルも高いんですよね。
相場のない革新的な商品を出すことによって
収益率の高さを維持している。
そこにソニーが気づけばよかったのですが、
クオリティを下げる方向に動いてしまったのが残念なところです。

また、独自規格というのも
なかなかに成功していない印象があります。
自分はオリンパスPENを使っているのですが、
NEX-5はマイクロフォーサーズでない規格で出してしまいましたね。
規格さえ同じならレンズだけでも買うのに。
湖ではなく、水たまりに釣り針を垂れてしまう、
そういう戦略性にもどかしさを感じますね。

簡単太郎

創業者が引退したからだよ。簡単じゃん。

tavi


SONYは技術力がありますが、危機感が足りなかったのかと思います。
日本やアジアで大きなシェアを誇っているだけに、社員一人ひとりが焦らなかったのかと。
アップルに危機感があるかどうかは分かりませんが、
面白いものを作ろうという気迫は、アップルが圧倒的ではないでしょうか。

読み人知らず

ソニーがアップルになれなかったんじゃない

アップルは、理想としたソニーになった
一方、ソニーには理想とするものがなかった

そゆこと

feflight

上で書かれているように、アップルにはジョブズが戻って来たが、ソニーの創業者は去ってしまったからでしょうね。
個人的にはソニーは好きだったのですが、最近はソニー製品で買ったものが、PS3とトルネくらいです。
2代目、3代目の両アイボのユーザーですが、すでに開発は中止され、サポートもなくなりました。
もう誰がトップになってもソニーは普通の会社以上にはなれない気がします。
それより、新しい感覚を持った新しい会社の誕生を期待したいです。

@masahiro8

リビングではなくパーソナルの時代にむかっていることに気付けなかった、体験もメディアも。そこが全ての原因では。

usirono

「優しすぎたから」だとおもいます。
その方向性が業界内と社内に別組織へ向いていて、ユーザーへは負担をかけることしか考えられなかった、集金システムが崩壊することを恐れていたんでしょう。
iTunesの歴史を見ても、アップルがまったく何の障害もなく成立できたわけではなく、裏で音楽業界を騙すような計画を緻密に立てて実行していった狡猾さがあったようですが、それをSONYは社内で出来なかったのだとおもいます。
ユーザーの声をきくまえに、社内の声に優しく耳を傾けなくてはいけなかった。その声がユーザーの代理の声ではなく、ノイズだったことに気づいた時はすべてが手遅れだったのでしょう。
もっともアップルになることがいいことだとは思いませんが。

tomo

ソニーもアップルも、よいリーダーが適切な裁量を持ってつくったものはすばらしい製品になっていると思います。
ただ、PSやPSPを製品化したのはアップルではなくソニーだったのと同様に、
iPhoneやiPadを製品化したのはソニーではなくアップルだった。
それだけのことでしょう。

今はアップルがヒットを飛ばした直後なので差がついて見えるのでしょうが、
10年スパンで見れば、両社ともにそれぞれ良い製品をリリースしていくと思います。

kaz

経営陣がソフトウェアを軽視したこと。

ayan

テレビをあまり見なくなってから、
生活の中でソニーを見かけなくなった気がする。

yamada

僕はソニーの「VGP-BMS10」を開発した担当者は史上最高のマウスを開発したんじゃないかと思っていますが、そのマウスにソニーという企業が「vaio」の刻印を前面に入れてしまいこのマウスをただのvaioのオプション品にしてしまいました。アップルのマウスに「Mac」の刻印が入ることは考えられないですよね。

aaa

製品のコモディティ化が進んだ以上、日本の電機の衰退は必然でしょう。そしてメーカーが煽るほど多くの人は高機能を欲していないし、開発費をかけた高機能品が下位モデルに移植されて製品競争力を発揮する形にも持ち込めていません。

また高機能品はマニアが使うものですから、基本は機能>操作性を要求されるので、何時まで経っても快適なUI一つすら作れません。

ソニーの場合はソフト産業をグループに組み込んだのが明らかに足かせになっていますね。またロケーションフリーの様に裁判の結果一つで将来性のある製品を封印してしまう所も問題でしょう。盛田氏がβ訴訟で力づくで勝訴を勝ち取った様な気骨が今の経営陣にはありません。久夛良木氏を組織としてうまく使いこなせなかったのが直近では最大の損失でしょう。

kou

昔は、製品やサービスの方向性や考え方がバラバラでも、企業理念をベースとして、技術力とブランド力で成果を上げてきたんだと思います。

インターネットに代表されるネットワークの時代になり、ハードもソフトも全てを持っているSONYが独走するはずだった。

しかし実際には、組織間での軋轢や、官僚制の逆機能も働き、組織内が空中分解しているのではないでしょうか?

umi

「絶対世界一になる(アップルに負けない)」と言う、強固な意志が無かった。

s

最初のコメントで全て言い得ているかもしれませんが、日本的体質だから、じゃないかと。

技術も、コンテンツもあるのは当然。で、知る限りの開発畑の人々は、危機意識ももっていたようだし。結局、経営陣にそれをくみ取る能力がなかったからに尽きるんじゃないかと。

あと、メディアフォーマットとかオープン性という点では、コンテンツの会社をグループに持ってしまっているのが、良くも悪くも働いたと思います。

ken

ObjectiveC のような世界的な言語をもち、SDKを作ってGoogleと互角に戦えることだと思います。
Googleとの協業は、社会的な背景もあり、USと勝負をするよりも協業が優れていると判断されたのではないでしょうか。

namek

ジョブスはカリスマ起業家であり、出井はサラリーマン社長である。以上終了。
これ以外の原因らしきものって全部これの症状にすぎないんじゃないのかな?

toshi

総合力じゃないでしょうか。
もちろん両社に総合力はあるんですが、SONYは大きくなりすぎた印象があります。
だから事業ごとに会社を作った。もちろんそれは多様な分野へのビジネスチャンスやブランド力の強化には繋がるけど、イノベーションを起こすには不向きだと考えます。要するに全社的事業では、なかなかそれぞれの強みを活かせないのではないかと考えます。

feye

やっぱり製品を自分で育てる努力を怠り
売れないからってすぐ作ることをやめちゃうからかな。
プレイステーションも次を作るかどうか…

magnon

シンプルに考えたらよいのかと。


・成功体験があったからこそ、ディフェンスの範疇で攻めたつもりになった。
・ゲームと家電の事業部が似たようなものを作り、
              結果として会社としてひとつになれなかった。


トリニトロンの存在で、液晶は遅れ、
ウォークマンのおかげで、ポータブルものはそれを引きずるハメに。
会社も組織も大きくなれば、やめる決断なんて簡単に出来ない。

復活手段については、トルネのようなものがひとつの鍵なのかと。
現時点で、トルネはオタク商品スレスレかと思いますが、
操作性が別次元の良さ、楽しさをもっているのだとしたら、
ブルーレイレコーダーみたいな家電は、スパッとやめないと。
ソニーらしさって、チャレンジングな提案。
どちらも発売、と言っている間は、アップルにもサムスンにも勝てない。

B4

自分たちの技術力の「高さ」に対して慢心があったのではないでしょうか。一時のHONDAがそうだったと思いますが、顧客の欲しているものよりも、自分たちが作りたいものをつくって、それで「どうだ、すごいだろ」ってことで満足しているようなところがあるように思います。

Dora

採用に失敗したから。

有名大学から推薦でお勉強のできる人をかき集めてた。

僕はKO Univ.だけど、まじめーなつまらない人が行ってた。

人が全てだと思います。

TITO

個人的にはAppleに近い企業は任天堂だと思っています。
どちらにも最高のコンピューター(ゲーム)を創るんだ!という根源的なテーマが企業に根付いており、顧客にもそれが浸透していると思います。
要所で必要な技術特許をポン!と盛りこんだ期待通りの製品をだしてくる様は、まるでよく出来た映画を観るようで、我々を楽しませてくれますね。
ソニーは技術があって見所はあるけど、テーマが無いイマイチな映画ですね・・・。

kazuki

アップルはソフトウェアの会社で、ソニーはハードウェアの会社。
そしてデジタル家電の本質はソフトウェアだから。
ハードの強みが生きる分野ではまだ元気なんじゃないでしょうか。
PS3にもう少しソフトよりの発想があれば、状況も違った…かなぁ。

thumbyah

 user interface と user experience にプライオリティを置いた Apple

 function と Spec にプライオリティをおいた SONY

 カタログスペック競争は既存の商品の枠をハミ出せない商品企画担当者も説明しやすいし、口を出すくせに責任をとらないエライ人が横比較で安心できるので企画が通りやすい。SONY はイノベーションのジレンマをそのまま踏襲している日本企業の one of them になってしまったと思います。

kotaro

ユーザーエクスペリエンスを体験させることができなかったからだと思う。

AppleがiPod、iPhoneそしてiPadを世の中に出すたびに(噂がながれるたびに)私たちはどんなことができるのか、どんな感動体験ができるのか想像してしまう。

Sony復活のカギもしびれるような感動体験をさせることができるかどうかだと思う。

Kz

使う人がどう感じるかを考えてモノをつくるか、
単にモノを作って人に使わせるのかの違いだと思います。

「あの人に会いたい」の井深さんの発言で既に現れていると思います。
お客さまのことを考える前にモノ作りすることが先になっていました。
今のAppleの製品を使っていると使う人がどう感じるかを意識している
のをつよく感じます。
日本のメーカーはどこもSONYと同じ問題を抱えています。

Mit

2001-2010年という時代はどのような時代だったか、から考えてみました。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロで幕を開け、1990年代に進んだグローバリゼーションが本当に世界の隅々まで到達し、その揺り戻しで始まった10年間だったように思います。
2001年、iPodが発表されました。iTMSは単に音楽をオンラインで販売したのではなく、音楽という非常にローカルな産業までもが、iTMSというひとつの枠組み(ストアは各国ごとですが)に収まったことが、象徴的のように思われます。一方、ソニーは日本と欧米で異なったストアをオープンし、CMも製品展開も各国・地域で異なる戦略を、現在もなおとり続けています。
ローカライゼーションへの揺り戻しはあったものの主流になることは無く、ますます世界の隅々までグローバライゼーションが進んだ10年だったように思います。アップルにとって追い風だったでしょうし、グーグルにはなおさらだったことでしょう。

さて、2010年代はどうでしょうか。ローカライゼーションへの揺り戻しはガス抜きのように発生することはあるかもしれませんが、グローバライゼーションの傾向に変わりはないでしょう。サムスンだけでなく中国企業もさらにグローバルな戦略を取り、コスト競争は激化し、さらに多くの国がデフレを経験するかもしれません。アップルと戦うか、は別としてソニーはグローバルな戦略に立ち戻るべきだろうと思います(かつての井深さんが世界へ出て行ったように)。サービスや製品、アイデンティティがぶれることなく推し進め(世界のどこでもひとつの同じ製品、同じサービス)、その上でのグーグルとの連携を行うことで、ようやく実を結ぶのではないかと思います。

7k8m

なぜソニーはアップルに勝てなかったのか、ならば意味ある問いかと思いますが、ソニーはアップルとは異なる会社だから、なぜアップルになれなかったのかという問いは、あまり意味がないと思います。

色々な経緯はあってもアップルがOSのビジネスを継続した会社で、ソニーはOSをビジネスにできなかった会社だった、というのは勝てなかった理由として大きいのかなーと。

yhd

改めて出井氏をディスります。

カンパニー制を導入し社内を細かく縦割りにし内向き論理を優先する
個別最適の企業体質にしてしまったこと。

これが最大の元凶です。

出井氏の悲願はソニーの持ち株会社化だったらしいですが、
確かにカンパニー制導入する思想を持っているなら
そこに行き着くと思います。
しかし、それは実現しなかった。

その理由は出井氏によると
「僕が入社したのはソニー本社だ」、
「結婚式のときに、ソニー株式会社に勤めていると紹介されたい」
という社員の気持ちだったそうです(笑)

一方ソニーEMCSを設立したときは移管される部門のソニー社員は
転籍でしたが、そんなことに彼は意にも介さなかったでしょう。
彼の製造部門を見下している姿勢が現れているのではないでしょうか。

その他にも彼の言動を見ていると、彼の興味はつまるところ
プロフェッショナル経営、企業統治、等であり、エレクトロニクスなどの
個々の事業によって世をどうしていきたい、というものが感じられません。

確かにファイナンス部門が強くなったのは彼の業績でしょう。
また就任当時のソニーの様々な危機を乗り越えたのも称えられるでしょう。
しかしそれら「するべきこと」をした後の彼は裸の王様状態であり、
ソニーのエレクトロニクスを迷走させ崩壊させ張子の虎にしてしまった。

ソニーの凋落はとても残念です。

Mit

2001-2010年という時代はどのような時代だったか、から考えてみました。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロで幕を開けました。1990年代に進んだグローバリゼーションが本当に世界の隅々まで到達し、その揺り戻しで始まった10年間だったのではないでしょうか。
2001年は1st iPodが発表された年です。iTMSは単に音楽をオンラインで販売したと言うよりも、音楽という非常にローカルな産業までもが、iTMSというひとつの枠組み(ストアは各国ごとですが)に収まったことが象徴的のように思われます。一方、ソニーは日本と欧米で異なったストアをオープンし、CMも製品展開も各国・地域で異なる戦略を、現在もなおとり続けています。
ローカライゼーションへの揺り戻しはあったものの主流になることは無く、さらに世界の隅々までグローバライゼーションが進んだ10年だったように思います。アップルにとって追い風だったでしょうし、グーグルにはなおさらだったことでしょう。
さて、2010年代はどうでしょうか。ローカライゼーションへの揺り戻しはガス抜きのように発生することはあるかもしれませんが、グローバライゼーションの傾向に変わりはないでしょう。サムスンだけでなく中国企業もさらにグローバルな戦略を取り、コスト競争は激化し、さらに多くの国がデフレを経験するかもしれません。アップルと戦うか、は別としてソニーはグローバルな戦略に立ち戻るべきだろうと思います(かつての井深さんが世界へ出て行ったように)。サービスや製品、アイデンティティをぶれることなくグローバルに推し進め(世界のどこでもひとつの同じ製品、同じサービス)、その上でのグーグルとの連携を行うことで、ようやく実を結ぶのではないかと思います。

takayuki

Apple(jobs)は、自分の思い描く遠く(未来)を鮮明に見ている。 そして、それを信じて疑っていない。
進むべき方角に向かう途中のブレや寄り道があったとしても、その方角を見失わない信念がある。
以前に言ったことを覆すようなことがあっても、目的を達成するためにはささいな事ぐらいにも思っている。
目的地までの環境は時代とともに刻々と変化しているのだから当たり前といえば当たり前。

強力な指導者が会社にいるからこそできることではあるけど。

k.k

無駄に長くてすみません。

おおよそ2000年以降、新型のゲーム機や、携帯音楽端末、携帯電話のような機械というのは、単純に機能面で見ると、非常に似通った機能、またそのベースとなる技術を使用しているように思えます。これらのような機器は、性能や機能では横並びなので、ユーザインタフェースによって差別化される部分が、過去よりもずっと大きな面をしめているのではないでしょうか。

そして、機器のユーザインタフェースと言うのは、決してソフトウェアの見た目だけでなく、ソフトウェアの内部構造(OS)、またハードウェアデザイン、すべてとリンクしています。つまり現代において、優れたUIの機器を作成するには、ハードもしくはソフト、どちらか一方の技術だけが優れているだけでは、作れないものなのだろうと思います。

AppleとSONYの差というのは、AppleはOSを持っていて、ハードも自分で作ってきていた、「トータルデザイン」が出来る企業だということにあるのではないでしょうか。SONYは、Vaioなどが代表的かと思いますが、ハードウェアデザインは出来ても、ソフトウェアは他社から買っていて、その点でトータルとしてのインタフェースでは、Appleに追いつけなかったのだと思います。
その観点からすれば、簡素ではあれ独自のインタフェースを積んでいる、PS2, PSP, PS3のOSは、実はSONYにとってはとても重要な技術になるのではないでしょうか。私はPSPを持っていますが、発売当時で比較すれば、決してiPodと比較して劣ったものではないと思っています。iPodがタッチパネルを搭載したあたりから差がついてしまいましたが。。。

なぜSONYがソフトウェア技術でAppleのようになれなかったのか、という点は、一つには過去の成功体験(SONYは機械(ハード)を作る会社)やプライド、それに、日本企業的な「IT(とくにソフト)はSIerに外注」という、内製しない文化が、その一因になると思います。

jj

慢心。
ユーザやエンドユーザ視点の製品がなくなり
Sonyの仕事だからと頑張った下請けさえも蔑視。

昔はSonyだからと安心して買えたのに
Sonyらしさを本人達が見失い、
技術で売ってたのが、今では名前で売るようになった。

今後ここまで大きくなった体のままの復活は正直無理だと思う。

PowerYOGA

Apple家には子供が4人、成人した《パソコン》と今世紀になって産まれた《音楽》《電話》《書籍》。
後の三人は計画的に産んできたので、各人に愛情とお金をたっぷり注ぎ込んで丁寧に育てたし、ニューエイジの彼らは慣習にとらわれることもなく、すばらしく成長することができた。

対してSONY家には成人した子供が何十人もいて、中には成功者も少なくなかったので、誰も新世代にバトンタッチする必要性を感じ取れず、いざ大人の発想ではダメだと気づいたときには、Apple家に大きく水をあけられていた。

yhd

カンパニー制を導入し社内を細かく縦割りにし内向き論理を優先する
個別最適の企業体質にしてしまったこと。

これが最大の元凶です。

出井氏の悲願はソニーの持ち株会社化だったらしいですが、
確かにカンパニー制導入する思想を持っているなら
そこに行き着くと思います。
しかし、それは実現しなかった。

その理由は出井氏によると
「僕が入社したのはソニー本社だ」、
「結婚式のときに、ソニー株式会社に勤めていると紹介されたい」
という社員の気持ちだったそうです(笑)

一方ソニーEMCSを設立したときは移管される部門のソニー社員は
転籍でしたが、そんなことに彼は意にも介さなかったでしょう。
彼の製造部門を見下している姿勢が現れているのではないでしょうか。

その他にも彼の言動を見ていると、彼の興味はつまるところ
プロフェッショナル経営、企業統治、等であり、エレクトロニクスなどの
個々の事業によって世をどうしていきたい、というものが感じられません。

確かにファイナンス部門が強くなったのは彼の業績でしょう。
また就任当時のソニーの様々な危機を乗り越えたのも称えられるでしょう。
しかしそれら「するべきこと」をした後の彼は裸の王様状態であり、
ソニーのエレクトロニクスを迷走させ崩壊させ張子の虎にしてしまった。

ソニーの凋落はとても残念です。

Yuichi

keywordは、リスクテイクとコンセプト。

sony幹部のメンタリティが他の大企業と同じように、自分のポジションを高めるためには、成功して上へあがるよりも、失敗して下に落ちないようにしたいという方向へ変化しているのではないでしょうか?
そうして、『良いチャレンジ』よりも『好ましい結果』を得ようとするあまり、適切なリスクテイクができない会社へと変化してしまったのでは。

さらに、デジタル化されていくマーケットに対して、全包囲網的拡大戦略をとったために、ハードもコンテンツも抱える会社となり、結果sony-groupとしての全体最適を考えざるを得なくなり、ユーザーから見たときに魅力のないproductやserviceが生まれるという状態になっていると思います。

対して、appleはjobsの独裁ではありますが、コンセプトは一貫しいてシンプルだと思います。ハードメーカーであり、productはシンプルかつユーザーフレンドリーだと。コンテンツは、プラットフォームを準備するだけ。
ハードを売るためのコンテンツという位置づけをぶらさずやっているところに成功の一因もあると思います。

appleもjobsが去った後は、今までのようには行かないのではないかと思いますし、sonyにもこのままで終わって欲しくはないですね。

sonyは今のような大企業病に陥った総合マルチメディア会社のような形態ではなく、ハイコンセプトでオシャレな会社に、「It's a SONY」と思わせるハードメーカーへの回帰をして欲しいですね。

imata

ソニーの失敗は色々な事業に手を広げすぎた事ではないでしょうか?
エレクトロニクス、ゲーム、コンテンツ(映画・音楽)、金融(保険・銀行)等々…
エレクトロニクスの分野でいえば、各製品に様々なバリエーションを作りすぎて、どれをメインに戦略を練って行くのかを見失っている気がします。
ソニーの競合とされる企業(アップルや任天堂など)は、自社製品を絞り込んで成功してますからね。
いま一度、事業を見直して全体を指揮出来るリーダーと内部組織の再編が必要な時期なんではないだろうか。


ochi

結局ソニーはハードの会社である。今でもある意味とんがったモノは作っている。見た目もいい。だからそのあとの使い方、それを使ったライフスタイル? がユーザに訴求できていないのが原因。でもアップルはポルシェを作る会社なので、同じ土俵で戦うのはどうかと思う。むしろ任天堂の方がアップルに近いと思う。

Josh

プロダクトラインをシンプルにできなかったからです。
ジョブス氏が帰ってきてから、例えば newton は切られ. PowerMac PowerBook iMac iBook. とシンプルにし、リソースをフォーカスして使いだしました

iPhone iPod はやっと newton に追いついてきた感じです

最近のソニーは何の会社かわかりません

KY

成功体験から抜け出せず事業領域の再定義ができなかった、あるいは再定義した事業領域がソニーの領域ではなかった、と思っています。なぜ銀行や損保会社など金融業へソニーが進出したのか全く理解できません。
どこかで読んだのですが井深大さんのこの言葉は素晴らしいの一言です「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」。

hirokithm

うまくトラックバックできなかったので、コメントで失礼します。

成果主義と独立採算制がうまく機能しなかった、なんてことじゃないかと思っています。

■成果主義と独立採算制の微妙な関係
http://d.hatena.ne.jp/divinglife/20100825

jun

ソニーは会社が大きくなりすぎて、ゴールが見えなくなっていた。かっこいい商品である事が重要なのか、安全性なのか、コストなのか、ステークスホルダーも重要だし、社員の生活も守らねば等々。
AppleはJobsが明確にゴールを語り、それに向かってハードもソフトも進んでいた。何を捨ててどこに行くべきかが明確だった。
企業の衰退期にソニーはあって、Appleはまだスタートアップだったという事。
AppleにとってitunesとかiPhoneとかはツールでしかなく、どこに向かうべきかという明確な戦略がこの差を分けたのだと思います。ただ最近のAppleを見ているとそろそろベンチャー精神が薄れてきているのかな?とも思うので、この先の10年は違う事が起こるのでしょう。

takao

メディア屋さんから脱却できなかったからでは? カセットテープから始まって、ベータ、CD、8mm、メモリースティック、UMD等々、成功したものも、成功しなかったものもあるけれど、いずれにしてもメディアが
ソニーの中で大きな存在だったように思う。デファクトになれば利ざやも大きいし。

ただインターネットが登場したことで、そうしたメディアが古くさくなり始めた。というか、ネットワークがメディアになった。それにソニーは対応できなかったからでは。

ktsuchiya

ソニーは製品を個別に重視、アップルは市場全体を重視したというところではないでしょうか?

そもそもソニーとアップルはものの見方が違ったのだと思います。

携帯オーディオにしてもipodはiTunesというセットで展開して、それが流行った。

walkmanは慌てて真似をした感じが否めない。

ソニーは家電メーカー目線だったのではないでしょうか?

Naito

Appleは夢を売っているけれど、SONYは夢を見ることを忘れてしまったんだと思います。だからSONYが復活するにはもう一度、夢を追いかけてみるしかないと思います。でも今の日本の会社、特に大企業にはなかなか出来ない。スティーブ・ジョブスみたいなカリスマが生まれないと難しいんでしょうね。昔のSONYには沢山いたような気がします。

palm4


すでに指摘されているように、コロンビアを買収してコンテンツホルダーになった時点がターニングポイントだと思います。もちろん、外圧によって買わされた可能性もありますが。特にミュージックシーンでは、自社製品を支えるコンテンツも自社製となってしまった時点で、違法コンテンツが入り込む余地が道義上なくなってしまい、中途半端な製品となってしまったと思います。ハードウェア単体では、現在でも様々な点においてiPodよりも上だと思いますが、ビジネスモデルとしては成立していません。結果的に、違法コンテンツという現実とバランスを取ったアップルに軍配があがったのだと思います。皮肉なことに、勝者であるはずのアップルはその点で自らの首を絞めつつありますが。

現在の株主構成は知りませんが、ソニーは早い段階ですでに日本の企業ではなくなっていると思います。すなわち、欧米型短期戦略的な経営になり、フットワークが軽くなった反面、製品や市場を育てる余裕はなくなりました。どれだけの商品が市場から姿を消したか数えきれません。逆にワンマン経営のアップルには、じっくりと製品や市場を育てる余裕がまだあります。インチキ金融システムによって、すべてのことが加速してしまったために、アイデアの段階で市場に投入されて、資金を集め、いつの間にか消えていくことの繰り返しが蔓延しつつあります。もちろん、それに荷担している有名な企業はGoogleです。一日中モニターの前に座っている人間が、思いつきのアイデアを世の中に放ち、そこに未来が垣間見えたとして、資金がつぎ込まれ続けています。アイデアを思いつくことは比較的簡単です。アイデアが製品として、サービスとして育ち、市場を形成して、多くの人々が幸せになるまでには、多大な時間とユーザーを含めた多くの人々の協力が必要となります。本来、人類のために役に立ち、多くの人々を幸せにしたであろう技術や製品やサービスが、今日のような時代背景によって消え去っていることは、ある意味で残念です。ソニーにはその点を踏まえて、がんばってほしいと思います。

maemae

仮説ですが、ソニーの企画者・デザイナが時代感覚とづれた自分のために製品をつくっていたため。

Kuwa

組織面と、戦略面の両面に問題があったと思います。

まず、組織面。SCE設立を最後にコミュニケーションラインがほぼオフィシャルなものだけになってしまった。
つまり、何かあったら俺がケツを拭くからという形で、既存事業にはまらないプロジェクトや横断的なプロジェクトを引き受ける人も、引き受けたいと思う人も、引受させる人も2000年前後に引退している。

戦略面では、アップルがiPod、iPhoneなどでやったように製品サービスをプラットフォーム化し、サードパーティーがそのプラットフォーム上にビジネスチャンスを見出し、リスクを取ってコンテンツを開発するような仕組を作れなかった事です。
従って、自社の限り有る資源を、細かな中途半端な試行錯誤プロセスに振り分け、すぐには成果が出そうにないと(つまり1会計年度内に)手を引っ込める事になってしまったのです。

Googleとの提携は、Androidというプラットフォームの適用領域拡大のモルモットになるわけで、リスクだけとらされてそれにより拡大した付加価値はGoogleさんに搾取されるという危機を孕んでいます。

KATO

ユーザーではなく、権利者を重視していたから。

KUWA

最近、間違えて何度も投稿してしまうので、また間違っていたらすいません。

さて、私は要因は大きく分けて組織と戦略の2点に集約できると思います。

まず、組織。
AppleやGoogleは新しい市場を創造しているわけですが、このような事業は既存のオフィシャルなコミュニケーションラインが主導的な分業型の企業は扱うのが下手です。SonyにはSCEの誕生以降、非公式なコミュニケーションラインから自然発生的に立ち上がったプロジェクトがありません。
2000年前後に、俺がケツを拭くからやってみろと、既存の枠組みではアプローチできないビジネスを支持し予算を工面する人々、リスクをもって引き受ける人々は、定年したり退社したりしていなくなっています。


次に、戦略。
奇跡的にPS ONEの時は成功しましたが、内向き志向のSonyはコアとなる商品サービスをプラットフォームとして自社が提供し、ユーザーが消費するコンテンツやペリフェラルはサードパーティーに開放し、サードパーティーはそのプラットフォームにビジネスチャンスを見出して、市場創造を行い経済圏を拡大するというような仕組をなかなか作れません。
限られた経営資源を、中途半端にたくさんの試行錯誤用プロジェクトに配分し、すぐに成果が出ないとなると手を引く、つまり1会計年度経つか経たないかでプロジェクトを潰してしまうからです。

そしてGoogleとの提携。
一方、Googleとの提携は、Androidの適用可能領域を広げるモルモットになることを意味しています。これは市場創造のリスクだけ負わされて、その利益はGoogleに搾取されてしまう危険を孕んでいます。
正直、非常に厳しい状況だと思います。もし初期商品が単品として成功しても、Samsungが直ぐに集中投資してきて市場を持って行ってしまうでしょう。なぜなら付加価値はAndroidが握っている訳で、その搭載ハード市場で派遣を握るのはローコストプレーヤーだからです。

ochi

ソニーはハード、ソフト、コンテンツで一体化していないから。ハードばかりで頑張っていて、他が付いてきていない。やはりユーザーへのおもてなしが足りないんでしょう。でもアップルはポルシェを作る会社、同じ土俵で戦うべきではないと思う。またソニーよりむしろ任天堂の方がアップルの対抗馬になれると思う。

iwayan

そもそも、近年のソニーは、ソニー独自の理念や方法、個性のある経営をしていたのだろうか? そうとは言えないように思われる。

商品開発の方向性や拘り・無謀さ、人材の雇用・活用に関するメリハリ、意思決定の判断基準とプロセス、予算のつけ方、etc. etc.
日本企業の中でも、元気がいいと言われている企業は、こうした経営の部分部分に独自の手法や理念が反映されていると思う。(その、企業活動の随所に反映されることこそが、経営だろう)
ソニーは、確かに過去において独自の存在だった。だが、近年もそうであったか?

「iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう」における往復書簡で明快に書かれているように、ジョブズの明確な方向性があり、アップルの企業文化があり、そこにネットスケープ社OBが集まり、先鋭的な商品のリリースと失敗・反省・学習があり、革新的な商品とサービスが生まれた、といったストーリーの通った連鎖がある。
ソニーがそうした連鎖の起こらない会社になってしまっていたから、アップルになれなかったのではないだろうか。

ootsuki

イネベーションのジレンマに嵌ってしまったのでは?
既存の収益を上げている部門を保護するために、なかなか革新的なことが出来なくなってしまったという印象がある。
(全社を上げての新陳代謝が出来なくなったという印象。)

mg

一番の問題は、足元をすくわれたiPodや、ソニーがやりたかったのに目の前でやられたiTunes Music Storeや、iあっと言う間にソニエリを抜き去ったPhoneや、戦いの土俵にも上げてもらえない電子書籍端末の失敗経験が次に生かされないこと。

yano_ken

ソニーが志向する「ものづくり」はクラフトマンシップで、アップルが考える「ものづくり」はエンジニアリングなのだと思います。私の趣味はオーダースーツですが、職人さん曰く「良いものを作る職人は減ったが、それ以上に『良いもの』を求める客が減った」とのことです。ソニーが考える精度を、ユーザーが求めなくなったことが今回の結果だと思います。

Naito

夢を売っているAppleと、夢を忘れたSONYの差でしょうね。Appleの製品は見ているだけでワクワクさせられます。日本の大企業にはそこが欠けている感じがします。

Haruch

こんばんは、Haruchです。
8/21のブログに丁度同じタイトルでアップしていました。やはり『顧客体験』を重視していなかった、『ユーザー』不在だったのが最大の原因だと思います。
http://ccrnet.exblog.jp/tb/13814645

ZYX

単に現在の状態がそうであるだけだと思います。
何にでも良い時もあれば悪い時もある。
かつてのアップルがそうであったように、勝ち続けることが難しくても、だからと言って一度負けたら復活できないこともありません。
10年後には「読者への公開質問:なぜアップルはソニーになれなかったのか?」という記事を書いているかもしれません。

kobachan

一言でいうと、企業体質に尽きると思います。
リスクをとらない(会社にしがみつく)幹部が多いのが原因と思います。
井深+盛田時代なら、アップルに真っ向勝負可能な気がします。
とにかく、ワクワクする製品を提供するというサービス精神が失われました。
技術者が成功体験にひたり、しかもハードウェア偏重の過去にしがみつき、
現在の変化に対応できる組織ができていないことだと思います。
コンテンツはソフトは、映画、音楽など優れたものも持っており、しかも
ハードウェアの技術はもちろん世界有数の会社ではありますが、そのコンテンツ
を生かす組織すなわちリーダーシップを発揮でき、かつ末端の実務者まで
マインドをあげることができないのが最大の弱みと推測します。

Kuwabara

井深大・盛田昭夫の創業者と、その二人から直接薫陶を受けた、大賀典夫・井出伸之の世代が去ったから。
Steve Jobs 無き後の Apple が、今のソニーの姿とも言える。

Yoichi

 何というか,ソニーは日本のメーカーにしては見てくれのよいものを作るが,内容が伴っていなかったりする.
 現行モデルは知らないが,2,3年前にポータブルナビを購入したのだが,検索機能がまったくお粗末.と,いうかほとんどまともな製品の体をなしていなかった.ソフト部分の品質はどうでもよいと思っているのだろうか? ハードとソフトの一体感がないのである.こんな半製品,誰が好きこのんで使うのか疑問.これは1例だが,他の製品も似たようなものだ.
 やはり,理念のないメーカーは何をやってもダメなのではないだろうか? 

おっさん

Sonyは超高級レストランチェーン店を目指し、Appleは頑固オヤジのこだわりラーメン屋を目指した。
なのでSonyは絶対にAppleにはなれない。

Tadd

成功した既存ビジネスを破壊するような革新的な商品やサービスを英断できなかった。結果として、既存ビジネスの補完するものだけが選ばれ、魅力を失った。

ikemo

顧客への基本姿勢からして対極的です。

Apple: Appleの製品を使うと便利になるよ
Sony: Sonyの製品を使わないと不便になるよ

音楽とか顕著な例ですね。ソニーはWalkmanを売るためにSMEの曲をiTSで売らない。
ジョブズはDRMの囲い込みを批判されたときに、
「DRMなして売ればいいじゃん」と言って日本以外ではそうなった。

うなぎいぬ

一言で言えばよいOSを持っているかどうかの差だと考えます。
今のアップルの好調はOS-Xの成熟に支えられていると思ってます。
アップルが変わったのは初代iTunes発表時(だったと思う)のキーノートから。
あのときにジョブズは正直にアップルという会社の方向転換を僕らにも示してくれていました。
あの時に宣言したデジタルハブ構想のレールの上を走り抜けてきた10年。
アップルコンピュータはアップルになり、ジョブズのぶれないコンセプトのもとで
大きくなっていますね。
会社がつぶれそうだったことが会社が変われた大きな原因の一つでしょう。
ソニー含めた巨大企業があの頃のアップルのように方向転換できるか?
答えはノーでしょうね。マイクロソフトでさえ保身で精一杯です。
アップルに同じ土俵で対抗できうるのはベンチャーでしょう。
もちろんOSを持っていることが必須。
巨大企業の中ではグーグルでしょうね。

澁谷直樹

トラバックしたかったのですが以下のエラーになります。

http://www.typepad.com/services/trackback/6a00d8341c4f9853ef0133f346e0ae970b へのトラックバックに失敗しました。

Cannot find column 'source_email' for class 'PhenoType::M::Asset::FakeTrackback'

ちなみに僕の記事は:http://d.hatena.ne.jp/naokishibuya/20100910/1284137680

さすらいのジョー

Sony製品はウオークマン時代までは愛用していました。壊れたら近くのサービスショップに持ち込み修理しました。あの頃は良かったです。
噂で流れたSonyタイマーの如く壊れやすいというマイナスイメージがありましたけどね。
2年前にViaoを買いましたがOS(Viata)仕様の悪さに耐え切れず1週間で売却しました。
Sonyとパナソニックって販売している商品が似ています。同じメーカー体質だからでしょうか?
Appleはカリフォリニアの自由な風土があり、CEOもそれを大事にしています。両社の本社をgoogleのストリートビューでみれば極端な違いがあります。
自由そうなappleと縦社会のsony……………

wph

製品の品質やユーザビリティなどの違いはあると思いますが、根本原因は、それを生み出す人材や社内プロセスにあるのではないかと考えます。

失敗を避ける社内雰囲気や、それに起因する意思決定の遅さ、社員の安定志向など。

「ものづくり屋」ではなく、「大企業」になってしまったのではないでしょうか。

今でも、海外に行けば、ソニーブランドは日本の代名詞になっているところもあるので、ソニーの復活には期待しています。

mori

ソニーがAppleになりたかった訳ではない。Appleがかってのソニーになりたかったんだろうと思う。そのチャレンジャー的な立場がAppleを変態させたんだろうと。成功事例ばかり見るとAppleが如何に凄いかが判るが、失敗事例を見ていけば、その岐点にAppleのデシジョンが見てとれる。失敗した時、彼等は十分な結果を得て撤退をする。ソニーは十分な結果を得ずに、撤退を余儀なくされる。GoogleもAppleと然り。彼等はよく似ている。似ているからこそ反目することになったのだろう。コモディティ(規格、Interface等)の統一は事実であるが、それを産んだ社内の体制にある。ある意味、マトリックス化しているような事業部制が実は全く繋がりのない別組織として運営され、脚の引っ張り合いをしていたに過ぎない。SONYというブランドをライセンスされているに過ぎない社内事業部、ここに広義の「一貫性」はなく、総花的なブランドに世間の目は一喜一憂こそすれ、魅了されることがなかったというだけである。Appleにこれが無かったかといえば、あっただろう。ただ撤退するという意志を経営陣がもっていたことが彼等の勝ち目であったということである。「許容する器」だけが必ずしも経営の神器ではないのである。

mike pino

自社の利益を損じかねない破壊的イノベーション、高機能低予算なものを販売するところに踏み込めなかったところではないでしょうか?
ソニーの力なら、そういうものを開発できるとユーザはわかってるのにソニーはしない。そうしている間に海外企業にその部分を踏み込まれ、ユーザの関心を失ってしまったところだと思います。

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