Androidタブレットはヨドバシカメラの「Androidタブレットコーナー」に横並びにされた時点で負けだ
2011.01.15
今年のCESについてだが、すでに「感心した商品」と「自分も関係していてうれしかった発表」に関しては書いたので、今回は「これはだめかな」と思ったもの。
まずその筆頭は「3Dテレビ」。これ以上大きくすることも薄くすることも解像度を高くすることもできなくなってしまった「成熟しきった」デバイスであるテレビに何とか付加価値を付けようという気持ちも分からないでもないが、正直言ってこれはいらない。CESに出品されている最新の3Dテレビを見てもあまり感動しないし、そもそも目が疲れる。今年の末あたりになって、「結局3Dテレビって何だったの?」という話になると私は見ている。
二番目は「Android」。前にも書いたが、これから家電やスマートフォンの市場に新規参入しようというアジアのメーカーにとっては、Androidを活用して短い開発期間と低コストで「安かろう悪かろう」のデバイスを薄利多売で売りまくるという戦略は利にかなっている。問題は、既存の家電メーカーや携帯電話メーカーの「何のためにAndroidを使っているのかが全く見えて来ないデバイス」だ。
確かに、OSを自社開発していたのでは時代に取り残される。マイクロソフトは足踏み状態であてにならない。残る選択肢としてはAndroidを選ぶしかないのかも知れないが、じゃあそのデバイスでどんな価値を提供しようとしているのか、どこで差別化しようとしているのかが見えて来ないデバイスばかりだ。まさに「とある家電メーカーでの会話」に書いてあるような経緯で出て来たんじゃないかと思えるものばかりだ。
「他のメーカーもAndroidを採用したから」「Androidにすれば開発者がアプリを作ってくれるから」「うちとしても、タブレットを出さないわけには行かないから」などの甘い気持ちでタブレットを出してもまず成功しないと思う。
まずはAndroidや第三者のAndroidアプリのことは忘れて、(1)どんな人たちに売りたいのか、(2)どんな価値を提供したいのか、(3)どうやってiPadと差別化するのか、(4)どうやって他のAndroidタブレットの中で埋没せずに目立たせるのか、を徹底的に考えた上で商品作りをすべきである。
ヨドバシカメラの「Androidタブレットコーナー」に置かれて、「機能一覧」だけで横並びに評価されて、「A社のタブレットは、B社のと比べてカメラの解像度が1.5倍でメモリも2倍です。その分、1万円ほど高くなりますが。ちなみに、Androidなのでどれも使い勝手は同じです」と売られるようでは負けだ。
個人的な期待。
以前(2000年頃の映像だったかな?)Microsoftのビルゲイツ氏がこれからはスタイラスが重要になるといってデモしてたのを見た気がします。
なのでiPadのマルチタッチの指での操作に対抗してタブレットを出すのではなく、マウスでもキーボードでも指でもなく、スタイラスペンで操作することに特化したOS, タブレット端末等をMSでも他社でも発売したら面白そうで欲しいなあと思ったり。(確かiPhoneの発表のときにジョブズ氏はスタイラスには否定的で、Appleからそのような端末が発売されることも無いと思うので。)
Posted by: kamimura | 2011.01.15 at 23:05
VAIOやDynabookがノートパソコンコーナーにあるのを見て、それらがが負けているとは思いません。
でもどうして、AndroidがAndroidコーナーに並ぶとAndroidの負けなのですか?何に負けたのですか?
どう売られたら、勝ちになるのか、教えてください。
Posted by: Gai_kun | 2011.01.15 at 23:18
なぜ負けなのか?って。
そりや、差別化もできずに価格競争になったら海外勢に太刀打ちできないからでしょ。
Posted by: ひろ | 2011.01.16 at 00:56
既存のメーカーがとりあえず参入しようってレッドオーシャンに飛び込んでもまず勝てないでしょう。
3Dテレビはイノベーションのジレンマの悪い例になりそうですね。
Posted by: ikautak | 2011.01.16 at 01:46
いわゆるIT関連メーカに勤務する自分にとっては、世界に通用せず国内限定での価格競争とシェア争いに明け暮れる製品開発では、会社も従業員も疲労するだけで何の利益も得ていないという実感があります。所有することや使うこと、ただそれだけでワクワクするし夢を見れる様な製品を企画し製品化してみたい、その気持ちを持てないところに根本的な問題が横たわっていると感じます。
Posted by: masahiro | 2011.01.16 at 03:51
これからは(というか既に)コンセプトの時代。
いかに消費者に新しいライフスタイルという付加価値を売るかというコトを考えれば、Apple優位は変わらないと思います。
ハードとソフトの両面から利用者の使いやすさを優先している上に、ブランディングも成功しているAppleは以前のAppleとは違いますので、今後もシェアを伸ばしてくると思います。
日本のメーカーにも本当に利用者を考えたモノ作りをして欲しいと思います。
本来、日本人はそういうのが得意だと思っているのですが...
Posted by: shinta | 2011.01.16 at 04:35
メーカーがAndroidのシステムの深いところまで作りこんで差別化しようとすればアップグレード時に悲惨な事になるのはこの1年で証明されたので、極力システムには依存せずにWebの向こう側にプラットフォームを構築し、それをデバイスを超えて違う切り込み方で利用出来るようにすれば、Appleの守備範囲外の分野と連動することで何とか差別化できそう・・・かなぁ???
でもWebのレイヤーにはGoogleという巨人が待ち構えていて、巨人の肩の上で巨人と戦うはめに。
Posted by: magnara | 2011.01.16 at 06:00
似たようなこと最近考えていたのでよければ見てください
http://masao9090.blogspot.com/2011/01/blog-post_17.html
Posted by: darry129 | 2011.01.17 at 00:47
>>kamimura
それなんてWM?
Posted by: GACHA | 2011.01.17 at 02:34
独自性を出したらガラパゴスと言われ、世界標準(?)に合わせたら負けだといわれるんじゃどうしようもないですね。
もし日本のメーカーがiPhoneを発売していたらガラパゴスといわれていただけなんじゃないかと。
3Dテレビも、せっかく付加価値を付けようとした結果なのに、年末にはなかったことになるとまで一刀両断されちゃうし。
まあ、言いたい気持ちも分かりますが。
ちなみに、レアケースでしょうけど、僕の友達は、IS01とiPodを数日実際に利用してみて、最終的にiS01を選んでいましたよ。
Posted by: なおゆき | 2011.01.17 at 07:03