出版のお知らせ:「エンジニアとしての生き方」本
2011.03.10
インプレスから「エンジニアとしての生き方」という本を出したので、宣伝させていただく。前にもここで紹介した「逃げ切りメンタリティ」という言葉を最初に使った書籍である。
ブログのエントリー、雑誌のコラム、そして書き下ろしの文章から構成された本だが、主となるメッセージは「これからはソフトウェア・エンジニアという職業はますます重要になる。自分の人材市場における価値を高く保ち続けるための努力を惜しまず、上司や政治家に頼らずに自分の道を自ら切り開いて行こう」というストレートなものだ。
日本には、ものすごく優秀なのに低賃金でこき使われているエンジニアもいれば、逆にソフトウェアのことが好きでもない人が「つらい、厳しい」と文句を言いながら長時間ソフトウェアを書いていたりもする。一方米国だと、優秀なエンジニアは引っぱりダコだが、まともなソフトウェアが書けない人はすぐにクビになる。
必ずしもどちらが良いとは簡単には言い切れない話だが、常に広い視野を持って、自分が本当は何がやりたいのか、自分の才能を活かすにはどんな仕事に就くべきか、どこで働くべきかを考えておくことはとても大切だと思う。日々の仕事に負われているエンジニアたちが、ちょっと立ち止まって自分自身のキャリア・パスのことを考えるきっかけに本書がなってくれれば最高である。
ちなみに、このタイトルだが、私は「ガラパゴス脱出論:日本を捨てて日本を救えーこれからのグローバル・エンジニアの生き方」を提案したのだが、「それって、ベストセラー狙いのダイアモンド社の書籍のタイトルみたいですよね」と軽く却下されてしまい、結局このタイトルに落ち着いたという経緯がある。私は、あの女子マネの「ドラッカー本」を企画した人は天才だと思っているのだが...
多くのまともなプログラマー(好きでこの職業になった人たち)は、自分の書いたコードに、自分はおろか、所属する会社のCopyrightすら書けない状況で働いていると思います。そして日々、現役を離れて、管理職となることを迫られていますが、それでもめげずに、いつかは!という思いで努力しているのではないでしょうか。私の友人は、閉そく感に耐え切れず、新たな活路を求めて、台湾へと旅立ちました。
Posted by: Hiroyuki Shimizu | 2011.03.11 at 20:15
思わずポチッとやりそうになったのですが、その前に聞かせてください。電子書籍版など近々検討されていますか?
Posted by: Akira Murao | 2011.03.13 at 04:09
電子書籍版は、現時点では予定していません。
Posted by: Satoshi | 2011.03.13 at 07:46
タイトルは 日本を捨てて日本を救えーこれからのグローバル・エンジニアの生き方 の方がよかった に一票
Posted by: choimoni | 2011.03.17 at 09:18
ご著書、拝読しました。非常に勉強になるとともに、楽しめました。とくに「とある家電メーカーでの会話:クラウドテレビ編」は秀逸で、腹をかかえて笑いました。これからもブログ、ご著書、たのしみにしております。
Posted by: Toshihiko Kamimura | 2011.03.18 at 15:30
ご著書、拝読しました。非常に勉強になるとともに、楽しめました。とくに「とある家電メーカーでの会話:クラウドテレビ編」は秀逸で、腹をかかえて笑いました。これからもブログ、ご著書、たのしみにしております。
Posted by: Toshihiko Kamimura | 2011.03.18 at 15:30
拝読させていただきました。SIerに入社し、その環境にぬるさを感じていた私にとって、四章は特に考えさせられました。現状把握から始め、今の立ち位置を見直したいと思います。ありがとうございました。
Posted by: Kenji Matsuoka | 2011.04.03 at 04:23
ご著書の中で「理科系の作文技術」を説明されているところに、実は一番深く読み入りました。いい(技術説明の)文章を書くのと、いいプログラムを書くのは、似ているような気がしていまして。いい文章を書こうと案を練っているときと、いいプログラムを書こうと案を練っているときとで、なんだか同じ気持ちを感じることがあります。
私なりに、書き留めた文章の書き方メモをシェアしたくて、コメントを残します。
http://simonpg.web.fc2.com/Pages/labo/writing/20080901_ToWriteIdea/index.html
Posted by: simon.p.g | 2011.11.30 at 05:31