特にサッカーファンにはお試しいただきたいDAFLOID for iPad
2011.05.25
UIEジャパンがImagica TV、スクワッドと共同開発しているDAFLOIDがiPad向けにリリースされたのでここに報告させていただく。
DAFLOIDは、ひと言で言えば「自分が好きなスポーツやチームのことばかりが書いてあるスポーツ速報、ニュース、記事、ソシアルフィードが、ひとまとめになって、タブレットを通じて毎日・毎時とどけられる」という体験をおとどけするメディア・アプリケーションである。
Flipboardのように単にRSSフィードやソシアルフィードを集めてくるだけのフィード・コレクターものとは大きく異なり、プロのスポーツ・ライターたちがDAFLOID向けに速報や記事を書き、編集もし、今までの新聞や雑誌と同等の(もしくはそれ以上の)手間をかけてちゃんとした「紙面作り」をしているのが特徴だ。
目指すは、10年後20年後の子供たちに「お父さんたちの時代にはDAFLOIDなしにどうやってスポーツを楽しんでいたのかまったく理解できない」と言われるぐらいに生活に密着した「スポーツファン必須の」メディアになることである。
戦後、スポーツ新聞が野球やプロレスや相撲の楽しみ方を何倍にもする役割を果たしたが、「これからはDAFLOIDがその役目を担う」意気込みでもの作りをしている。
私は少し前から、セミナーなどで「電子書籍は、スマートフォンやタブレットで起こる『メディア革命』の始めの一歩に過ぎず、その先には『新聞や雑誌などよりもはるかにすばらしい何か』が提供されることになる」と言って来たが、その漠然としたイメージの「何か」を形にしてみたのがこのDAFLOIDと考えていただければ良い。
「テレビ番組」が、単に「ラジオ番組に単に画像を付けただけのもの」ではないのと同じ様に、紙という媒体向けに作られた書籍や新聞や雑誌を単に電子化した「電子書籍」は、スマートフォンやタブレットにとってみれば「画像を付けただけのラジオ番組」と同じことである。
ネットに常時接続しているモバイル端末だからこそ可能な、リアルタイムなニュース速報、TwitterやFacebookなどのソシアルフィードを活用したメディアを作るべきだし、文字や画像だけでなく、映像やアニメーションを組み合わせたより進化した形の「コンテンツ」の提供をすべきである。
そんな思いのエンジニア、記者、編集、企画者たちの思いがこめられたDAFLOID、これからもどんどん進化させて行く予定なので、ぜひともお試しいただきたい。
ちなみに、(株)スクワッドは、サッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」の発行元。「この20年間に発行された新聞の中で最後に成功した新聞」と言われる「エル・ゴラッソ」を作った山田泰氏が、自ら「紙の新聞の時代」に終止符を打つべくこのDAFLOIDプロジェクトに乗り出した理由は、山田氏自身が書いた「最後の新聞」を読んでいただければ理解できると思う。タブレット・スマートフォンが引き起こすメディア革命という巨大な氷山に激突しようとしている出版業界のイノベーションのジレンマを打破する鍵がここにあるのかもしれない。