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ホリエモンを有罪にしておきながら、この東電の粉飾決算を見逃すことは許されない

毎日新聞に「福島第1原発:東電が政府側に渡した文書の全文」という記事が載っているが、それを読んで少し驚いた。まさに東電と保安院がどんな形で、情報の隠蔽(正確には「原発事故の意図的な過小評価」)をしてきたかが良くわかる確固たる証拠だ(こんな文章が表に出る様になっただけ、日本も捨てたものではない)。

とくに驚愕なのは、以下の部分。

(1)地下水の遮へい対策は、馬淵補佐官のご指導の下、『中長期対策チーム』にて検討を進めてきているが、「地下バウンダリ(発電所の周りに壁を構築し遮水するもの)」は現在、最も有力な対策と位置づけ。ただし、対策費用は現状不確定であるものの、今後の設計次第では1000億円レベルとなる可能性もある。

(2)今回の検討の過程で、政府側から国プロジェクト化の示唆(当初は国交省予算)があり、その前提で、設計着手と工事着工の前倒し案が浮上。ただし、現状では、担当府省がどこになるかも含め、国プロ予算の具体化に目途が立っているわけではなく、経産省(原子力政策課)でも最近になり検討を始められたとの認識。

(3)こうした中で、速やかにプレス発表をすべきとの馬淵補佐官のご意向を踏まえ、14日の実施に向け準備中であるが、工事の実施を前提とするプレス発表をした場合は、その費用の概算および当社負債の計上の必要性についてマスコミから詰問される可能性が高い。

(4)また、現在、22年度の有価証券報告書の監査期間中であり、会計監査人から、当該費用の見積もりが可能な場合は、その記載を求められる虞(おそれ)が高い。しかし、極めて厳しい財務状況にある現下で、仮に1000億円レベルの更なる債務計上を余儀なくされることになれば、市場から債務超過に一歩近づいた、あるいはその方向に進んでいる、との厳しい評価を受ける可能性が大きい。これは是非回避したい。

つまり、福島第一原発の放射性物質を安全に閉じ込めるためには「地下バウンダリ」と呼ばれるコンクリートの壁を地下に作る必要があるが、その見積もりコスト(1000億円)を正直に公開してしまうと、それを債務として計上しろと会計監査人に指摘される可能性が高い。それを避けるために「コストも工事の時期も未定」だと説明したい、と言っているのである。

ライブドアの件で知る事になった人も多いと思うが、上場企業の経営者が、会社の財務状況を悪いニュースも含めてすべて公開することは義務であり、それを怠ることは「粉飾決算」にあたり、有罪である。たとえコストが見積もりに過ぎないとしても、ひょっとしたら国から補助が受けられる可能性があるとしても、そういう情報も含めて、企業として背負っているリスクをすべてをちゃんと公開するのが上場企業の経営陣の義務。

1000億円とも見積もられる「地下バウンダリ」のコストと緊急性の公開を怠ることは、まさにこの「粉飾決算」に値する。特に「市場から債務超過に一歩近づいたと思われたくない」という動機に基づいた情報の隠蔽は、まさに「会社の財務状況を実際よりも良く見せよう」という行動であり、決して許してはならない重大な犯罪である。

ライブドアの堀江氏が粉飾決算で実刑判決を受けたことに関しては、「既存の大企業には甘く、ベンチャー企業には厳しいダブルスタンダード」との批判の声も聞くが、もしこれが粉飾決算扱いされないとしたらそれこそダブル・スタンダードである。市場には、原発事故発生後(株価が暴落する前に)すぐに自社株を売り抜けた東電の経営陣がいるとの噂も流れているが(こちらはインサイダー取引疑惑)、そのあたりもふくめた公平で厳正な調査・処罰を期待したい。


iOSアプリ開発日誌:neu.Notes 1.70 リリース

ITunesArtwork ここのところ、neu.Notes+のリリース、neu.Annotate PDFのアップデートと、リリースが続いているが、一番の目玉はこのneu.Notesのアップデート。

今回のアップデートで一番注目していただきたいのが、線を描く時のレスポンスの速さ。neu.Notes+のリリースの際に、描画エンジンを大きく作り直してレスポンスを大幅に改良したのだが、今回アップデートで、neu.Notesも同じ描画エンジンを使うことにより同じメリットが得られるようになったのだ。

その他にも、直線の描画、カメラからの画像取り込み、テキスト入力、シェイプ、スタンプ、虫眼鏡、と新機能が満載だ。

neu.Notes+のリリースの時にも延べたように、neu.Notesはneu.Notes+の廉価版という位置づけではなく、(本格的な編集機能付きのneu.Notes+に対して)neu.Notesはあくまでササッとメモを取りたい人向けのツールとして、並行して進化させて行くのでご期待いただきたい。

ちなみに、今回のリリースから、iPadだけでなくiPhone/iPod touchでも動くユニバーサル・アプリとしたので、iPhone/iPod touchをお持ちの方にもぜひともお試しいただきたい。


iOSアプリ開発日誌:neu.Annotate 1.30

Icon@2x 先日、neu.Notes+をリリースしたばかりだが、今日は neu.Annotate のアップデート版(バージョン1.30)がiTunesストアに並んだので、報告させていただく。 追加した主な機能は以下の通り。

  • 消しゴム
  • ファイル名の変更
  • マルチライン・テキスト
  • ペンの色や透明度の変更
  • 塗りつぶし
  • テキスト色の変更
  • 画像ファイルのペースト

同時に、いくつかのバグを修正している。


iOSアプリ開発日誌:neu.Notes+ 1.0 虫眼鏡モードとグループ・エレメントについて

Neu.Notes+ 先日リリースした neu.Notes+。ほとんどの機能は特に説明も受けずに使える様にデザインしたつもりだが、複数の機能を組み合わせて自在に使いこなそうとすると、実際に「それぞれの機能が何をしているのか」という一歩踏み込んだ理解が必要になる。

特に「虫眼鏡」を使って2つ以上のエレメント(=描画要素)を描いた場合、それらが自動的にグループ化されることを理解しておくと、かなり高度なことが出来る様になるので、今日は、そのあたりに一歩踏み込んだ、「中級者以上」向けの解説をしてみたいと思う。

まず最初に、「虫眼鏡モード」だが、これは、画面右下の「虫眼鏡アイコン」をタップすると始まる。

 

Magnifier2 この「虫眼鏡モード」は、左図のようにメイン・キャンバスの一部を拡大して、全体を見ながらエレメントを描いて行くことが可能なのだが、実際には、メイン・キャンバスに書き込んでいるわけでなく、このモードを開始した時点で作られたサブ・キャンバスに書き込んでいる。あたかも直接書き込んでいるように見えるのは、メイン・キャンバスの上にサブ・キャンバスの上に重ねて表示しているからである。

「虫眼鏡モード」は、サブ・キャンバスの右上の"X"ボタンをタップすると終了し、その時点で初めて、サブ・キャンバスに書き込んだエレメントがメイン・キャンバスに書き込まれる。ただし、一つ一つのエレメントを個別のエレメントとして追加するのではなく、グループ化して(つまり、グループ・エレメントとして)追加する。

Group3 グループ化されたことは、「虫眼鏡モード」で描いたものを選択してみれば明確になる。バラバラに描かれたエレメントとしてではなく、グループ化されたグループ・エレメントとして追加されているので、ひとかたまりのものとして、そのまま移動したり、拡大・縮小・回転することも、コピーすることも可能である(左図)。

個別のエレメントを操作したい場合、「アングループ」(グループを解除)してから個別に編集することも可能だが、そうしてしまうとグループとして扱えなくなってしまう。

そこで導入したのが「グループ編集モード」だ。「グループ編集モード」は、グループ化されたエレメントをダブル・タップすると始まる。

Group4 「グループ編集モード」では、「虫眼鏡モード」と同じく、サブ・キャンバスがメイン・キャンバスの上に作られ、ダブル・タップされたグループ・エレメント内のすべてのエレメントが一時的に移動され、編集が可能になる。そのため、個別のエレメントを選択・移動・拡大・縮小・回転したり、色や太さなどの属性を変更することが可能になる。

左図では、"Hello,"の部分の色だけを変更し、"World!"の部分を移動した上で色を変更している。

「グループ編集モード」は、サブ・キャンバスの右下の"X"アイコンをタップすると終了し、その後は再びグループ・エレメントとして扱うことが可能になる。


スポーツをより一層楽しくする Dafloid、iPhoneにも対応

Dafloid iPad向けのスポーツ情報アプリ「Dafloid」をリリースしたことは先日紹介したが、今回のアップデートではiPhoneにも対応したので、ぜひともお試しいただきたい。

Dafloid

ちなみに、Dafloidの開発・企画には多くの人たちが関っており、それぞれの立場でさまざまな「思い」を持ってとりくんでいただいているが、すべての人たちが共有しているのが、「スポーツをより楽しくしたい、楽しんでもらいたい」という思い。

「電子書籍の新しい形」だとか「モバイル・ライフ・スタイルを持つ世代向けのテレビ・スポーツ新聞を超える新しいメディア」などの言葉は、刺激的で魅力的だが、その手のものは「結果」でしかなくて「目標」ではありえないというのが私の考え。

それよりも「スポーツをより楽しむためには何が必要か」「スポーツファンは何をしているか」というニーズやユーザーをまず先に考え、彼らのニーズに答えるべく、「タブレットであればこんな見せ方ができる」「常時接続のスマートフォンならばこんな情報を提供できる」「Twitterユーザーにはこんな楽しみ方がある」と妄想を膨らませて行く、という作り方が私にはしっくりと来る。


スポーツをより一層楽しくする Dafloid、iPhoneにも対応

Dafloid iPad向けのスポーツ情報アプリ「Dafloid」をリリースしたことは先日紹介したが、今回のアップデートではiPhoneにも対応したので、ぜひともお試しいただきたい。

Dafloid

ちなみに、Dafloidの開発・企画には多くの人たちが関っており、それぞれの立場でさまざまな「思い」を持ってとりくんでいただいているが、すべての人たちが共有しているのが、「スポーツをより楽しくしたい、楽しんでもらいたい」という思い。

「電子書籍の新しい形」だとか「モバイル・ライフ・スタイルを持つ世代向けのテレビ・スポーツ新聞を超える新しいメディア」などの言葉は、刺激的で魅力的だが、その手のものは「結果」でしかなくて「目標」ではありえないというのが私の考え。

それよりも「スポーツをより楽しむためには何が必要か」「スポーツファンは何をしているか」というニーズやユーザーをまず先に考え、彼らのニーズに答えるべく、「タブレットであればこんな見せ方ができる」「常時接続のスマートフォンならばこんな情報を提供できる」「Twitterユーザーにはこんな楽しみ方がある」と妄想を膨らませて行く、という作り方が私にはしっくりと来る。


iOSアプリ開発日誌:neu.Notes+ 1.0 リリース

ITunesArtworkneu.Pen LLC として最初の有料アプリにあたる neu.Notes+ をリリースしたので報告させていただく。

neu.Notesはおかげさまで多くのユーザーの方に使っていただいている。ユーザーの方々からは、色々な機能のリクエストもあるのだが、あえて機能を絞ることにより、初めての人にでも手軽に使えるようにしてあるneu.Notesの良さを失わずにすべてのリクエストに答える事はどうしても難しい。

とくに、「一度書いたものの色を変更したい」、「書いたものをグループ化してサイズを変更したい」、「カット、コピー、ペーストを使いたい」などのリクエストは、「セレクション・モード」という新たなモードを設定しなければならないので、どうしてもneu.Notesにはそぐわない。

そこで誕生したのが、このneu.Notes+である。根本的な違いは、上に書いた「セレクション・モード」の存在である。このモードに切り替え、一度書いたものを選択して移動したり、属性を変更したり、コピーしたりすることが可能になった。

他にも「虫眼鏡機能」(キャンバスの一部を拡大して、そこに書き込む)、「グループ機能」(いくつかのエレメントをグループ化して一つのものとして扱う)などの機能も追加した。

ちなみに、neu.Notesのアップデートも引き続き行うのでご安心いただきたい。「手軽に使えるneu.Notes」と「複雑なこともできるneu.Notes+」という姉妹関係のアプリケーションだと考えていただければ良い。