iモードふたたび
2011.07.26
先日、NTTドコモは「今冬にはiモード課金コンテンツをスマートフォンでも利用できるようにする」計画を発表した(参照)。iPhoneやAndroid端末に既に親しんで意いる人たちから見れば「今さらiモード?」という感覚だろうが、実は日本のモバイル・コンテンツ・ビジネスにとっては死活問題が絡んだとても重要な話だ。
というのも、年間7500億円もある「ガラケー」向けのコンテンツ・ビジネスがスマートフォンへの切り替えとともに消滅の危機にあるからだ。
ご存知の通り、日本のモバイル・コンテンツ・ビジネスは「一度申し込んだら、使っても使わなくても電話料金と一緒にコンテンツ・サービス料が引き落とされる」という「月額課金」に支えられて来た。
しかし、去年あたりから、急激に「解約率」が増えはじめたのだ。一番の原因が、「スマートフォンへの切り替え」である。従来型のガラケー間の乗り換えの場合は、月額課金サービスは「自動更新」されなんの問題もなかったのだが、スマートフォンへの乗り換えが起こったとたんに「同等のサービスがない」理由で自動的に解約されてしまうのだ。
この状態に危機感を持ったコンテンツ・プロバイダーも、iPhoneアプリやAndroidアプリを出してはみたものの、ガラケー向けのサービスをそのまま引き継げるわけもなく、かつ、参入障壁が実質ゼロのアプリ市場でグローバルな消耗戦を戦う体力はない。
その状況を何とか打開し、ユーザーのスマートフォンへの切り替えにより年間7500億円のモバイル・コンテンツ・ビジネスが消滅してしまわないようにしようというのが、今回の「スマートフォン向けiモードサービス」の本当の狙いである。
ちなみに、この機会に大きくビジネスを延ばしているのが、スマートフォン向けのコンテンツ・サービスの構築プラットフォームをPAAS(Platform as a Service)の形で提供しているエンターモーション。先日もオフィスに遊びに行って来たのだが、「ものすごい勢いでビジネスが伸びているけど、エンジニアが足りない!」とうれしい悲鳴を上げていた。スマートフォン向けアプリやソシアルゲーム・バブルに踊らされているB2Cスタイルのモバイル・ベンチャーが多いなか、B2Bでしっかりと地に足がついたビジネスをしているエンターモーションは注目に値する。経験者の中途採用は常に受け付けているそうなので(参照)、腕に自信のあるエンジニアは一度見学に行ってみると良いと思う。
はたしてユーザーはiモードサービスの継続利用を望んでいるのでしょうか?ドコモからiPhoneに切り替えた私は少なくともiモードは必要ないと感じていますが…。
Posted by: Raul | 2011.07.26 at 20:04
使いもしないコンテンツにお金を払っていたユーザーが目覚めたという事ではないでしょうか。確かにサービス側からすると死活問題ですが、かつて何度も起きたproprietary formatの囲い込みからopen formatへの移行という事ではユーザーは誰も損をしないので、避けようがないのではないかと思います。ここでimodeにこだわってもリソースを消耗するだけではないでしょうか。
Posted by: ステゴザウルス | 2011.07.27 at 03:15
エンターモーションの取り組み、興味深いです!iモードビジネスって、7500億円もあるのですね。
Posted by: Tom | 2011.07.27 at 19:00
エンターモーションの取り組み、興味深いです!iモードビジネスって、7500億円もあるのですね。
Posted by: Tom | 2011.07.27 at 19:00