UIEという会社のミッション
2011.08.24
先日の「UIE Japan 新オフィス紹介」というエントリー。あのエントリーを書いた一番の目的は人材募集だったわけだが、狙い通り続々と採用応募の問い合わせが入っている。やはり持つべきものはブログだ。
もう一押しするために、UIEが現在どんなビジネスをしているか紹介しよう(UIE設立のプロセスとか、スクエニによる買収の経緯などは別途メルマガに書く予定←こっちはメルマガの宣伝)。
会社のビジョン(目指すべき世界)に関しては、ここでも何度も述べて来た様に「これからは私たちの身の回りのものすべてがネットに繋がる。そんな時代にはアプリのダウンロードだとか、ブラウザーでサーフィングなどとはまったく別の形で、テレビのチャンネルを変えるぐらいに簡単に、携帯電話から冷蔵庫のドアに至るまであらゆるところで、アプリケーションやサービスが自在に使えるようになるべき」というもの。この点に関しては、2000年の創業以来、一切ぶれていない。
一方、会社のミッション(会社の役割)の方は、少しづつ変化している。設立当時に考えていた「ミドルウェアのライセンスビジネス」はそれ単体ではビジネスにならないことが明確になり、次第にデザインやソリューションビジネスの方にシフトしつつ、「UIEという会社だけが提供できるユニークな価値とは何か」を模索し続けて来た。
去年あたりからようやくはっきりと見えて来たのは、組み込みデバイスの世界では、IDEOやFrog Designなどが手がける「おもてなし設計」と、IBMやAccentureが提供する「ソリューション・サービス」の間には大きなギャップがあり、そこにUIEという会社だからこそ提供できる「ユニークな価値」があるということ。
組み込みデバイスのことなどまったく理解していないデザイナーが設計したおもてなし(ユーザーエクスペリエンス)は、パワポのスライドやフラッシュ上のデモまでの段階ではすばらしいのだが、実際の組み込みデバイスに実装できるかどうかなどの考慮は一切されておらず、彼らも責任は一切持たない。また、そんな「絵に描いた餅」を仕様書として受け取った開発会社は、その仕様書の実現性に疑問を投げかけることもなく、喜んで仕事を受注して、莫大な開発費を請求する。開発途中で「こんなデザインは実現不可能」と差し戻しや設計変更になることも日常茶飯事だ。
こんな業界にUIEが提供するのは「技術に裏付けされた実現可能なおもてなし設計サービス」である。UIEのビジネスは、ほとんどのケースでUIEngine上でプロトタイプを作りながらおもてなし設計をするのだが、それ故に、プロトタイプの段階でさまざまなデバイス上で実際に動かしてテストすることが可能なのだ。それゆえ、実機がなくとも、ハードのスペックさえだいたいの予想がつけば、かなり現実的なフィージビリティ・スタディがプロトタイプの段階でできてしまうのだ。
車載機向けのプロトタイプをまずは市販のAndroidタブレット上で走らせてサーバーとの接続試験をしたり、Windows Phone向けのアプリをiPhone上で試作して使い勝手を実感してもらったり、裸のLinuxだけを搭載した組み込み機器向けのアプリケーションをパソコンで走るエミュレーター上で開発したり、サーバー側でダイナミックにユーザーインターフェイス生成するロジックを組んだり、などがごく日常的に行われているのがUIEという会社である。
ちなみに、社員だけでなく、インターンも募集しているので、プログラミングに自信のある学生の方はぜひとも連絡していただきたい。私は簡単な試験と面接だけで大学三年生に内定を出すという人の日本企業の採用のしかたは好きではない。インターンとしてしばらく働いてもらった学生のうち優秀な人にそのまま就職してもらう、という採用の仕方は会社にとっても学生にとってもリスクの少ない採用方法だ。
大学三年、四年になってあわてて履歴書を配りまくるよりは、大学一年、二年のうちから面白そうな企業でインターンをして実践力を付けながら、同時に自分の実力もちゃんとアピールしておく。そうやって社会との繋がりを学生の時から持っておくことは必ず将来のプラスになる。
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