auの決断と通信事業の未来と
2011.09.26
auが9月26日に秋モデルを発表した。日経のリークによりauからのiPhone5の発売への期待が高まるなかでの発表となってしまい、各メディアは、発表されたモデルそのものよりも「iPhone5についてはノーコメント」だったこと大きく報じるという異例の事態に。auの広報担当の人たちは頭を抱えていることだろう。
注目すべきは、田中社長の「これからは、『未来は、選べる。』をauのコンセプトに据える。キャリアが垂直モデルで製品を提供するのはいかがなものか、お客様がイメージしたものを提供するべきだと考えた結果、このコンセプトを掲げることにした」という発言(注:上の写真はイメージ)。
昔から端末機ビジネスと通信ビジネスが切り離されているヨーロッパならいざしらず、iモードに代表されるような、端末機+通信サービス+コンテンツ流通サービスすべてを垂直統合型で提供して来た日本のキャリアが、自ら垂直モデルを否定するというのは異例の事態。
iPhoneを担いでシェアを着実に増やしているソフトバンクに対抗するには、妙な小細工はせずに、本業の通信の部分に総力を結集して「だれよりも良い土管」を作るしかない、という決断のように思える(iPhoneを売る事がなぜ「土管になること」に通じるかについては、来週号の週刊 Life is Beautifulで解説する)。消費者から見れば、端末だけでなく通信事業者も自由に選べるようになることはとても好ましいこと。同じiPhone5(およびAppleが提供する iTunes ストア)が使えるのであれば、通信品質と値段のみで勝負が決まる。
iPhoneの登場で始まった「スマートフォン革命」が、ようやくキャリアのビジネスモデルそのものにまで変革を迫る第二フェーズに入ったこの局面。Appleが果たして廉価版のSIMロックフリーiPhoneを出して来るのか、カオス状態のAndroidマーケットはどこへ行くのか、ようやく土俵に上がって来たMicrosoftがどんな戦いを見せてくれるのか。目が離せなくなって来た。
果たして、アップルとサムソンの訴訟合戦で両者販売差し止め
なんて状況は起こらないんでしょうかね?
Posted by: yumeno_tocyu | 2011.09.26 at 19:37