Previous month:
August 2011
Next month:
October 2011

iPadアプリ開発日誌:neu.Annotate 1.33

neu.Notes/neu.Notes+に続いてneu.Annotateもアップデートしたので報告する。主な変更は以下の点。

新しいページを次のページとして追加

これは「ユーザーが商品の方向性を決める」典型的な例。neu.Annotateはもともとは「既存のPDFファイルに注釈を付ける」アプリとしてリリースしたのだが、neu.Annotateを教室で使って授業をする、テストの採点をする、既存のPDFファイルから別のPDFファイルを作る、などの用途で使う人たちが増えて来たために、そんなユーザーたちの声を聞きながら少しづつこの手の機能を増やしている。

neu.Calc から「計算シートのコピー&ペースト」

neu.Calcとneu.Annotate/neu.Notesの連携は少しづつ強化して行く予定だが、第一弾がこれ。neu.Calcでした計算を計算式ごとneu.Annotateにエレメントとして貼付けることができる。画像ではなく、neu.Calcのテーブルとしてそのまま貼付けているので、フォントや大きさは貼付けた後でも自由に変更できる。数学やファイナンスを教えている人には重宝していただけるのでは、と期待している。

ピンチ/ズームをキチンと二つの指の真ん中でする

これは実はバグだったのだが、これもやはりユーザーの指摘で気がつき、直すことにした。わずかな違いではあるのだが、直感的に「ここを拡大して見たい」と特定の場所に二つの指を当てて開くことにより、そこをズームできるというのは結構重要である。

スキャンしたPDFファイルのオープン時のタイムアウトを防止

iOSアプリの開発者の間では良く知られた話だが、iOSは既存の書籍を高解像度でスキャンして作ったPDFの処理があまり得意ではない(メモリをやたらと消費する)。その結果、そんなPDFファイルを読み込ませると、メモリ不足からのアプリのクラッシュと、あまりの重さ故に時間が一つの処理に時間がかかりすぎ、タイムアウトでアプリが強制終了されてしまう、という二つの問題点が生じる。一つ目に関しては、CloudReadersで導入した「セーフモード」を活用してできるだけメモリの消費量を少なくする工夫で回避しているが、二つ目の方は今まで特に何もしてこなかった。今回のアップデートでは、大きなPDFのファイルの扱い方を大幅に変更することにより、タイムアウトによる強制終了を極力避ける作りにした。

 


UIEジャパン、koukouTVで復興支援!?

NTT東日本が復興支援として、Androidタブレット「光iフレーム」を被災地の仮設住宅向けに無償で貸与することになったのだが、UIEジャパンとしても、koukouTVを無償でプリインストールという形でささやかながら協力させていただくこととなった(参照)。

koukouTVは、ひと言で言えば「小さな子供を持つ若い夫婦が実家の祖父母に孫の写真をリアルタイムで贈る」ためのウェブ・サービスで、パソコンとかネットがうまく使いこなせない世代の人たちでも簡単に楽しめるように、一度アプリをインストールしてアカウントを紐づけておけば、あとはリモートですべての設定ができるようにしてある点が特徴だ(参照)。

iPad向けにすでに提供はしているのだが(iTunesストアへのリンク)、実際のターゲットユーザーを考えた場合、「光iフレーム」のような専用端末にプリインストールで配布という形の方が、アプリのインストールというハードルを完全に排除できる分、より適している。

ちなみに、koukouTVは、消費者向けに有料アプリとして販売するというビジネスモデルではなく、ネットに繋がったフォトフレーム、テレビ、セットトップボックス向けにOEM提供するというビジネスモデルで提供している。興味のあるメーカーの方はぜひともこちらまでご連絡いただきたい。「Android搭載テレビ」「フルブラウザ搭載テレビ」には一切価値を見いださない消費者も、「孫の顔がいつでもすぐに拝めるテレビ」には価値を見いだしてくれると思うのだが、いかがだろうか。


今週のメルマガ、9月13日号の紹介

週刊 Life is Beautiful、9月13日号の配信準備が整ったので、内容を紹介する。

エンジニアの経営学:会社はだれの者か

株式会社に関して、日本ではしばしば議論になるのに、米国ではまったくならないのが「会社は誰のものか」というテーマ。今回は、この日米の違いにハイライトを当てた上で、日本ではなぜそんな曖昧さが許されているかについて解説してみた。

ブログには書けない話・書かない話:スクエニによるUIEvolution Inc.の買収、その3

今回は、成毛氏の発言により「スクエニによるUIEの買収が失敗であったこと」が明らかになったプロセスについて書いてみた。そもそもこの手の買収や合併を成功させるのは簡単ではないが、それが失敗に終わったことを素直に認めることはもっと難しい。

菅首相はなぜあの段階で「ストレステスト宣言」をしたのか?その4

今回は、日本ではなぜ首相の支持率がすぐに低下してしまうのかを、どうして米国の大統領はあれほど「国民を元気づけるスピーチ」を重視するのかという観点から考察してみた。

質問コーナー

今回は、「資本主義が日本人を幸せにしているとは思えない」という読者からの指摘に、私なりの考えを書いてみた。とても難しい、深いテーマだが、同じ資本主義の国でありながらもっと人々が自由に暮らしている国もたくさんあるわけで、そのあたりは今後ともに色々な角度から考察して行きたいテーマではある。


トリミングの機能を大幅に強化したneu.Notes+ 1.2

写真のトリミング(切り抜き)の機能および透過画像の処理を大幅に強化したneu.Notes+ 1.2をリリースしたので報告する。

1. PNG画像のインポート

開発当初は想定していなかったが、neu.Notes+を使ってウェブサイトやモバイルアプリのデザインをしたりプロトタイプを作るユーザーが多いので、その人たちの要望に答えて透明な部分のあるPNG画像のインポートを可能にした。これによりネットからダウンロードしてきたクリップアートやアイコンなどを重ね合わせて配置することが可能になった。

2. PNG画像のセーブ

1のインポートとは逆に、作ったノートの透明度を維持したままPNG画像としてアルバムにセーブすることを可能にした。これにより、neu.Notes+で描いたものをクリップアートとして後で使い回すことが簡単になった。

3. 画像のトリミング(切り抜き)

Trimmed

画像のトリミングも、ユーザーからのリクエストがとても多かったので、サポートすることにした。しかし、単純なトリミングだけなら他のアプリでも可能なので、「ユーザーは写真でどんなことをしたいのか」「どんな機能を提供したらクリエーティビティを発揮できるか」を観察・考慮した結果、3つのトリミングをサポートすることにした。

(1)通常のトリミング

neu.Notes+に貼付けてある写真を普通に四角くトリミングしたい場合には、選択モードにしてからトリミングしたい写真をダブルタップする。「画像編集モード」に入るので、右下のトリミングアイコンをタップする。トリミングする範囲を表示した四角が表示されるので、それを適切な大きさと位置に変更した上で(縦横比も自由に変えられるし、回転もできる)、右下の"X"アイコンをタップして画像編集モードを抜ければトリミングの終了だ。ちなみに、画像編集モードを抜ける際には画面に表示された大きさで再度ラスタライズをするので、解像度が重要な場合はある程度拡大してからトリミングをすることをおすすめする。

(2)消しゴムによるトリミング

四角ではなく、任意の形でトリミングをしたい場合は消しゴムを使う。通常のトリミングと同じく、画像をダブルタップして「画像編集モード」に入った後、消しゴムを使って余計な部分を消して行く。これで十分となったところで、右下の"X"アイコンをタップして画像編集モードを抜ければトリミングが完了する。写真から人だけを切り出して他のところに貼付けたい時などに使える。

(3)スタンプによりトリミング

3つ目は特定のスタンプを使ったトリミングだ。(1)と同じように「画像編集モード」でトリミングアイコンをタップした後に、メニューからスタンプの一つを選択する。すると、選択したスタンプの形で切り抜けるようになるので、大きさ・位置・回転角度・縦横比を適当な位置に変更してから、"X"アイコンをタップしてトリミングを完成させる。

これでかなり自由度が広がったと思うので、今までneu.Notesのみを使って来た方も、これを機会にneu.Notes+にアップデートしていただけるのではと期待している。


今週のメルマガ、9月6日号の紹介

ようやく2ヶ月めに入るメルマガ「週刊 Life is Beautiful」。9月6日号の入校準備もほぼ整ったので、内容を紹介する。

エンジニアの経営学:取締役会の位置づけ

前々回から日本企業のコーポレート・ガバナンスの問題点を指摘して来たが、今回は株式会社における取締役会の位置づけに焦点を当てて、日本と米国の違いを解説して見た。必ずしもどちらが正しいという話ではないが、東電の株主総会が大株主からの委任状によって形だけのものになってしまっているのななぜか、などの基本的な疑問に答えてみたいと思う。

エンジニアのキャリアパスについて

読者の一人から「ITの本場アメリカでは、40歳前後を過ぎても開発の現場で活躍しているエンジニアは多いのでしょうか?もしそうなら、その方達はどのような形で会社に、ひいては業界全体に貢献されているのでしょうか?」というとても良い質問が寄せられていたので、私の経験を通して解説してみた。日本企業の終身雇用制は、会社が提供してくれるキャリアパスに一生つきあって「会社人間」に喜んで鳴って行く人たちにとっては、何とも心地良いものだが、そこにうまく乗れなかった人、そんな枠組みからはみ出してしまうような人たちにとっては、弊害以外の何物でもない。最近の日本の閉塞感の根本的な原因はこのあたりにあると考えている私としては、このテーマには色々な角度から取り組んで行きたいと思う。

ブログには書けない話・書かない話:スクエニによるUIEvolution Inc.の買収、その2

今回は、買収される側の企業の創設者/CEOとしての私の気持ちの部分を書いてみた。ベンチャー・キャピタルから資金を集めるということが何を意味するかをつくづく学べた経験であったので、ベンチャー企業をいつかは起こしたいと考えているエンジニアの方たちに参考になれば良いと思う。

菅首相はなぜあの段階で「ストレステスト宣言」をしたのか?その4

菅首相は首相ではなくなってしまったが、私としては浜岡原発を止めたことと、あの「ストレステスト宣言」だけはとても高く評価している。新首相のもと原発問題がどちらに向かうのかはまだわからないが、少なくとも菅首相が首相のクビを差し出してまで示した方向性は維持して欲しいと考えている。