「秩序の維持」のために「出る杭」は徹底的に叩く日本
2011.10.26
小沢一郎の件にしても、鉢呂大臣の辞任にしても、ストレステスト宣言後の激しい「菅おろし」にしろ、これで日本は民主主義国家と言えるのかと疑わしくなるようなことが頻発している。特に霞ヶ関とマスコミが一体となった「世論操作」には強い違和感を感じる。
その根底にあるのは「みんなで決めた事」「今までうまく回っていたもの」に反対したり、トップダウンで大きな変革を起こさせようとする力に対する、激しい拒絶反応。
やっかいなのは、この拒絶反応には「首謀者」がいないこと。裏から操る一人の黒幕がいるのであれば、その人さえ排除できればなんとかなるのだが、リーダーシップを持つ人物を徹底的に嫌うDNAがまるでキラーT細胞のように日本の政治家、官僚、マスコミ、経済界の中にはびこっているので、誰かがリーダーシップを発揮しようとしたとたんに徹底的に叩かれるのだ.
何か良い説明はないかと探していたところ、ニュースの深層でとても良いインタビューをしていたので紹介する(下のビデオ)。「誰が小沢一郎を殺すのか」の著者のカレル・ヴァン・ウォルフレン氏いわく、日本の官僚システムは「秩序の維持」を重視するあまり、今の秩序を一度破壊して新しい物を作り直そうという力に対して過剰な拒絶反応を起こしてしてしまうのだという。まさに「画策者なき陰謀」である。
そう考えてみると、なぜあのとき、ソニーが久夛良木氏をCEOにすることが出来なかったのかも説明できる。久夛良木氏がCEOになっていたからと言って成功した保証はないが、少なくとも今のような「普通の会社」にはなってしまっていなかったと思う。
え?
なんで菅を叩くのがダメなわけ?
なぜかばう?
こんなにも日本をめちゃくちゃにしたのに
Posted by: 詠み人知らず | 2011.10.26 at 09:54
久夛良木さんが叩かれたというよりはCELL(PS3)が大失敗して引責辞任という方が正解なのではないでしょうか。
CELLの可能性(あるのか?ないのか?)を最大限に生かした製品展開ロードマップを、当時の社長も今の社長も描けていないのがソニーの暗雲たる現状なのかも知れません。
アップルも良いですが、中島さんが考えるCELLの製品展開ロードマップというエントリーに興味があります。
Posted by: eakas | 2011.10.26 at 10:07
久夛良木さんが叩かれたというよりはCELL(PS3)が大失敗して引責辞任という方が正解なのではないでしょうか。
CELLの可能性(あるのか?ないのか?)を最大限に生かした製品展開ロードマップを、当時の社長も今の社長も描けていないのがソニーの暗雲たる現状なのかも知れません。
アップルも良いですが、中島さんが考えるCELLの製品展開ロードマップというエントリーに興味があります。
Posted by: eakas | 2011.10.26 at 10:07
まあ秩序の維持もそうだけど
既得権益の維持とも言えそう。
高齢者たちの右肩上がりに上がった高い給料はそのままで
あの日本郵便みたいに新卒募集中止する会社が増えてたりするしなあ。
日本は新卒至上主義の上に、さらに雇用流動性がなくて硬直化してるから、
新卒でダメだと多くは一生フリーター世代になっちゃうし。
ワークシェアとかはどこいっちゃったんだろ。
Posted by: 山田 | 2011.10.26 at 16:03
私は今29歳ですが、日本の未来に対する閉塞感が非常に強いです。
ほぼ絶望に近いです。
こんな世の中を作ってきた団塊の世代は
それでも若者に希望を持てというのでしょうか。
Posted by: meaningfree | 2011.10.26 at 17:46
>ストレステスト宣言後の激しい「菅おろし」
震災前から,「管おろし」は盛んだったのでは?震災で延命した,数少ないものの一つが,菅政権では?
Posted by: とおりすがり | 2011.10.26 at 20:44
>震災前から,「管おろし」は盛んだったのでは?
二択です。「菅おろし」は、
①震災があったにもかかわらず続けられた
②震災があったからこそ続けられた
正解はどちらでしょう?
Posted by: こっこ | 2011.10.26 at 22:50
>特に霞ヶ関とマスコミが一体となった「世論操作」には強い違和感を感じる。
順当に陰謀論脳をこじらせているようで何よりです。
霞が関にマスコミがコントロール出来るなら、こんな事態にはなっていないでしょう。
こんなコロコロ首相の変わる状況が本当に霞が関の皆が望んていると思います?
そもそも、霞が関がそんな一体となった意志をもってるなら、日本はもっとすごい国になってますよw
一番の原因は、辞めたせた大臣や首相の数を撃墜マークを描くかの如く愉しんでいるマスコミと、それに釣られる一般大衆と、世論や支持率を気にして責任をなるべく他人に押し付けようとする政治家ですよ。
国連脱退して戦争にかじを切った頃の日本と何も変わっていないんですよ。
Posted by: カリガリ博士 | 2011.10.27 at 00:45
SonyについてはPS2の成功体験に依存しすぎて失敗した、という事だけじゃないですかね。平面ブラウン管で成功して液晶に乗り遅れた
いわゆる「イノベーションのジレンマ」の繰り返しそのものでしょう。
久夛良木さんはそう言う意味でPS3でクローズドの世界を作りたかったのでしょうが、いまどきそんなクローズドな世界を作るには
Appleのような極端にスリムな製品ラインとソフトウエアの魔術が必要です。それをそのままSonyのような総合メーカーに当てはめても無駄ですよ。Sonyも含め多くの日本の電機メーカーはそう言う意味で会社分割して行かないと無理だと思います。
ソニエリの100%化もどうかなぁ。エリクソンにしてみればコンシューマー系と縁を切ってB2Bの高収益方向に特化できるわけで
笑いが収まらないんじゃないでしょうか。
Posted by: ステゴザウルス | 2011.10.28 at 06:49
鉢呂と菅をこの表題の例に出すのは強い違和感を感じるが、日本人の秩序維持に対する執念については同感します。
日本人の良さとされている、規律正しい部分、謙虚な部分の悪い側面です。
このような、日本人特有の側面とマスコミの安易な報道姿勢が拍車をかけ、今の日本は閉塞感が強く、いまだ良い方向に転じる様子はありません。
結局、求めているものは「普通」であるものの、その「普通」は今の世界の変化のスピードにはついていけないジレンマに陥っているのではないでしょうか?
おそらく、その原因が自分自身であることに気付くまでは変わらないでしょう。
Posted by: Yskotarou | 2011.10.29 at 07:18