放射性物質の風が吹くと「えせ科学屋」が儲かる
2011.11.17
- 原発事故が起こり、大気中に放出された放射性物質が風にのって広範囲に広がる
- 政府が事故の影響を最小限に見せようとし、「もう人が住めない地域」があることを素直に認めない
- 御用学者が科学的に根拠のないことを言い始める(100ミリシーベルト以下の被曝では健康に影響はない。プルトニウムは飲んでも大丈夫、など)
- 国民が政府と科学者の言う事を信頼しなくなる
- 地域住民が自主的に除染をしようとするが、通常の除染方法はコストも時間もかかる
- そこに「撒くだけで除染ができる」魔法のようなEM菌を売る業者があらわれる
- 科学者は、EM菌の除染効果は疑わしく、科学的根拠もないと主張する
- 科学者すらも信じられなくなった住民は藁にもすがる気持ちでEM菌を買う
ちなみに、EM菌とは、自然農法のための土壌改良用に開発された微生物群のこと(Effective Microorganisms=有用微生物群)。土壌改良に関してはそれなりの効果がある可能性も否定できないが(この部分に関しても疑問を投げかける科学者がいる)、放射性物質の除去に関しては、まったく科学的根拠はないので騙されてはいけない。典型的な「エセ科学」である。
そもそも、放射性物質は「物理的な除去」が唯一の除去方法で、放射性物質を消化して安全な物質に変える微生物も、放射性物質から放射される放射能で光合成をして無害化する微生物も存在しないので、甘い言葉に騙されてはいけない。
除染のためには、高圧洗浄機で洗い流す(放射性物質は下水や川へ移動する)、表土を引きはがす(引きはがした表土はどこかへ持って行く必要がある)、ひまわりなどの植物を使って吸い上げる(育った植物はどこかへ持って行く必要がある上に、除染効果には疑問の声もあり)などの「物理的な放射性物質の除去」が必要である。
EM菌がどんな力を持っていようと、最終的に放射性物質を水や土や植物と一緒に「運び出す、洗い流す」という作業がともなわない限り、放射性物質の除去は出来ないし、安心して作物を育てられる土地にはならない。もしそういう「物理的に運び出す」という作業なしに除染が出来ると主張する業者がいたら100%エセ科学だと思って間違いない。
ひまわりがだめならEM菌をまけばいいじゃない!
Posted by: takemitsu | 2011.11.17 at 13:03
>100ミリシーベルト以下の被曝では健康に影響はない
の根拠となる研究結果は多くありますよ。
逆に健康に影響があるとする研究結果を教えて下さい。
Posted by: 紫力 | 2011.11.17 at 17:51
>もしそういう「物理的に運び出す」という作業なしに除染が出来ると主張する業者がいたら
現実に横行している、とみた。
Posted by: こっこ | 2011.11.17 at 18:58
放射能を消去するスフィンゴモナス菌をご存知ですか?
エセ科学者ばかりでは在りません、
現在培養試験を行っております。
Posted by: minoru-kubo | 2011.11.17 at 20:53
放射能を消去するスフィンゴモナス菌をご存知ですか?
エセ科学者だけでは在りません。
現在、国内で培養試験を行っております。
Posted by: minoru-kubo | 2011.11.17 at 20:54
貴方は何を根拠にそんな主張をしているのでしょうか?科学界が認知していない事象だから?未来永劫、今の科学理論が万能だと考えているから?それで貴方は実際に検査をしたり、放射能が除去されたとされる事例を多く調べてから、この発言をしているのですか?
と私は、この様な記事を見た時にいつも思う訳ですが。現代科学では解明できない事象は非常に多く存在しているにも拘らず、しかし現代科学理論を万能で未来永劫だと考える。何故その矛盾に気付かないのか、と。
4例の「除去事例」を挙げます。それではこの様な事例が起きた原因を説明して頂ければと思います。当人達が嘘を吐いている、などの理由でもいいので。
http://tamekiyo.com/documents/others/agnihotra.html
http://soseiwater.exblog.jp
http://kame-mineral.jugem.jp/?eid=287
http://fubosc0510.blog100.fc2.com/blog-entry-165.html
↓この記事も同じです。「何を根拠に」です。
日経BPが永久機関の話にだまされちゃ困るだろう
http://satoshi.blogs.com/life/2008/06/bp.html
↓この記事は妥当だし、「頭の柔軟体操」というカテゴリまで作っているのに、ある地点で思考を止めているのではないですか?今の社会は、そんな「似非」思考にこそ、囚われているのではないですかね?
日本政府の「UFOは存在しません」発言にいちゃもんをつけてみる
http://satoshi.blogs.com/life/2007/12/ufo.html
Posted by: 平和への大転換期 | 2011.11.17 at 21:28
何を根拠に”信じるか”が問題。
本来であれば”科学的に信頼性の高い”情報に基づき、自ら自分の目標にあった内容が選択できるよう自らのリテラシーをあげる必要がある。
一方”御用学者”や”トンデモ”業者が現れる背景にあるのは、彼らの主張を科学的に吟味するのでなく、”彼らが自分らに寄り添っているか”だったりその人間性を判断材料にしていること。主張の内容を自らの科学リテラシーで判断していない。だからこそ野呂美加のようにEMを吹聴する人間に支持が集まる。
いまどき科学界が認知していない現象が除染という大規模事業に突然応用が可能になるなど考えるほうが不自然。いまから認知するようなものはかなり先に実用化します。
Posted by: javellin | 2011.11.18 at 00:04
そもそも放射能は「落ちるか落ちないかを、機械計測する」と言う事でしか調べられないでしょう。違いますか?違うと言うのなら、他にどうやって調べたり考えるのか、書いて下さい。
それで、「元素変換など資か考えられないような、有意で大きな下がり方を示しているか」が、効果の度合いを議論する時に問題になる。
で、リテラシーや信頼性とはなんですか?機械の計測が信頼できないのですか?現代科学が未来永劫万能との考えでの、その発言ですか?
ならば再現実験をしたり、他にも同様なケースがあるか探せばいいじゃないですか。ネットには沢山「科学界が否定している、放射能除去」のケースが落ちてますので。
繰り返しますが、放射能の場合は機械計測が全てです。反論ありますか?若し無いならば、多くの事例で再現実験すればいいじゃないですか。否定に躍起になってる人は、そのどれかで再現実験をすればいいじゃないですか。
Posted by: 平和への大転換期 | 2011.11.18 at 00:20
科学者/技術者だって暇ではない。本当に除染に知見がある人ならすでにいろんなことに駆りだされているだろう。本当に効果があるかを自分で調べたいものが多数あれば、科学的根拠がしっかりしてそうなものを選ぶ。
”ネットには沢山「科学界が否定している、放射能除去」のケース”が放置されているのは、科学者から見て、根拠が薄いと見られているからでしょう。
当方は別に科学者ではないですが、”ネットには沢山「科学界が否定している、放射能除去」のケース”というのは、科学者側から見て”自分が乗り出すほど科学的根拠が示されていない”ものなんだろな、と判断しますが。
そう判断しますので、再現実験をするのであればまずそう主張される方が、複数の専門家にかかわってもらうよう粘り強く説得するのが順序ではないかと思いますね。
Posted by: javellin | 2011.11.18 at 00:44
駆り出されてやってますよ。ようやく最近は。
暇じゃないって、日本中に科学者がどれだけ居ると思ってるんですか?今回の放射能汚染は史上最悪事故で、超長期の被害がある。その状況で、各種の除去されたとされる事例が報告されている。
でも科学者や偉い人たちは、暇じゃないとか嘘だとか言って、全く取り合わないのですか?彼らは何の為に存在してるのでしょうね。
ガイガーカウンターで計測すれば結果が分かる物も多いし、詳しく調べると言っても検査機関に核種の調査を頼むくらいの物でしょう。何故それを拒否するのでしょう?
要するに科学者じゃなくて象牙の塔の住人なんですよ。科学的思考だのといいながら、実際の科学的思考は何もしていない。これ、本当に事実ですから。
反論があるなら再現実験をして、その結果で否定しましょうよ。何度やっても結果は同じですが、数値が劇的に下がる、機械はそう測定するでしょう。この事実に対し、まともに思考するかしないかだけです。天動説時代の地動説よりも酷い、だって今すぐ計測できるのだから。
Posted by: 平和への大転換期 | 2011.11.18 at 00:59
スフィンゴモナスって、ダイオキシンを分解出来るってことでネイチャーバイオテクノロジーに載ったやつか。
随分、昔の話を盛り返すんですね。思わず感心してしまう。
有機物分解出来る事と、核分裂起こせるっていうのは全く次元の違う話なんですが、まぁどんなに説明しても聞く耳持ってもらえないでしょう。
こういうテーマのエントリーになると変な人がいっぱい集まって大変ですね。
Posted by: バイオレメディエーション | 2011.11.18 at 06:53
紫力さん
ICRPの1990年勧告では、放射能関連作業者以外の
許容できる線量は「1mSv/年」です。
作業者は大人であること、経済的リスクを考慮し
「20mSv/年」です。
安全係数が少ない(影響を過小評価)という批判もありますが、
これが国際基準なので、最低でもこれは守るべきで、
100mSvなんかとんでもない数値。
なお、納得できませんが、今回の事故をうけ、
ICRPは日本での許容できる線量を20mSv/年に
引き上げたことは念のため書いておきます。
Posted by: j_tano | 2011.11.19 at 15:31
ICRPをまともに信じる人がいるとは…(笑)
Posted by: 通りすがり | 2011.11.24 at 16:17
>放射性物質は「物理的な除去」が唯一の除去方法で
一番は長崎・広島メソッドだと思いますが・・・
放射性物質は時間が解決してくれます
Posted by: ディーの | 2012.01.11 at 01:14