Microsoft vs. Novell: 証言台に立って来た
2011.12.01
先日ここでも述べたように、今日の午後、Salt Lake Cityで開かれている Novell 対 Microsoftの裁判に証人の一人として証言台に立って来た。
詳しい話は近いうちに連載としてメルマガに書く予定だが、 簡単に言えば、私が Windows95 の一部として作った "namespace extension" という仕組みが、ある時点のベータ版のSDKでは公開されていたにも関らず、最終版のSDKからは外され、そのためにNovell(正確にはNovellが買収したWordPerfect)は多大な損害を被ったというのがNovellの言い分である。
それだけでも証人に呼ばれてもしかたがないとも思うのだが、その背後には、Microsoft社内での「Chicagoチーム対Cairoチームの次世代OSの争い」があり、そもそもその社内抗争を起こした原因を作ったのがCairoからChicagoに移籍した私だったりしているので、そのあたりの事情を証言台に立って説明することになったのだ。
まったくコンピューターのことを知らない陪審員に向かって、「"namespace extension"とは何で、Cairoチームが指摘したセキュリティ・リスクはどこにあるのか」を「オブジェクト指向とは何か」「プロセスとは何か」からすべて説明しなければならなかったので、4時間以上も証言台に立つ事になってしまったのだが、かなり準備を周到にして行ったので、おおよその理解はしてもらえたと思う。
ちなみに、裁判所というとてもかしこまった場所ではあるにもかかわらず、ところどころでジョークを交えればちゃんと笑ってもらえるし、裁判官にも怒られなかったので、いつものペースで気楽にしゃべれたのでとても助かった。
なかなかねっ、事実というのは難しいものです。
果たして片方の言い分だけで事足りるものなのでしょうか?
しかし摺り合わせしようとすならば、どうしてもそこには妥協という創造の介在が必然になるものです。
どんな愚者でも歴史を作れる、しかし歴史を書くには天才が必要である。 オスカー・ワイルド
Posted by: You'll stealing from as | 2011.12.01 at 22:36
口が滑ってもっ、goukanとか言わないでくださいよ。
Posted by: You'll stealing from as | 2011.12.01 at 22:46
イタリアの哲学者のクローチェ(Benedetto Croce。1866??1952年)は、
「すべての歴史は現代史である」と主張しましたし、
アイルランドの文学者であるオスカー・ワイルド(Oscar Wilde。1854??1900年)は、
「われわれが歴史に負う唯一の義務はそれを書き直すことだ」と主張しました。
Posted by: You'll stealing from as | 2011.12.08 at 03:07