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AirPlay と AirPrint をサポートした neu.Notes+ 1.8

多くのユーザーの方々からの要望にお答えして、neu.Notes+ 1.8 に AirPlay と AirPrint の機能を追加したので報告する。

AirPlay を使えば、iPhone や iPad をWiFi経由で AppleTV に繋いで、neu.Notes+ を使ってプレゼンができる。AirPlay を使うには、neu.Notes+ を立ち上げ後にホームボタンをダブルタップする。すると、現在バックグラウンドで実行中のアプリのアイコンが画面下部に表示されるので、その部分を左にスクロールして行くと、下の図のようなAirPlay アイコンが表示されるので、それをタップし、Apple TV を選んだ上でミラーリングを「オン」にする(ミラーリングをサポートしているデバイスに関しては、ここを参照していただきたい)。

Screenshot 2012.01.09 15.43.25

AirPrint は、AirPrint をサポートしたプリンターに対し、WiFi 経由で neu.Notes+ から直接プリントする機能。Action メニュー(ノートを開いた画面で Action ボタンをタップした時に表示されるメニュー)から、Print Page もしくは Print Document を選ぶ。

ちなみに、2012年を記念して期間限定で通常価格の8割引きの85円でセール中である。フリーハンドで描いたベクトル・データをここまで自由自在に変更できるノート・アプリは他にはないので、まだ neu.Notes+ をお持ちでない方は、ぜひこの機会にお試しいただきたい。


週刊 Life is Beautiful 2012年1月10日号

去年の8月に書きはじめた「週刊 Life is Beautiful 」。ブログとはひと味違う読者とのコミュニケーションが成立するのがメルマガならではの良さだ。以下が今週号の内容の抜粋。

Windows95誕生ものがたり(4):Smalltalk

そんな事情で、「次世代OSのユーザーインターフェイス」のプロトタイプを作ることになった私だが、開発環境として選んだのは OS/2 上で動く Smalltalk/V であった...Smalltalk の一番の特徴であるリフレクションを駆使すれば、OSの開発フェーズとOSの実行フェーズを融合させ、「開発終了後も、ユーザーの手元で進化し続けるOS」が作れるのである...

エンジニアのための経営学
Balance Sheet(1)

...例えばAppleの場合だと、純資産は2011年の9月末の時点で約 $78 billion だが、株価総額は $350 billion を越している。これは、投資家が「Apple という会社はこれからも利益を生み出し続ける」と予想しいるからである。それに対して、Sonyの場合、純資産が約 $30 billion なのに対し、株価総額は約 $18 billion と逆転してしまっている。この状態は、投資家がSonyの経営陣に失望しており「このまま営業を続けるよりも、ただちに解散して資産を売却した方がまし」と考えていることを意味している...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その8

...Jeremy は私のアプローチは「やっつけ仕事」だと批判するが、Ben や Office チームが期待していたスケジュールに間に合わせるには、この方法しかないことは明らかで、結局 Jeremy は折れることになった。約1年後にリリースされ、ライバルの Netscape に大打撃を与えることになった Internet Explorer 3.0 のアーキテクチャは、この瞬間に決まったのである...

読者からの質問コーナー

...興味深い例が、Adobe Flash の進化です。Flash は当初、「非言語系開発環境」として「非プログラマー」であるデザイナーたちにとても評判でした。プログラムを書かずとも、タイムライン上のオブジェクトの挙動を記述するだけで、簡単な「Flashアプリ」を作ることが可能だったからです。しかし、「より複雑なアプリケーションをFlashで作りたい」というユーザーの意見を聞いてスクリプト言語を拡張して行くうちに、非プログラマーには使いこなす事が難しい「プログラミング環境」になってしまいました...

...これを読んで感じたのは「同じインターンシップでも会社によってずいぶんと違う」という印象です。UIEvolution(米国)でも UIE ジャパン(日本)でもインターンを積極的に採用していますが、一番の目的は「人材の発掘」です...



トヨタ自動車が原子力発電機を搭載した自動車を売らない理由

福島第一原発事故の「事故原因」が少しづつ解明されてきているようだが、なによりもこの事故から我々が学ぶべきなのは、どうやったら二度とあのような事故を起こさないようにできるか、という教訓だ。

そしてその教訓は、「防護壁をもうけて10メートルを越す津波にそなえること」のようなその場しのぎの答えでも、「すべての原発を直ちに止める」という極論でもない。

二度とあのような事故を繰り返さないためには、「事故原因」を「非常用ディーゼル発電機が津波により使えなくなってしまったから」という「直接の事故原因」を求めるだけでは不十分なのはもちろんだが、「津波の危険を知りながら対処を怠った東電が悪い」という「人的事故原因」を求めるだけでも不十分である。

もっとも重要なことは、なぜ東電が「津波の危険を知りながら対処を先送りするような行動に出たのか」を明確にし、その根本原因を修正することである。

普通のビジネスであれば、これほどの大災害を起こす危険があるのであれば、万全の安全対策を取るのが普通である。そして、万全の安全対策が取れないのであれば、そんなビジネスには手を出さない。

それは「万が一の大事故」を起こした時に会社が倒産してしまうからである。トヨタ自動車が原子力発電機を搭載した自動車を売らない理由はまさにそこにある。

では、なぜ東京電力は、津波の危険を知りながら、その対処を先送りし続けるような行動に出たのだろうか?

原子力損害賠償法があるからである。

原子力損害賠償法は表向きは「被災者の救済」を目的にしたように書かれているが(参照)、この法律の一番の目的は電力会社の救済である。わずか1200億円の損害賠償責任保険への加入を義務づけ、「賠償措置額(=1200億円)を超える原子力損害が発生した場合に、国が原子力事業者に必要な援助を行うことを可能とすることにより被害者救済に遺漏がないよう措置する」と規定している原子力損害賠償法は、「万が一の大事故を起こした場合にも電力会社は倒産させません」と言っているのに等しい。

被災者の救済が一番の目的であれば、「万が一の大事故の際に電力会社が倒産してしまった場合には、被災者への救済が国が肩代わりする」と規定するだけで十分だったはずである。

こんな電力会社救済法があるから、津波の危険に対しては何度も指摘されながら対処を怠って来たし、活断層の真上に原子力発電所を作るような危険きわまりないことを平気でしてきたのだ。

「万が一の大事故を起こしても電力会社は倒産させない」と規定している原子力損害賠償法こそが、東電に「津波の危険を知りながら対処を怠る」という行動に出させたのだ。

原子力損害賠償法が作り出すモラル・ハザードに関しては、Vermont Law School の Mark Cooper 氏の「Nuclear liability: The market-based, post-Fukushima case for ending Price-Anderson」がとても的確で建設的な指摘をしている。

彼は、福島第一での事故の一番の教訓は、原子力損害賠償法により引き起こされたモラル・ハザードこそが事故の根本原因であったことを指摘した上で、米国で福島第一のような事故を起こさないようにするには、(米国の原子力損害賠償法である)Price-Anderson法を廃止し、事業者に「万が一の大事故」の全責任を追わせるしかない、と指摘している。

原子力損害賠償法を廃止して、電力会社が全責任を追う事にすれば、事故を起こしたとたんに会社が倒産してしまうような大規模な原子力発電所は作らなくなるだろうし、安全対策にも本気で取り組むしかなくなり、津波への対処を先送りするようなことはなくなると彼は指摘する。

日本には「再生可能エネルギーは経済的に見合わない」と指摘する役人や経済学者がたくさんいるが、電源三法交付金と原子力損害賠償法の両方を廃止してしまえば、原子力発電ほど事業リスクが高く経済的に見合わないものはない。

「政治判断」で脱原発などしなくとも、電源三法交付金と原子力損害賠償法の両方を廃止すれば、ごく普通の経済原理で危険な原発はこの世から消えてなくなる。もし、「保険会社が損害保険を喜んで引き受ける」ぐらい安全で、かつ「再生可能エネルギーよりも安く」「交付金などなくても地方が立地を認める」原発が作れるものならどんどん作ってもらえば良いと思う。


「3強1弱、あと番外」の方向に向かうスマートフォン市場

スマートフォンの動向に関して良い記事が GeekWire に出ていたので紹介する。

As profits fall at HTC, Samsung becomes the smartphone king with record net income

興味深いのは、この記事で紹介されている各社のスマートフォンの出荷数。Appleが iPhone 4S のリリースの遅れにより第三四半期の出荷数を落としたのに対し(3ヶ月強の遅れだが、9末のリリースも逃したために実質的には2四半期分の遅れとなった)、Samsung が飛ぶ鳥を落とす勢いで出荷数を伸ばしているのが良く分かる。

Htc-share

今後のことで言えば、一番の注目株はNokia。本来ならばスマートフォンとは呼べない Symbian 端末をスマートフォンとして数えているからこの数があるわけで、実質的にはゼロと考えた方が良い。Microsoft との提携はその意味では「それしかない」正しい選択だったわけが、結果がどうなるかは誰にも分からない。

私の予想するに、Apple は第4四半期は iPhone 4S 効果で出荷数を大幅に増やし、2012年はSamsungとの首位争いを続けると見ている。ただし、Appleは決して安売り競争には参加しない会社なので、純粋に出荷数だけで言えば Samsung に軍配があがるだろう(ただし利益に関しては Apple)。

Nokia は世代交代により一時的にさらに出荷数を減らすだろうが、Microsoftとの提携効果で、それなりの V字回復をすると私は見ている。MicrosoftとNokiaが本気になれば、2012年の末までにはWindows端末の出荷数だけで RIM を抜いて HTC に迫るところまで持って行くことも十分可能だと思う。

HTCは Android と Windows Mobile の間をぶれながらもそこそこの位置と保つが、ブランド力の弱さと戦略の曖昧さのために、このままでは、Nokia に抜かれるのも時間の問題だ。Appleからのパテント攻撃と、Android端末1台あたり10ドルとも言われるマイクロソフトへのパテント料に根をあげ、Windows 一本に戦略を切り替える、という可能性も十分にある。

RIMはさらに順位を落とし、2012年の終わり頃には「番外」あつかいされるだろう。2年前なら Microsoft も買収を考えただろうが、今やまともな買い手を見つけることすら難しい状況だ。

MicrosoftとNokiaの提携が2012年中に実を結ぶと仮定すれば、2013年には、iOSのApple、AndroidのSamsung、WindowsのNokia が「3強」として君臨し、その後ろに AndroidとWindowsの二足のわらじの HTC が「1弱」として頑張る、という構図が予想できる。

番外にはモトローラとソニエリもいるが、モトローラの経営陣は窮地に追い込まれる前にGoogleに売り抜くことが出来ただけで大満足しているだろうし、ソニエリもソニーが100%子会社にしたからと言って、今の窮地から脱するためにはよほど本気でソニー本社の経営陣が取り組まないと難しい(ソニーに関しては、もっと大きな問題を抱えているので、その点に関しては別途書く予定だ)。

 

 


iOSアプリ開発日誌:neu.Chat 1.0 (審査待ち)

Neuchat_waiting
2012年の最初のアプリということで、一旦は1月1日にアップルに審査のために登録したのだが、その後も色々なシナリオを試しているうちに、どうしても「おもてなし」の部分で気になる部分があったので(Game Center の仕様で「友達」以外のユーザーは直接ゲームに招待できないのだが、その部分の説明が不十分であった)、そこを修正したものを本日(1月3日)付けで再提出した(バージョンは、1.0 のまま)。

前にもここに書いたように、neu.Chat はボイスチャットが可能なネットワーク版の neu.Notes。別の言い方をすれば、手書きのキャンバスを共有した「お絵描きチャット」が可能なボイスチャット・サービス。

iOS4 から追加された GameKitと、CoreData の機能を使い倒した作りになっているので、

  • Bluetooth 経由で目の前にいる人との「お絵描きチャット」
  • Game Center の Match Making の機能を使って、世界の誰かと「お絵描きボイスチャット」
  • 実際の友達・知り合いと Game Center 内で「友達関係」を作り、その人と「お絵描きボイスチャット」
  • 絵を描くだけでなく、写真を貼付けたり、スタンプを押したりも可能(有料の「プラスパック」が必要)
  • そんな友達に、電話をかけるような気軽さで、「neu.Chat で話しかける」こと
  • 各チャット・セッションはデータベース内に保持されているので、後で描いた絵をひとまとめにして PDF化して他のアプリ(CloudReaders、neu.Annotate など)に渡すこと(有料の「プラスパック」が必要)
  • 一度中断したチャット・セッションを「続行する」こと
  • チャット中に、そのセッション中に描いた任意の絵を引用する(キャンバスに貼付ける)こと

などが可能である。

テキストだけのチャットとも、ビデオチャットとも、ひと味違う新感覚が体験できるアプリケーションである。審査が順調に進めば、1週間後ぐらいにはiTunes ストアに並ぶと思うので、iPad/iPhone/iPod touch ユーザーの方々にはぜひともお試しいただきたい(無料、iOS 5が必要)。


"vs 若手エンジニア" 討論会

Touron

1月28日(土)にUIEジャパンとインプレスジャパンの主催で「若手エンジニアとの討論会」をすることになった。会場等の詳細はこちらを参照していただきたいが、メインテーマは、「グローバル化・フラット化が進むこの世界でのエンジニアの生き方」。参加費は無料だが、事前の登録(申し込みページ)が必要だ。

エンジニアとしての生き方」を出版して以来、このブログやメルマガには、「日本の家電メーカーで働くソフトウェア・エンジニアだが、この先会社がどうなるのか不安」「ITゼネコンに未来はあるのか」「ベンチャー企業をはじめたいが、どうやって始めるべきなのか」「英語はどうやったら勉強できるのか」「渡米して働きたい」「一度会社を辞めてMBAを取得したい」などの質問や意見がたくさん寄せられるが、そういった疑問に私なりの回答をしつつ、できるだけオープンな形でディスカッションをしたいと考えている。