エルピーダの破綻とインサイダー取引と
2012.02.28
国が産活法を適用して300億円突っ込んでまで救済しようとしていたエルピーダがついに破綻した。それも、経産省内でエルピーダの再生に力を入れていたという元エネ庁審議官木村雅昭が株のインサイダー取引で逮捕されてからわずか1ヶ月後のことである。
エルピーダに関する重要なイベントを時系列で並べるとこうなる。
1999年 NECと日立製作所のDRAM部門が統合し、NEC日立メモリとして設立
2000年 エルピーダメモリに商号を変更
2003年 三菱電機のDRAM事業を統合
2005年 東証一部に上場
2009年4月 改正産業活力再生特別措置法(産活法)が国会で成立
2009年5月 経産省エネ庁木村雅昭審議官が妻の名義でエルピーダの株を3000株取得
2009年6月 エルピーダの金融支援協議の場で木村雅昭審議官が大手銀行に融資を要請
2009年6月 産活法を適用して、政府がエルピーダに300億円出資
2011年12月 エルピーダ、公的支援の返済延期要請
2012年1月 木村雅昭、インサイダー取引で逮捕
2012年2月 エルピーダ、会社更生法を申請、負債総額4480億円。
不愉快な事件だが、こんな風にインサイダー取引でしっぽを掴まれるのはまだかわいい方。
天下り組織を自ら作ってそこにお金を流し込もうと、電力業界と癒着したあげくに原発事故を引き起こしても、適切な避難指示を出さずに住民を被曝させても、何の罪にも問われない霞ヶ関の役人たち。そちらの方がずっとずっと大きな問題だと思うのだが。
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