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Amazon Kindle と iPad は競合しない

Amazon-kindle-2011-2やはり某出版社からの情報は正しかったようで、Amazon Kindle の日本での発売は4月と決まったそうである(参照)。日経なので、正式なアナウンスメントではなく、単なるリークの可能性もあるが、信頼性は私のブログよりは高いだろう(笑)。

記事には「価格を1万数千円に抑え、NTTドコモから回線を調達し」と3G モデルのことが書いてあるが、私のオススメは、一番安い WiFi モデル(左の写真)。

Kindle の利点はとにかく軽くて、小さくて、電池の持ちが良い事。その意味では、滅多に必要にはならない 3G や、屋外で使えないカラー液晶よりは、この一番シンプルなモデルが最高だ。

満員電車の中で立ったまま人の邪魔にならず読め、かつ、公園のベンチで日向ぼっこをしながら読めなければ、読者好きの要望には答えられない。

今回も日本への出張でも、飛行機、地下鉄、新幹線、スタバ、公園、風呂場で大活躍だった Amazon Kindle。出張中に Steve Jobs の伝記を読み終え、今はスタバの社長の Haward Schultz の 「Onword」を読んでいる。一週間の間、充電しなくても全く問題がなかった。

ちまたでは、iPad との競合が騒がれているが、両方持っている私から見れば、「目的の大きく違うデバイス」であり、両方持っていても損はない。

ただし、間違っても Kindle Fire には手を出さない方が良いと私は思う。Kindle Fire は iPad と中途半端な競合をするだけ始末が悪い。本をひたすら読みたいなら e-Ink 版の Kindle、マルチメディア・コンテンツやアプリを楽しむなら iPad。それが私がたどり着いた答えだ。


neu.Annotate+ 期間限定セール、二日目

Neu.Notes 昨日、期間限定セールを開始した neu.Annotate+。開始直後に「アプリがダウンロードできない」というフィードバックが数多くよせられて冷や汗をかいた。

今回のセールの一番の目的は、セール期間中にできるだけ大勢の人にダウンロードしてもらうこと。私と相棒のPeteにとっては、「たくさんのユーザーがいること」が何よりものインセンティブなのだ。

特に初速は大切なので、その出足をくじくように「アプリをダウンロードしようとしても出来ない」状況が数時間ほど続くとは全くの想定外で、正直、かなりあせった。

結局、何をしても解決できず夜中過ぎにあきらめて寝たのだが、今朝の4時にになってみれば自然に直っており、一件落着。アップルのサーバーに不具合があったようだ。少し寝不足だ。

しかし、幸いなことに、サーバーの復活後は順調にダウンロード数も伸び、現在有料iPadアプリ部門で第二位。本来ならば「最初の24時間で一位」も十分狙えると思っていたのだが、数時間のロスを考えれば、悪くない結果である。

ということで、サーバーの不調も直ったようなので、昨日ダウンロードしようとして失敗してしまった人は、お手数だがもう一度トライしていただきたい。

 

 


neu.Annotate+ 期間限定セールのお知らせ

PDFドキュメントの校正や学校の授業などで幅広く使っていただいている neu.Annotateneu.Annotate+。大幅なアップデートを記念して、neu.Annotate+ の期間限定セール(通常450円、セールス価格85円)を開始したので、ぜひともこの機会にダウンロードしていただきたい。

どちらもユニバーサル・アプリで、小さい画面でも添削・校正がしやすいように虫眼鏡モードがあるので(neu.Annotate+)、iPad だけでなく iPhone/iPod touch でも使える。

有料版の neu.Annotate+ のみにある機能は以下の通り。

  • ドキュメントをタイトル、作成日時、更新日時の順に並べ替えて表示
  • ドキュメントのリスト表示
  • Dropbox からのインポート、Dropbox へのエクスポート
  • 虫眼鏡モード(ドキュメントの一部を拡大して添削するため)
  • イメージ・エディタ(貼付けた画像・写真のトリミングなど)
  • エレメントの整列、配置
  • エレメントのグループ化、グループ・エディター
  • ドキュメントやページの複製
  • 新規ドキュメントの作成
  • 文字列サーチ(本文およびテキスト・エレメント)
  • "Table of Contents" の表示
  • ページの並べ替え
  • ドキュメントの保護
  • 期限付きドキュメントの設定

 ただし文字列サーチに関しては、フォントの種類によってはサーチできないケースがあるので注意が必要。使っている PDF ライブラリの制限であることまでは解析できているのだが、ライブラリの修正には少し時間がかかる。

 


今週の週刊 Life is Beautiful、2012年2月7日号

メルマガ「週刊 Life is Beautiful」の配信準備が出来たので、簡単に内容を紹介する。

まえがき

New York Times に「In China, Human Costs Are Built Into an iPad」という記事が掲載されました。少し誇張している部分もあるとは思いますが、これは単に中国の労働者の労働環境だけの問題ではなく、「米国で設計し、中国で製造する」という21世紀型の製造ビジネスの根幹に関わる問題を良く表しています...

Windows95誕生ものがたり(8):Cairo

Jim Allchin が「Bill Gates のお墨付き」とともに持って来た落とし穴とは、Cairo の戦略的な重要性ゆえの莫大な予算であった。わずか30人ほどで始まった Cairo プロジェクトが、半年もたたないうちに倍以上の100人近くに膨れ上がったのだ。それも、Stanford や MIT でユーザーインターフェイスの研究をして来た博士号を持つ賢い連中を大量に雇いはじめたのだ...

エンジニアのための経営学
Income Statement (1)

Balance Sheet(貸借対照表)は「ある時点での企業の財務状態を示す表」で、企業は四半期の終わりや年度末などの節目(=期末)ごとに Balance Sheet を計算して発表する。書き貯めて来た Journal Entry (仕訳)を元に期末に Blance Sheet を計算することを「決算(settlement of account)」と呼び、その期間のことを「決算期(accouting period)」と呼ぶ...

ブログには書けない話・書かない話
私が Internet Explorer の開発に関った理由: その12

そんな経緯で、Internet Explorer と Windows Explorer の融合が Windows 97 (最終的には Windows 98)の主要な機能となることが決まったので、私の仕事はとてもやりやすくなった。私から見れば、この時点で、Internet Explorer チームと Windows のシェルチームはほぼ合体することに決まったようなものだったので、シェルチームのエンジニアに Internet Explorer 3.0 のための仕事をしてもらうことがとてもやりやすくなったのだ...

読者からの質問コーナー

読者の一人の方から、Twitter 経由でこのようなコメントをいただきました。

中島聡さんの1月分メルマガを読み終わった。メルマガの内容を人と話し合いたい。でもメルマガは取っている人自体はまだまだ少ないし、読んでいる人たちと繋がる事はできるが相手を知らない。そしてメルマガ自体を公開する事わけにはいけない。うーん、これをどうにか解消できないのかなー。

...


ニューヨークで3月11日に開かれる反原発集会

Nukes福島第一での事故の一周年を記念して、「No Nuke Action 3.11 - NYC」という集会がニューヨークのタイムズ・スクエアで開かれることになったそうである。

日本政府の暫定避難地域の解除は、このチラシにも「日本政府が安全宣言をした地域の中でも最も放射能汚染レベルの高い地域に住み続けると25人に一人の子供が癌になる」と書かれている様に、国内よりも海外の方が評判が悪い。

低線量被曝の影響に関しては、専門家の間でも意見が分かれているので、実際にどの数字が正しいかは何とも言えない。しかし、それならば「万が一のことも考えて」子供たちを汚染地域から避難させておく(そして、それに必要な費用は東電に支払わせる)のが政府がすべき仕事。

特に住民に除染をさせるなどもっての他で、やはり汚染地域の土地を買い上げるなり、汚染されていない地域の等価の土地と交換するなどするのが道理だ。


Google+ はどこに行こうとしているのか?

753824a64eb511e19896123138142014_7Facebook 経由で "Social Media Explained" という写真が共有されて来たので(参照)、ここに貼付けておく。

この中でも極めつけに皮肉が利いているのがGoogle+ に関するもの。私自身、サービスのスタート時には何回かチェックしたが、それ以来ログインすらしていない。

Buzz といい Wave といい Facebook や Twitter に対抗するものを作るのはGoogleにすら簡単ではない。


渡辺謙のダボス会議での発言

20120126-00000000-jijp-000-0-view渡辺謙のダボス会議でのスピーチ全文が、東京新聞のサイトに公開されている。

渡辺謙さん、ダボス会議でスピーチ 原子力からの転換訴える

”国は栄えて行くべきだ、経済や文明は発展していくべきだ、人は進化して行くべきだ。私たちはそうして前へ前へ進み、上を見上げて来ました。しかし度を超えた成長は無理を呼びます。日本には「足るを知る」という言葉があります。自分に必要な物を知っていると言う意味です。人間が一人生きて行く為の物質はそんなに多くないはずです。こんなに電気に頼らなくても人間は生きて行けるはずです。「原子力」という、人間が最後までコントロールできない物質に頼って生きて行く恐怖を味わった今、再生エネルギーに大きく舵を取らなければ、子供たちに未来を手渡すことはかなわないと感じています。”

しごくまっとうな、地に足のついた発言である。こういう「まともな意見」がちゃんと政策が反映されていく国になって欲しいとつくづく思う。