Google+ の敗北こそが「部屋の中の象」
2012.03.17
James Whittaker が書いた「Why I left Google」が話題になっているが、これを読んで思い出したのは私が90年代の終わりに Microsoft を辞めることを決断した時期のこと。
時代が「デスクトップの時代」から「ネットの時代」に移ろうとしている時に強く感じたことは、Microsoft という巨大な船がインターネットという氷山にゆっくりと衝突して行くイメージ。James もこれと同じようなものを見たのだろう。
2012年の現在、Googleの飯のタネである、ページの内容にマッチした広告を表示する「クローラー型広告ビジネス」が、ソシアル・ネットワーク内部のコンテキスト情報を使ってより読者のニーズにマッチした広告を表示する「ソシアル広告ビジネス」に取って代わられようとしていることは火を見るよりも明らか(この件に関しては、今週号のメルマガ「週刊 Life is Beautiful」に特設コーナーをもうけて解説しているので、興味のある方はどうぞ)。
だからこそ Google は、Buzz、Wave、Google+ と必死に Facebook や Twitter に代わるものを作ろうとしているのになかなかうまく行かない。特に肝いりではじめた Google+ の敗北は決定的かつ致命的で、James が "Elephant in the room" と表現する「(Google 内の)誰もがすなおには認めたがらない大問題」とはまさにこれだ。
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