反面教師としての三木谷発言
2012.07.28
kobo touch の初期不良問題に対する三木谷氏の発言にはあまりにも学ぶことが多かったのでひと言。ソースは、日経ビジネス Digital の「細かいことで騒いでいるのは少数派ですよ」という記事。
特に問題なのは冒頭の、
――色々トラブルが起きましたが現状は。
三木谷:いや、いいですよ。初期設定の問題で細かいトラブルはあったけど、2日以内に解消できたし、コールセンターも24時間対応にしたし。アクティベーション(利用できる状況にセットアップすること)した人が購入者全体の95%を超えていますからね。そして、何よりコンテンツが売れまくっている。出版社の人に聞いてみたほうがいいですよ。僕は出版社の驚きように驚いている状況です(笑)。 販売台数は10万台弱程度で、年内目標は100万台。だいたいそこまでいけそうです。やはりユーザーインタフェースがいいんですよね。直感的にできるし、変なボタンもないし、分かりやすいし。評判が非常にいいんです。
という部分。三木谷氏が、ユーザーではなく、出版社の方を向いて商売をしていることが明確に見えて、"Public Relation" としては最悪だ。必要以上に低姿勢になる必要はないが、小売りビジネスをしている限りは「ユーザーのことを第一に考えている」という姿勢を見せるべきだ。
私が楽天の PR 担当だったとしたら、三木谷氏にはこんな感じに答えてもらうだろう。
三木谷:初期設定の件で一部のユーザーにご迷惑をおかけしまったことは大変申し訳なく感じています。コールセンターも24時間対応にしたので、初期設定で困っている方にはぜひともすぐにご連絡をいただきたいと思います。
現時点で、購入後2日以内にアクティベーション(利用できる状況にセットアップすること)できた人が購入者全体の95%を超えています。新製品としては決して悪くない数字ですが、購入していただいた方全員にできるだけ速やかにアクティベーションしていただき、豊富なコンテンツを楽しんでいただくことが、我が社の責任です。そのためにも、これからもあらゆることをさせていただくつもりです。
ちなみに、アクティベーションしていただけた方の間では、コンテンツの販売がとても順調なので、出版社の方々にも喜んでいただいています。販売台数は10万台弱程度で、年内目標は100万台は達成できると見ています。いかに、直感的にコンテンツが購入できるようにユーザーインターフェイスを設計するか、その部分に苦労をしたのですが、効果が出ているようです。
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