米国が原子力規制委員会のトップに地質学者を選んだ理由
2012.08.14
日本では、原子力規制委員会のメンバーの選択プロセスに問題があるとの指摘がある。国会の事故調査委員会の報告書には人選そのものを第三者委員会に委ねることが大切と明記してあるにも関わらず、いつものように「官僚が政治家に代わって人選を行い、政治家はそれをそのまま受け入れる」という官僚主導でものが進んでいる。
一方、米国では、日本の原子力着せ委員会に相当するNRC(Nuclear Regulatory Comission)のトップに地質学者、Allison M. Macfalane が選ばれたことが報じられている(参照)。彼女がトップになってから、使用済み核燃料の最終処理問題が片付くまではこれ以上原発を増やすべきではないと、新規原発および既存原発のライセンスの延長を凍結した。
それに加え、「既存の原発の耐震基準は時代遅れで不適切であり、最新の知見に基づいた安全基準の根本的な見直しが必要」と主張する彼女の姿勢は、日本の新しい規制委員会にもぜひとも見習って欲しいものだ。
上のニューヨーク・タイムズの記事は、なぜオバマ大統領が彼女を NRC のトップに選んだかの理由についてまでは踏み込んでいないが、これまで地質学者を選んだ前例がないこと、今回が福島第一での原発事故後最初の人選であることを考えれば、放射性廃棄物の最終処理と、福島第一のような事故を二度と起こさないための安全対策の見直しにプライオリティを置いて彼女を選択したことは明らかだ。
【追記】参考までに、彼女が放射性廃棄物の最終処理に関しての意見を表明したビデオを貼付けておく。
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