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Andy Rubin が Android の開発責任者から降りた件について

2月の終わりにスペインで開かれた「Mobile World Congress 2013」で、「Tizen」「Firefox OS」という二つのモバイルOSの発表が注目を集めたが、これらに絡めて「モバイルOSの動向」に関しての記事を執筆して欲しいというリクエストが複数のところから来た。

それはそれで書いているのだが、私がもっと注目しているは、Andy RubinがAndroidの開発責任者のポジションから外れた件だ。

Googleのことなので多少違う意味合いがあるのかも知れないが、これがMicrosoftであれば99.9%降格人事だ。

合議制でものが決まる日本とは違い、米国の場合、「何をどんな目的で作るか」という product vision に関しては開発責任者が全責任を追う。そのため、責任者が変われば、作るものも大きく変わってしまう。

優秀な人であればあるほど、上からあれこれと指示されること(=micro management)を嫌うので、経営陣としては「何が会社にとって必要か」というビジョンが経営陣と共有出来ている人を責任者に置くことが大切だ。

経営陣の狙いは、AndroidとChrome OSの統合だ。Androidは市場では成功しているが、HTML5ベースのChrome OSの方がGoogle全体の戦略との親和性が良い。そこで、二つのグループを統合し、最終的にはデスクトップとモバイル両方の共通プラットフォームを作りたい、と考えているのだ。

当然、2人も船頭がいたらプロジェクトは酩酊するので、Andy Rubinと(Chrome OSの開発責任者であった)Sundar Pichaiのどちらかを統合チームの責任者にしなければならない。

そこで経営陣が選んだのが Sundar なのだ。

経営陣としては、中長期的には Android の Java API から、Chrome OS の ウェブAPIへのシフトを押し進めたいと考えているのだろう。Androidには相変わらずセキュリティ上の問題が沢山あるし、「すべてをウェブ・アプリケーションとして提供する」というGoogleのビジョンには Chrome OS の方が相性が良いからだ。

Android の生みの親であるAndyが責任者である限り、そちらへの方向転換は簡単に出来ないと判断したのだろう。

Sundar を開発責任者として、まずはChrome OS と Android を統合し、同時にHTML5 ベースのAPIの更なる進化を加速し、全てのアプリケーションがオンデマンドでネットから提供される(つまりブラウザー上で走る)世界を実現する。私がGoogleの経営陣であれば、やはりそう考えるだろう。

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