放射性ストロンチウムを含む高濃度汚染水が地下水に流出
2013.04.07
福島第一原発の貯水槽からの汚染水漏れに関する報道で、「放射性セシウムなどを処理した後の汚染水」「1立方センチあたりXXベクレルの汚染水」など、ちょっと気になる表現があったのでメモしておく。
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福島第一原発で、放射性セシウムなどを処理した後の汚染水をためた地下の貯水槽から汚染水が漏れていたことが分かりました。
貯水槽は1月に設置されたもので、地面を掘り下げた中に3重の防水シートを敷き詰めた構造になっていて、約1万3000立方メートルの汚染水が入っています。東京電力によりますと、一番外側のシートと周辺の地盤の間にたまっている水から、1立方センチあたり35ベクレルの放射性物質が検出されました。さらに、一番外側のシートの内側にたまった水も5日に調べたところ、6000ベクレルの放射性物質が検出されました。貯水槽から海までは約800メートルあり、汚染水は海には漏れ出ていないとみられます。東京電力は、6日にも隣接する別の貯水槽に汚染水を移し、流出した量などを調べることにしています。
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東京電力からの発表をそのまま流しているからこうなるのだろうが、「東京電力は汚染水の置き場所に困っている」「汚染水からセシウムを除くことが出来ても、ストロンチウムは除くことができない」、「金町の浄水場で水道水の汚染が発見された時には、1リットルあたりのベクレス数を発表していた」などの事実をキチンと把握していれば、もう少し別の表現が出来る。
たとえばこんな感じだ。
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放射性ストロンチウムを含む高濃度汚染水が地下水に流出
福島第一原発で、放射性ストロンチウムなどを含む高濃度汚染水をためた地下の貯水槽から汚染水が漏れていたことが分かりました。
東京電力は、これまで汚染水を貯水タンクに貯めてきましたが、置き場所不足とコストの関係で、今年1月からは、地面を掘り下げた中に3重の防水シートを敷き詰めた構造の仮設の貯水槽を使って来ました。
東京電力によりますと、そのうち一つの貯水槽で、一番外側のシートと周辺の地盤の間にたまっている水から、1リットルあたり35,000ベクレルの放射性物質が検出されました。さらに、一番外側のシートの内側にたまった水も5日に調べたところ、6,000,000ベクレルの放射性物質が検出されました。地下水の汚染は確実で、地下水を通じて貯水槽から約800メートルのところにある海の汚染が心配されています。東京電力は、6日にも隣接する別の貯水槽(これも仮設)に汚染水を移し、流出した量などを調べることにしています。
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ずいぶんと印象が違う。
不必要に不安をあおる必要もないが、読者には「何が含まれているか」を伝えるべきだし、単位も可能な限り統一すべきだ。
「汚染水からセシウムを除くことが出来ても、ストロンチウムは除くことができない」
というのは本当に事実ですか?
東京電力の「多核種除去設備について」という資料を見ると、
ストロンチウムもかなりの割合で除去できているように見えますが。
Posted by: cyc | 2013.04.09 at 08:57