ガラポンTVで作る「おもてなしテレビ」はソニーのコクーンを超えるか?
2013.04.15
去年の7月のケーブルコンベンション2012で「セットトップボックスにAndroidを載せれば何とかなる、なんてとんだ勘違い。そんな甘い考え方でいたらケーブル業界は必ず負ける」と発言して、意図せずに発表されたばかりの KDDI の Android セットトップボックスを批判してしまった私だが(参照)、私の目指すところは「おもてなしテレビ」である。
「おもてなしテレビ」とは、録画予約などしなくとも家に帰ってテレビのスイッチを入れるだけで、自分が見るべき番組(もしくは番組の一部)を30分とか1時間などの指定した時間で見せてくれる究極の「おもてなし」を提供してくれるテレビだ。気に入った場面を手軽に Facebook や Youtube で(著作権を気にすることもなく)共有することも出来る、というソシアル・ネットワーク機能、家の外からパソコンやスマートフォンで映像を見る機能も必須だ。
私なりにそれに近い環境を作ろうと、6ch/15日分を録画し続ける「タイムシフトマシン」である東芝のDBR-M190 と Slingbox の組み合わせで色々と実験はしているのだが、API が公開されているわけではないので、思いっきり使い勝手が悪い。
誰かもう少しオープンな環境の「タイムシフトマシン」を作ってくれないかと待っていたところ、既存の家電メーカーではなく、家電ベンチャーのガラポン株式会社から「ガラポンTV参号機」が発売されたので、早速注文した。
目的はもちろん「おもてなしテレビ」アプリの開発だ。
まだAPIを見始めたばかりなので、どこまで可能なのかは分からないが、理想的には「プレイ」ボタンを押すと私が見たいだろう番組(もしくは番組の一部)を選んで流してくれるだけのごくシンプルなインターフェイスを持つアプリだ。見たくなければ「スキップ」ボタンを押し(すると次の候補が流れる)、後で時間のある時に見たければ「後で」ボタン、気に入れば「いいね」ボタンを押して見続けるだけだ。
基本的な操作はこの4つのボタン(プレイ、スキップ、後で、いいね)で行い、その操作情報から私の趣向を少しづつ学び、使えば使うほど私にマッチした番組を見つけ出すのが上手になる、という学習型のアプリだ。それなりのものが出来たら、オープンソースなプロジェクトとして公開したいと考えている。
これを書いていて思い出すのが、ソニーのコクーン。あれは素晴らしいプロジェクトだった。コクーンとか AIBO のような夢のある製品を作るのをやめ、誰が必要としているのかさっぱり分からない Google テレビを売り始めたあたりで、ソニーの歯車が大きく狂い始めたように思う。
しかし、良く考えてみると、色々なしがらみを抱えた従来型の家電メーカーではなくて、小回りの効く家電ベンチャーからこんな素晴らしい商品が出て来る方が自然の流れだし、健全でもある。
日本の政府は、何かというと「既存の企業の延命」に税金を投入したがるが、政府がやるべきことは、特定の企業の支援ではなくて、こんな小さなベンチャー企業が大会社とちゃんと戦えるような(もしくは、大企業から優秀な技術者が飛び出してベンチャー企業を始めやすいような)環境や法律を整備することにある、と私は思うのだがいかがだろうか。
私のようなド素人がコメントさせて頂くのは大変恐縮なのですが、とても素晴らしいアイデアと思います。
全録はいいが、見たい番組を探すのが大変、自分の知らない面白番組の発見も大変、ということを一気に解決してくれそうです。
私はガラポンTVのAPIを使ったサイトを作っていますが、単にガラポンTVの補完的なものと他人のアイデアパクリなもので、このブロクを読んで考えを改めさせられました。
3ヶ月も録画番組が貯まってくると、ガラポンのAPIのレスポンスは必ずしも早くはなく、特に字幕検索は遅いのでプリフェッチを多用する必要はあると思います。
期待しております!
Posted by: korokoro | 2013.04.16 at 16:21