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消費者にメジマグロを食べるなと言っても話にならない

水産庁の「(クロマグロの子供である)メジマグロを食べるのを辞めましょう」というキャンペーンがいかに馬鹿げた話なのか、という解説記事を今週号のメルマガ向けに書いていたのだが、Blogos 経由で「メジマグロは食べるべきではない、に賛成!」というブログエントリーが目に止まったので、ここでもひと言書いておく。

水産資源の保護を本気でするのであれば、そんな生易しいことでは絶対にだめだ。「規定サイズ以下のクロマグロの禁漁」をする必要があるし、巻き網によるマグロの捕獲も禁止にすべきだ。短期的には漁師の間に痛みを生じるが、中長期的に日本の漁業を守りたいのであれば、短期的な痛みは我慢してもらうしかない。官僚たちが「今の時代の人達のために将来を犠牲にするという」という行動に出ざるを得なくなる今の状況を何とか打破しなければ、これから生まれて来る子供達が大人になったころには、クロマグロやウナギは日本だけでなく世界の食卓から消えてなくなる。

私の住むワシントン州は、鮭や蟹などの水産資源の宝庫だが、その取り組みには参考すべき部分がたくさんある。例えば、ダンジョネス・クラブという蟹の場合、「甲羅の大きさが6.25inch以上の雄のみを捕って良い」という規則がある(サイズは漁場によって若干異なる)。

この規則が水産資源を守るためだ、ということは幅広く理解されているため、桟橋などで蟹釣りをしていると、蟹籠を引き上げるたびに野次馬が集まって来て、「これはメスだから海に返せ」だとか「物差しは持っているか、持ってなければ貸してやるぞ」などと言われる。これは「俺たちも規則を守っているんだから、お前も守れ」「10年後、20年後にも蟹釣りを楽しみたいのであれば今は我慢しろ」というメッセージである。

ボートで沖に出て蟹釣りをしていれば安心かというとそんなことはなく、監視船がいきなり近寄って来て抜き打ち検査をし、規則違反をしていればその場で500ドルの罰金だ。趣味で釣りをしている人なら罰金ですむが、商用の漁船が規則違反をしていることが分かれば、経営者が牢屋に入ることになる(シアトルの漁業関係の日本人で実際に牢屋に入った人がいる)。

ぶっちゃけて言ってしまえば、日本の水産庁にとっての No.1 のプライオリティが「水産資源の保護」でないところが一番の問題で、それがクロマグロやウナギを絶滅に追いやっているし、調査捕鯨などという馬鹿げた詭弁を作り出しているのだ。

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