今週の週刊 Life is Beautiful:9月3日号
2013.09.01
今週のメルマガ「週刊 Life is Beautiful」の配信準備が整ったので、内容を簡単に紹介する。
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今週のざっくばらん
二極化する「e-commerce」
前にも一度ここで触れたと思いますが、最近 Qixil という質疑応答サイトに回答者としてアクティブに参加しています...先週も、こんな質問が私の目を引きました。
Amazonや楽天などの総合通販サイトではなく、よく利用する専門通販サイトはありますか? また、そこで買う商品を教えて下さい。 特に高級品やこだわりの品があれば教えて下さい。
Qixil のユーザー層から想像するに、通販サービス(英語では e-commerce)のビジネスを立ち上げようとしている人が、Amazonや楽天と対抗するための何らかのヒントを得ようとして投稿した質問だと思います。
これに対する私の回答は...
原発のジレンマ
あれほどの事故を経験し、安全神話が完全に崩壊したにも関わらず、日本がなぜ脱原発への舵取りが出来ないのかに関して色々と考えて来ましたが、やはりゲーム理論で言うところの「囚人のジレンマ」と似たようなことがもっと大きなスケールで起こっているのだと思います。
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原発の場合、「事故の確率を十分に低くすることが出来れば、事故のことは考えなくて良い」「高速増殖炉が成功すれば核のゴミを燃料として再利用できる」「(核のリサイクルが成功したとしても生ずる)放射性廃棄物の問題もいつかは解決できる」という3つの詭弁により、「万が一の事故への対処」や「10万年以上に渡って隔離しなければならない危険なゴミ」の問題を棚上げして人々を目先の利益に走らせているという点で、「囚人のジレンマ」とは少し異なります...
私の目に止まった記事
Google Glass の発表以来、この手の「ウェアラブル・コンピュータの時代は来るのか?」という記事は見ますが、相変わらずほとんどの記事がコンシューマー市場ばかり見ているのが私には不思議でなりません。前にも書いたと思いますが、FuelBandのようなリストバンドならばいざ知らず、Google Glass のようなスカウター型のウェラブル・コンピュータが最初に立ち上がるとすれば、業務用だというのは火を見るよりも明らかだと...
Mobile Fourth Wave: The Evolution of the Next Trillion Dollars
モバイル業界のコンサルタントをしている Chetan Sharma が AllThingsD に書いたコラムです。Chetan とは、彼が Wireless Data Services: Technologies, Business Models and Global Markets という本を NTT DoCoMo の中村康久氏と共同執筆をしていた時にインタビューを受け知り合いましたが、Chetan の書くコラムやレポートには貴重なデータが満載なので、一通り目を通す様にしています。
今回のトピックは、"Digital Services" と呼ぶワイアレス・ネットワークを活用したさまざまなサービスを、音声通話、メッセージング、モバイルデータに続く4つ目の波として捉え、モバイル業界が(特に通信事業者)がどんな部分に投資をして行けば良いか、という...
China’s Future Energy Mix - Graph Of The Day
Bloomberg による中国のエネルギーミックスの将来を予想した論文の紹介です。下に張り付けたグラフには、4つのシナリオに基づいて2030年のエネルギーミックス予想ですが、いずれのシナリオにおいても、石炭による火力発電は50%を切るまでに減らし、原発も6%程度に抑えている点が目を引いたので紹介します...
Threats to Mobile Devices Using the Android Operating System
米国政府が警察や消防で働く人達に向けて「古いバージョンの Android OS が搭載されたスマートフォンを持つことの危険性」を訴えたメモを配布したことがさまざまなところで取り上げられています(上のリンクは、そのメモのコピーへのリンクです)...
エンジニアのための経済学:サービスとしての放送
今年に入って、Netflix によるオリジナル・コンテンツの配信、Google による Chromecast の発表、ソニーによる Viacom のコンテンツのネット配信権利の獲得、Apple による Apple TV への Disney Channel の追加、と「映像のネット配信」関連の動きが盛んになって来ました。
ブロードバンドの普及(それに伴うネットワークコストの低減)という技術革新と、ケーブル会社に対する消費者の不満(日本の場合は若者のテレビ離れ)という二つの強い「進化圧」が、これまで「ラストマイル(日本の場合は放送免許)」という利権に守られていた放送業界にようやく風穴が空き始めた証拠だと見て良いと思います。いわゆる「放送革命」の...
読者からのご質問・ご意見コーナー
今週はこんな質問が来ました。
最近、日本の大企業において『ダイバーシティ(多様性)』がしきりに叫ばれておりますが、実態としては、女 性社員の能力にゲタを履かせて管理職に昇進させてみたり、それほど有能とも思えない外国人を無理に採用する など、経営に資することがないように思われます。米国の企業においてダイバーシティは、どのように行われているのでしょうか。
同じ問題は米国の企業においても起きています。ソフトウェア・エンジニアのような特殊技能が必要な職種においてはその影響はほぼゼロと言っても良いと思いますが、特殊技能が不要な職場においては、単純な「数合わせ」のために、逆に白人男性が逆差別を受ける、というケースが多々あります...
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