今週の週刊 Life is Beautiful:1月7日号
2014.01.05
今年でメルマガ「週刊 Life is beutiful」を書き始めて足掛け4年目になるが、順調に読者も増えているし、毎週一回という執筆のリズムにも慣れて来た。2013年は、年末年始・休暇中・出張中も含めて一度も遅れることもなく、ゴーストライターも使わず、毎週火曜日にメルマガを発行することが出来たが、今年も同じペースで発行し続けたいと考えている。
ちなみに、今週号の内容はこんな感じだ。
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今週のざっくばらん、正月特番
New Year Resolution
私が使っているスポーツ・クラブは、毎年1月になると駐車場が込みますが、これはクラブに属していながらあまり利用していないメンバーが、「今年こそはもっと運動しよう」と決意を固めて来るからです(2月になると元に戻ります)。
この手の「新年の決意」を英語では New Year Resolution と呼び、一昔前なら、それを紙に箇条書きにして壁に張っておくのが一般的な方法でしたが、今ならブログやFacebookで外に向かって宣言してしまう方が効果的だと考える人もいます。
人はどうしても目の前の問題ばかりに心を奪われてしまい、「本当に大切なこと」「長い目で見て良いこと」を忘れてしまったり、先送りしてしまいがちなので、一年に一度ぐらいは自分の人生を見直すのも悪くないと思います。
私の場合、今年の New Year Resolution に相当するものは、五つあります。
一つ目は、ここでも何度か紹介してきた Video Shader という iPhone アプリで人々のライフスタイルを変えることです...
二番目は、UIEvolution を日本の優秀なエンジニアの誰もが入りたがるような「すごい会社」に...
三番目は、上のUIEvolution のビジネスとも関係する話ですが、2014年を「スマート・デジタル・サイネージ革命元年」にしたいと...
四番目は、教室に革命をもたらす「プロジェクト kaino」の実現です...
五番目は、仕事とは関係ありませんが、月曜日と水曜日の朝6時からの...
ソフトウェア・エンジニアという職
先週、初対面の人とゴルフをしている時に仕事の話になり、私がソフトウェア・エンジニアであることを伝えると、「君はプログラムが書けるのか、羨ましいな」と言われました。その人は弁護士の資格を持つシアトル市の検察官ですが、彼にとっては「プログラミング」は全く未知の世界のもので、「ソフトウェアを生み出すことが出来る」能力とはすごく特別なもの...
...もちろん、そのレベルに到達するのは決して簡単ではありませんが、プロ野球選手として「どの球団に入ってもベンチに入れる」レベルになるよりは遥かに敷居は低く、かつ、生涯賃金もストックオプションからのキャピタルゲインを加えれば、プロ野球選手に決して負けない点を考慮すれば...
伝えることの難しさ
東京新聞に「原発神話をぶっ壊せ」というタイトルで坂本龍一のインタビュー記事が掲載されていますが、重要なのは
深刻な問題をしかめっ面で言われると、大事な問題でも心を閉じてしまう。伝え方によって受け取る側はずいぶん変わる。同じ内容でも、昔ながらの市民運動型がたくさんある。事故前に原発の集会に行ったことがあるが、僕も引いてしまった。紙面もそうかもしれない。同じ内容を伝えるのでも、相手が心を開くような伝え方を、僕もいつも心がけている。
...中略...
「左翼紙」などというくくりで見られてしまって、真剣に読んでくれない人がいると損。書き方や見せ方、アプローチのやり方に気をつけないと。「正しいことを言っているんだから聞けよ」という態度だとダメですね。従来の市民運動にもそういう人が多く見られ、僕も嫌だなと思う。
という部分だと改めて認識しました...
ハードウェア革命
上に書いた kaino プロジェクトとも関連する話ですが、クラウドファンディングや3Dプリンタによって、ハードウェア・ビジネスへの参入障壁が下がると、ソフトウェア・ビジネスで起こったのと同じ様なビジネス革命がハードウェア・ビジネスでも起こる可能性は高いと私は見ています。同じ様な考えの人は他にもいるようで、Techcrunch の「SighES」というタイトルの記事は...
私の目に止まった記事
Should We Raise the Minimum Wage? 11 Questions and Answers
去年、米国では最低賃金(minimum wage)の引き上げがいくつかの州や市で起こり、論議を呼びました。私の住むシアトル近郊でも、空港を含む Sea-Tac という市で最低賃金が時給15ドルという極端に高い水準に引き上げられ、全米から注目を集めています。この記事はこの最低賃金問題をとても分かりやすく解説している記事なので、この件に興味のある方には、一読をお勧めします...
Amazon Decides to Stop Hiding Its Web Video Service
Amazon が Prime メンバーに対して Netflix に対抗するオンデマンド映像の見放題サービスを開始したことは業界内部では良く知られた話ですが、Amazon 自身はなぜかあまり積極的に宣伝して来ませんでした。それが最近になってコンテンツも充実して来たし、コマーシャルでも宣伝するようになった、というのがこの記事の主旨です...
The biggest threat to Windows: ‘People simply don’t care about it’
Microsoft が抱える問題(Windows というプラットフォームが開発者たちにとっては「どうでも良いプラットフォーム」になってしまった点)を端的に表した記事ですが、この記事、および、この記事が引用している Paul Thurott の記事「Facing the Biggest Problem with Windows in 2014」が、元Microsoftの幹部連中の間でさかんな議論を呼んでいます。
その中でも、David Sobeski (現在は Walt Disney の CTO) が Facebook に書いたメモ(非公開)がとても興味深いので、張り付けておきます...
Apple’s upcoming 12-inch iPad may hammer the notebook market
Apple が 12 インチの iPad Pro を出すという噂が巷には流れていますが、既に 9.7 インチのiPad や Android タブレットがパソコン市場からユーザーを奪いつつあることを考えれば、12 インチ iPad + 純正キーボードというパッケージをAppleが今のタイミングで出せば、さらに市場を奪うことは十分に可能に思えます...
読者からのご質問・ご意見コーナー
今週は、こんな質問が来ていました。
鋭い質問、ありがとうございます。米国での法人の形は色々なものがありますが、ベンチャー企業を作るとすれば、基本的に LLC と C-Corp の二つの選択肢があると考えていただいて結構です。どちらも法人格を持ち、株主がおり、万が一のことがあっても株主は出資金以上の責任を追求されることがない、という点では非常に良く似ています...
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