今週のメルマガ「週刊 Life is Beautiful」の配信準備が整ったので、内容を簡単に紹介する。特に意識したわけではなかったが、先週のCESを反映した記事が多い。
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今週のざっくばらん
Slow Death of Microsoft
先週紹介した、Facebook 上での元 Microsoft 幹部たちの会話はまだ続いています。なぜMicrosoftが「影響力のない会社」になってしまったかに関しては、意見が分かれていますが、「影響力のない会社」になってしまったことに関しては、誰もが全くの疑問も持っていない点が重要です...
ちなみに、私自身がこの件に関して Facebook に書いたのは、以下の文章です。
Who killed Windows?
7 years ago (7 years after I left Microsoft), Apple has introduced iPhone. As the result, I have switched my main machine from Windows to Mac. Since then, I have *completely* moved away from Microsoft platforms, and just use either open platforms or platforms provided by Apple or Google.
The combination of two fasts, (1) Mac was *necessary* to develop iPhone applications, and (2) Mac was *better* machine to develop software on open platforms, turned Mac into the de facto standard for developers and made Windows irrelevant.
そしてこれに対するコメントは大半が...
風評被害という詭弁(きべん)
私の Facebook のタイムラインは、半分以上がシアトル近郊で暮らすアメリカ人の書込みで占められていますが、事故から3年近く経った今でも、福島原発に関する書込みがあり、事故の重大さを実感させられます。つい先週も、「As Fukushima radiation makes landfall on California beaches, Natural News announces lab to test foods for radioactive cesium-137」という記事を引用しながら「I guess we're done eating Pacific Ocean fish... (もう太平洋の魚は食べられないみたいだね...)」との書込みがあり、とても複雑な気持ちになります。
日本政府は、この手の消費者の行動を「風評被害」と呼びますが、「風評被害」という言葉を使う時点で、これを「科学的に全く根拠のない消費者のヒステリックな行動」と決めつけており、それがいっそう溝を深めていると...
私の目に止まった記事
Sony Goes All-In On Cloud Content With “PlayStation Now” And A Cloud-Based VOD TV Service
ソニーが、CESで"PlayStation Now" というストリーミング型のゲーム・サービスと家庭向けのストリーミング映像サービスをアナウンスしたことを評価する記事ですが、平井社長の基調講演も成功で、ソニーにとって、今回のCESは大成功だったと言えます。しかし、マーケティング面だけでなく、最近のソニー製品には復活の兆しが見えて来たと...
CES 2014: Toyota shows off fuel cell car that can also power a home
最近は「CESの主役は家電ではなく自動車だ」と言う人もいるCESですが、その傾向を象徴するようなのが、今回のトヨタによる燃料電池車(Fuel Cell Vehicle)の発表です。燃料電池車は、電気自動車と違って家庭で充電出来ない点が欠点ですが、燃料を充填する時間が短く(トヨタ車の場合3分)、航続距離が長い(310マイル)のが長所です...
Intel announces Edison: a 22nm dual-core PC the size of an SD card
Intel が SD カードサイズのコンピュータ(というかコンピュータの心臓部)、Edisonを発表しました。Intel のモバイル・デバイスへの進出は、StrongARM、XScale、Atom とことごとく失敗し、Qualcomm に大きく水を空けられています。Edison はスマートフォンやタブレットを飛び越してウェアラブル・デバイスをターゲットにしている点は評価出来ますが...
Xbox One sales top 3 million in ‘epic launch’ for Microsoft game console
Microsoft がクリスマス商戦で Xbox One を300万台売ったという報道です。一週間先駆けて発売した PlayStation 4 は 420万台売れたそうなので(参照)、どちらかが勝ったというよりは、「双方とも順調な滑り出し」というところでしょうか。しかし、両社がこの順調さを維持することは簡単ではないと私は見ています...
I Wore the New Oculus Rift and I Never Want to Look at Real Life Again
ゲーム開発者たちの間では Oculus への注目が集まっていますが、不思議で仕方が無いのは、なぜ Microsoft も Sony もこの方向への先行投資を今の段階からしないのか、ということです。据え置き型のゲーム端末をリリースしたばかりなのは分かりますが、数年後のことを考えれば、ゴーグルスタイルのゲーム端末(もしくはゲーム専用ディスプレイデバイス)は必須であり、今のうちに開発キットを開発者向けに...
Faraday’s Stylish New Bicycle Will Change How You Think About E-Bikes
米国では電動自転車がほとんど普及していないので、「これでようやく米国でも普及期にさしかかったか」と期待して読んだところ、まったくの期待外れでした。電池をフレームに入れたからと言って、それほどスタイリッシュになったとは思えないし、三千ドル(約30万円)という価格は高すぎます。日本であれば、10万円で十分に電動自転車を買えることを考えれば...
Apple's app sales topped $1B in December, $10B in 2013 - updated
iPhone/iPad 向けのアプリケーションの売り上げが、年間 $10 billion (約1兆円)を超えた、という報道です。特に2013年の後半からの伸びが大きく、12月には月間 $1 billion を超えたそうです。秋の新製品(iPhone 5c/5s)の需要が好調なのに加え、日本で NTT DoCoMo が iPhone を採用した影響も多く、国別の売り上げでは日本が米国を超えた...
Software - the new battleground for carmakers
家電ほどの急激な変化ではありませんが、自動車の世界においてもソフトウェアの重要性は増しており、ソフトウェアを通して自動車の機能すべてをコントロールする時代が来つつある、という話です。
これに関して象徴的な話は、Tesla の "creep mode" です。creeping とは...
New Gossip On How Apple Plans To Make The iPhone's Camera Better
Apple が iPhone6 にどんなカメラを搭載してくるか、という噂記事ですが、VideoShader を開発した経験から言えば、カメラの解像度だけをやたらと上げることは、CPU/GPUパワーや搭載しているメモリとのバランスを崩すことになりません。VideoShader の開発経験から言えば...
3D Systems Sweetens Its Offering with New ChefJet™ 3D Printer
CES ではやはり3Dプリンターが注目を集めましたが、私が最も「欲しい!」と感じたのは、3D Systems が発表した、食材向けの ChefJet です。これまでの3Dプリンターは、材料としてはプラスチックや金属を使った、アクセサリーや工業製品向けでしたが、ChefJet は材料として砂糖やチョコレートなどの食材を...
Finsix aims a shrink ray at laptop power adapters
ノートパソコン用のパワーアダプターは大きくて重いのが悩みですが、それを携帯電話向けのパワーアダプターに使われているスイッチング電源という技術を使って小さくしたのが、Finsix です。この製品そのものも魅力的だと思いましたが、この記事と同時に紹介してもらった、TDKの...
This Is What Happens When A Kid Leaves Traditional Education
米国では義務教育の形が日本とは異なり、親が責任を持って子供を教育する「Home School」という選択肢があります。私から見れば、米国の小中学校はかなり自由だと思うのですが、それでも「画一的すぎる」と感じる親が「Home School」を選択するのです...
7年前の今日、初代iPhoneが発表されました
この記事そのものに何か特別なことが書いてあるわけではありませんが、このタイトルを見た時に 初代 iPhone の発表の場にいることが出来たことを思い出しました。
当時、私はたまたま iPod 向けのソフトウェア・モジュールを提供している小さな会社の外部取締役をしていましたが、その前の年にその会社が Apple と結んだ契約書に...
ヒカキンのCMデビューは、放送と通信の融合の具体化かもしれない
多数の視聴者を持つ「Youtube スター」が世界中に誕生していますが、この境治氏の記事で紹介されている「ヒカキン」もその一人で、HikakinTV チャンネルへの登録者は現時点で94万人、日本語の Youtube チャンネルでありながらこの人数というのは驚異的な数字です...
2014年のはじまりはメディアの変化を思い知らされた
私は常々、テレビの進化は、テレビ自身のスマート化ではなく、視聴者がスマートフォンやタブレットを手元に持つことを前提としたマルチスクリーン化だと主張して来ましたが、この境治氏はコンテンツを作る側の立場から同じことを言っています...
今週のクラウドファンディング:Pocket Drone
Pocket Drone
最近、進歩が著しいのが、ソフトウェアで制御する無人飛行機(Drone)ですが、この Pocket Drone は、値段と性能のバランスがとても良く、GoPro カメラを搭載して空中撮影をするだけのために買っても良いと思える値段(500ドル弱)になってきました...
読者からのご質問・ご意見コーナー
今週は、こんな質問が来ていました。
先週(1/7)号のメルマガの "New Year Resolution"の中で、『UIEvolution を日
本の優秀なエンジニアの誰もが入りたがるような「すごい会社」にする』があり
ましたが、優秀な人材を集める手段の1つに会社の知名度を上げることがあると
思います。
改めてUIEのwebを拝見しましたが、ビジネスモデルとしてはB2Bであると感じま
した。B2BはB2Cに比較して、一般消費者が知る機会が少なく、なかなか知名度を
上げるのは難しいと感じるのですが、何かプランは考えておられるのでしょう
か?(例えばCPUという一般消費者から見て地味なプロダクトを"Intel
Inside"プログラムでインテルの名前を知らしめたようなものとか)
それともう1つ、UIEのプロダクトの中で「koukouTV」がUIEの名前をやや前面に
出した企画のように見受けられるのですが、今後、B2Cも手掛けていくというス
タンスにあるのでしょうか?
とても良い質問をありがとうございます。確かにご指摘の通り、B2B ビジネスの企業にとって、リクルーティングのために知名度を上げることは課題ですが、だからと言って必ずしも B2C ビジネスも手がけなければいけないとは思いません...