2016年、Virtual Reality はキャズムを超える
「締め切りは絶対に守るもの」と考えると世界が変わる

今年の抱負(BHAG):Swipe Vision

年頭に「今年成し遂げたいこと」を考えるのは、頭を整理して人生のプライオリティを決める上で、とても良いことです。

私にとっての今年の目標は、「(去年の末にオープン化した)Swipe を、モバイル向けのコンテンツ配信のデファクト・スタンダードにすること」に尽きます。

簡単ではないことは知っていますが、せっかく目標を立てるのであれば BHAG (Big Hairy Audacious Goal = 困難で思いっきり大胆な目標) でなければならないと、日頃からメルマガなどで起業を目指す人たちに語りかけている私としては、自分にだけ簡単なゴールを設定するにはいかないのです(笑)。

とりあえず去年は、iOS 向けの Swipe Engine をオープンソース化しましたが、Android 版も必要だし、オーサリング環境(Swipe Studio)の開発も急ピッチで進めなければなりません。

当然、コンテンツを作る人たちとのコラボレーションも非常に重要なので、可能な限りオープンな形で協力者を集めて行きたいと考えています。コンテンツを作る人たちに「Swipeのおかげで表現力の幅が広がった」「旧来型のメディアが衰退して行く中で活路を見出せた」と言ってもらえることこそが何よりも大切だし、それがあってこそのコンテンツ・イノベーションだと思うからです。

ということで、BHAG には必須な Vision Statement を書いてみました。

Swipeとは

モバイル端末に最適化されたマルチメディア・コンテンツ体験を提供するべく、最新の技術を使って作られた、オープンなコンテンツ・プラットフォームです。

なぜ新しいフォーマットが必要なのか

小説や漫画は、紙の時代のコンテンツのフォーマットです。2時間映画や30分のテレビ番組というフォーマットは、映画館やテレビでコンテンツを楽しむためのフォーマットです。紙に書かれた漫画をスキャンしただけの電子書籍や、テレビや映画館用に作られた映像などは、モバイル端末には全く適していません。

電子書籍のデファクトスタンダードとなったEPUBは、フローレイアウトを活用した文章中には適していますが、それ以上のことをやるにはページの中に複雑なプログラムを埋め込まなければならなくなってしまっており、進化の袋小路に入ってしまっています。

モバイル端末を通したコンテンツ消費体験は、刹那的・断続的でありながら、同時に継続的でもなければならず、コンテンツのフォーマット(および配信方法)から根本的に変えて行く必要があります。

モバイル向けのコンテンツは、電車に乗っている時、スタバでラテを飲んでいる時などの、ちょっとした隙間時間に楽しめる一口サイズのものでありながら、同時に、そんなコンテンツの集まりが継続的な消費体験として楽しめるものでなくてはなりません。忙しい時には素早く、暇な時にはのんびりと、自分で消費時間をコントロールできるものでなければなりません。

Swipe の特徴

Swipe は、書籍の持つ「ページめくりにより、読者がコンテンツを消費するスピードをコントロールできる」という価値を保ちつつ、映像・アニメーション・効果音などを活用したリッチな表現を可能にする、"Paged Media" という、新しいコンテンツ消費体験を可能にします。

Swipe は、モバイル端末に最適化された宣言型のマークアップ言語を採用しているため、動作を不安定にするプログラムを埋め込むことなく、アニメーションや映像などを活用したリッチな表現が可能です。

Swipe Engine とは

Swipe 言語で記述されたコンテンツを閲覧するためのビューアーです。Swipe はオープンなフォーマットなので、Engine は誰でも、どのOS上にでも作ることが可能ですが、リファレンスとして iOS 向けの Swipe Engine がオープンソースとして公開されています(Android 版も2016年中に公開予定)。

Swipe Studio とは

Swipe Studio は、Swipe コンテンツを制作・編集・配信するためのアプリケーション+クラウドサービスです。脚本→絵コンテ→素材→編集→配信の一連の作業を複数のクリエータたちが協力して行うことが可能です。2016年春には一般公開を予定しています。

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