松坂の投げる球はプレートの上に来ると消える?!

 松坂の初登板での初勝利がこちらでも大きく報道され、同じく米国で働く日本人としてはうれしい限り。一番の褒め言葉は、David Ortizのコメント。

"He reminds me of Pedro [Martinez] when he's pitching," said Ortiz. "He has total control of the game when he's out there, you know what I mean? He's got great stuff. When you watch him on TV, it's like a Nintendo game. He throws pitches that normally pitchers don't throw for a strike. He's got pitches that just disappear when they get to the plate." 【The Official Site of The Boston Red Sox: News: Boston Red Sox Newsより引用】

「Pedro Martinezを思い出させる」とは最高の褒め言葉だが、最後の「彼の球はプレートの上で消える」という表現がなかなか面白い。

 おまけに松坂が出演するナイキのコマーシャルを貼り付けておく。


素直な疑問:数字には四桁ごとにテンを打った方が日本人には読みやすくないか?

Digits_1  中学校の数学授業で「数字は三桁ごとにテンを打つ」ことを教わったときに、手を上げて「何で三桁ごとにテンを打つんですか?」と質問したことがある。「その方が読みやすいでしょ」という教師に、「読みさすさを優先するなら、四桁ごとの方が読みやすい」と食い下がる私。「そうは言っても決まりだから今さら変えられない」という教師に、「そんな役に立たない決まりなんて変えた方が良い」とさらに食い下がるが、「決まりなんだから皆さんはそれを覚えるように。では、次に進みます」と頭から否定されてしまって少し傷ついたことを覚えている。

 今になって考えてみれば、その教師は「確かに君の指摘するように日本人にとっては四桁ごとにテンを打った方が読みやすい。でもね、英語やフランス語などの欧米の言語の場合は3桁ごとにテンを打ったほうが読みやすいんだ。戦争に負けて、欧米を中心にしたグローバル経済圏に取り込まれた日本はそれに従うしかないんだ。不便だけれど我慢してくれ。」と答えるべきだったのだが、そこまでの知識が教師自身になかったのか、単に面倒い生徒だと思われてしまったのか、そんな答えはもらえなかった。

 何でこんな話を思い出したかといえば、「実戦・日本語の作文技術」という本に、三桁ごとにテンを打つ慣例のことを「植民地的三桁法」と批判してあったからだ。「教科書でも四桁法を推進してほしい」と主張する筆者に思わず心の中で拍手をしてしまった。こうやって子供のころに教師に頭から否定されてしまった「素朴な疑問」が、実は全然まとはずれではなかったことをこんな形で発見すると、妙にうれしいものである。


一足先のホワイトクリスマス

White_xmas まだ11月だというのに、突然の初雪。すでにクリスマスの飾りつけが始まっているシアトルの町は、一ヶ月早いホワイトクリスマス気分だ(写真は私の家の玄関先-飾りつけ by 私の妻、配線およびタイマー設定 by 私)。

 雪だと困るのが交通渋滞。雪が降るのは毎年のことなのだが、それにもかかわらず準備不足で立ち往生してしまう車が必ず何台かいるため、いたるところで交通渋滞が発生するのだ。

 雪が積もる前に、妻が朝一番でDiscount Tireに行ってレクサスのタイヤをスノータイヤに履き替えてきたので、とりあえず足は確保。こんな日はBMは運転しないに限る。

 ちなみに、クリスマスにはこのレクサスでモンタナまで行くため、万が一のためにDiscount Tireでチェーンを購入。すると店員が、「冬の間使わなかったら返品に来ていいよ。」と言ってくれる。

 日本と違って、原則として生鮮食料品以外はどんなものも返品がOKという商習慣の米国では、タイヤチェーンのように「万が一の場合だけ必要なもの」は、必要かも知れないとき(例えばスキー旅行前)に購入しておき、必要がなくなったら返品する、ということが平気でできるので便利だ。

 このシステムを悪用すれば、高価なネックレスをパーティの前に購入しパーティの間だけつけて次の日に返品する、旅先でゲーム機を買ってさんざん遊んだ後に帰り際に返品する(ただしゲームは開封してしまったら返品できない)、最新式のデジカメはとりあえず買って数日遊んでから返品する、などといったセコイことができるのだが実際にしている人がいるかどうかは知らない。そういった大胆なことのできない私は、せいぜい冬の間のタイヤチェーンに適用するのが精一杯だ。

 ちなみに、ついでなので英語うんちくを披露すると、店先に書いてある"no question asked"とは「返品の際に理由は問いません」、という意味。逆に、"all sales are final"と書いてある場合は「返品不可」という意味。最近はほとんどの店が、"no question asked"の原則でビジネスをしているが、在庫処分のために大幅に値引きしてある見切り商品に限っては"all sales are final"にしてあるケースが多いので要注意だ。


「Why?」と言えない日本

Grasshopper  先日、たまたまティーンエージャー(13~19才)の子供を持つ親のための講習会に出る機会があったのだが、そこで『二つのWhy』という話を聞いた。日本語にも若干通じる部分があるので、今日はそれに関する英語うんちく。

 その講師は、親はティーンエージャーの「Why」には二種類あるので注意すべき、と主張する。一つは単なる質問の「Why」で、この場合は普通に答えて良い。もう一つが、こどもが自分が何かを拒否したい気持ちを伝えたくて「Why」と言っている場合。この場合に、その気持ちを理解しておきながら、理屈だけで納得させようとすると泥沼にはまってしまう、と指摘するのだ。

 良い例が登校拒否のこども。親が「学校に行きなさい」というと「なぜ学校にいかなければいけないの?」と言い返してくる。そこで親としてはつい「ちゃんと学校を卒業しなければ、ちゃんとした会社に就職できないんだよ」などと答えて説得を試みたくなるのだが、そうすると「どうしてちゃんとした会社に入らなければならないの」とさらにつっかかってくるのがその年頃の子供である。そんな彼らのペースに乗せられていると、いつの間にか本題から大きくはずれた「人間の幸せとは何か」みたいな禅問答になってしまうのだ。

 その講師に言わせると、そんな時には「そうか、学校に行きたくないのか。なぜ行きたくないんだい?」と、まずは子供が本当に訴えたかった点をこちらがちゃんと理解していることを示してあげた上で、会話を続けることが大切なのだそうだ。

 この話を聞いていて思い出したのが、アメリカ人の上司を初めて持った時に"Why don't you ~?"という言葉を文字通りの質問と誤解してしまってかなり無駄に不愉快な思いをしてしまったこと。

私「週末ぶっとうしで働いてきて、頭がフラフラだよ。」
上司「Why don't you take a break?」

 これを、「どうして一息入れないんだい?」(take a break = 一息入れる)と文字通りの質問として受け取ってしまった私は、「仕事がたくさんあるから週末働いていたことぐらい知ってるだろう。くだらない質問するな!」と心の中で怒りまくっていたのだが、しだいに英語に慣れてくるにつれ、「Why don't you ~?」はどちらかというと「~したらどう?」ぐらいの意味だということがだんだん分かってきた。つまり、上の会話は、

私「週末ぶっとうしで働いてきて、頭がフラフラだよ。」
上司「少し一息入れた方がいいんじゃない?」

というごくごく普通の会話なのだ。

 こう考えてみると、同じWhyでも色々とあることが分かる。

Why do I have to go to school? (拒否のWhy)
Why don't you take a break? (提案のWhy)
Why are you Romeo? (感嘆のWhy、by シェークスピア)
Why is this car so f***ing slow? (悪口のWhy)

 ちなみに、外交ベタの日本人の中でピカイチの交渉力を見せた白州次郎は、何かにつけて"Why?"とアメリカ人に食い下がり、"Mr. Why"と異名をとったらしいが、そんなWhyを使いこなせる人が今の政治家や官僚にいるのかいささか心配である。

 「なぜアメリカ軍の基地の移転費を日本が三兆円も負担(参照)しなければならないんだ?」とブッシュに食い下がる根性のある人がなぜ日本にはいないのだろう?


シアトル住宅事情、今はやりの「メディア・ルーム」

 今月の初めにラスベガスで開かれたCES(Consumer Electronics Show)での主役は、「HDTV」だったのことは各メディアが既に報じたところだが、プラズマ対液晶(そしてSED)の戦いばかりが目に付く日本と違い、米国で意外に重要な役割を果たすのが実は家庭用プロジェクターである。

 アメリカの昨今の住宅事情を理解していない日本人からしてみれば、「プロジェクターなんて部屋を暗くしなければ見れないし、プラズマTVや液晶TVで十分じゃん。アメリカの家はでかいから、50インチとか60インチのTVが売れるに違いない」と思っても仕方がないところだ。

 しかし、今アメリカの富裕層に売れているのプラズマTVのサイズは、実は42インチぐらいなのである。富裕層向けに「良いものを安く売る」ので定評のあるCostcoに行くと2000~3000ドル程度(20万円から30万円ぐらい)のTVが飛ぶように売れている。日本よりはるかに住宅事情が良く、広い家に住んでいるはずのアメリカ人が、なぜ42インチのプラズマTVで満足してしまうのだろう。

 それには二つの理由がある。一つは、日本の住宅で言う「茶の間」もしくは「LDK」に相当する、ファミリー・ルームの構造である。そこにはアメリカ人にとっての「暖かい家庭」の象徴、暖炉がかならずと言って良いほどあるのである。私の家でもそうなのだが、ファミリールームの一番TVを置きたい壁の真ん中に暖炉がデンと構えているため、意外とTVを置けるスペースが狭いのだ。私の家の場合、しかたがないので暖炉の上にプラズマTVを取り付けることにしたのだが、そこにはちょうど42インチのプラズマTVしか収まらなかったのだ。

 もう一つの理由が、映画・TV鑑賞専用の部屋、メディア・ルーム(media room)の普及である。普及とは言っても、まだまだ1ミリオンダラー(一億円強)を越すような大きな家にしか付いては来ないのだが、景気のけん引役である富裕層にはものすごい勢いで広まっている。そうなると、逆に50インチや60インチではぜんぜん不足で、80インチとか100インチのスクリーンが欲しくなり、結果としてプロジェクターを使うことになるのだ。CESでは、InFocus という会社が家庭用のHDTVプロジェクターに力を入れているのがとても印象に残った。

 ちなみに、下の写真はシアトルの不動産広告(参照)で見つけた今販売中の家のメディア・ルームの写真。オーナーの遊び心で、あたかも映画館のような入り口を作ってあるが、あくまで個人用の住宅のメディア・ルームである。

Media_room1Media_room2


Intel for Mac、TV コマーシャル

Intel_mac  Intel チップ搭載の Mac 発売を記念して Intel がAppleがIntel の協力を得て(注)作ったテレビ・コマーシャルが Apple のサイトで公開されている。「2001年宇宙の旅」をも思わせる美しい映像とともに流れるナレーションにこめられたメッセージが消費者の心にどのくらい届くのかが楽しみだ。長いこと3~4%のマーケット・シェアで留まっていたアップルだが、今年こそは5%の壁(もしくはキャズム)を乗り越えてくれそうな予感がする。

 Intel Chip for Mac TV コマーシャル

 できることなら、自分の耳で聞いて直接メッセージを受け取っていただきたいところだが、英語の不得意な人のために、何と言っているかを下に書いておく。

"The Intel Chip. For years, it's been trapped inside PCs - inside dull little boxes, dutifully performing dull little tasks ... when it could've been doing so much more."

"Starting today, the Intel chip will be set free - and get to live life inside a Mac."

"Imagine the possibilities."

been trapped inside ~ = ~の中に閉じ込められて
PCs = Windows パソコン (ここでは IBM PC コンパチの Windows パソコンのこと)
dull = 退屈な、つまらない
dutifully = こつこつと、ひたすらに
when it could've been doing ~ = ~できたはずなのに(仮定法)
be set free = 自由になる、解き放たれる
get to live life = 本来の生き方をするようになる
imagine = 想像する
possibilities = 可能性

【注】 Apple Insider によると、アップルが作ったこの TV コマーシャルに含まれた Windows マシンを揶揄するメッセージに Intel が難色を示しているらしい。


Mr. & Mrs. Smith に子供が…

Jolie  今朝のトップニュースは、Intel チップ搭載の Apple マシンのことだろうと期待してモーニング・アメリカを見ると、そのニュースは以外とあっさりと流してすかさずゴシップネタに。このブログでも何度も取り上げている「Mr & Mrs. Smith」(参照)で競演したブラピとアンジェリーナの間に子供が出来たとのこと(まだ妊娠中)。雑誌 People のスクープらしい(参照)。この映画、日本ではまだ公開中なので、配給元としては願ってもないニュースだ。

 Poeple によると、 ブラピは既にアンジェリーナの連れ子二人を養子にしており、既にアンジェリーナとは co-parent という関係だそうだ。ひょっとすると、今度の子供が生まれても、(「できちゃった婚」はせずに)そのまま co-parent の関係を続けるつもりかもしれない。

 もし彼らがこのまま結婚せずに co-parent の関係を続けるとしたら、経済的に独立したカップルの結婚に代わる新らしい共同生活の形として認知され、そのうち一般の人たちにも広がってしまうかもしれない。一方では、「同姓のカップルの結婚を認めろ」という声が高まる同じ米国で、離婚にまつわる金銭的なトラブルを避けるための co-parent という新しい形を模索するカップルもいたりするところがこの国の面白い所である。そろそろ宗教的な意味での結婚と、経済的な意味での結婚を別に扱うべき時代が来ているのかもしれない。「愛は誓うけど財布だけは別よ」ということか。


Web 2.0な人たちへの英語勉強法:podcast編

051009_123053  アップルが発表してから遊びたくて仕方がなかったのが podcast。特にiPod nanoを入手してからはなおさらだ。しかし、残念なことに私には音楽を作る才能もないし、社内会議を公開するのに社員に賛成してもらえるとは思えない。それならば、クリエイティブ・コモンズでライセンスされている音楽でも見つけて独自のラジオ番組でも作るかな、と考えたいたところに、梅田望夫さんが絶好のエントリーをしてくれた。

Web 2.0時代を生きる英語嫌いの若い人たちへの英語勉強法:リスニング編

 かつての同僚のAdam Bosworthのスピーチを車で聞くのも良かろうとダウンロードの準備をしているとき、気が付いた。このサイトのコンテンツはクリエイティブコモンズでライセンスされているではないか。つまり、オリジナルのpodcastを作るのに絶好のコンテンツなのである。

 そこで、さっそくpodcast用のRSSフィードを作って、iTunesにドラッグドロップしてみた。ちゃんとダウンロードが始まるではないか。初のpodcast作成、大成功である。

 ということで、そのpodcast作品をここで公開する。iTunesを立ち上げておき、下のリンクをドラッグしてiTunesにドロップすれば、ダウンロードが始まるはずである。Enjoy Podcasting!

http://satoshi.blogs.com/raw/web20.xml


Googleに就職面接に行く前に知っておくべきこと

Gas  CNet Japanを見ていて気がついたのだが、Googleが積極的に日本でエンジニアをリクルートし始めた(参照)。優秀なソフトウェアエンジニアがハードウェア企業にばかり就職してしまう日本の現状を打破するのには、良い特効薬かもしれない。

 そこで、マイクロソフト本社でエンジニアの面接をしてきた経験を生かし、「私がGoogleの面接官だったら」という設定で、どんな人を採用したいかをGoogleの立場に立って述べて見たいと思う。

 まず何よりも大切なのは、「Googleで働きたい」、という強い気持ち(Passion)である。「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるが、その仕事にどのくらい夢中になれるかがエンジニアの生産性を考えた上で最も重要なファクターの一つであることはどの面接官も知っている。すると、「今の仕事がつまらない」、「上司がいやな奴だ」、「今の仕事がきつい」などのネガティブな理由ではなく、「Googleがあんなに面白そうなことを自分抜きでやっているのは許せない」、「今起こっているウェブのイノベーションに関わらずにはいられない」、「私だったらもっとすごいことをやってやる」という意気込みで面接に来たエンジニアを採用したいのは当然である。

 次に大切なのは英語でのコミュニケーション(Communication)である。GoogleやMicrosoftは「アメリカの会社」ではなく「グローバルな会社」である。そういった企業は、世界中のトップクラスのエンジニアを採用して、世界一のもの作ってをグローバルな市場に向けてビジネスをしようとしているのだ。当然、アメリカ人だけでなく、インド人、中国人、イスラエル人など世界中の人たちと仕事をしなければならないので、共通語である英語は必須である。どんなにエンジニアとして優秀であっても、英語で満足なコミュニケーションが出来ない状態でこういったグローバルな企業に入っても、会社全体にインパクトを与えるほどの良い仕事をすることはとても難しい。

 最後に絶対はずせないのが 生の知性(Intelligence)である。GoogleもMicrosoftと同じく、面接の際に「あなただったら富士山をどう動かしますか」のような難問を出すことで知られているが(参照)、面接官の求めていることは「正しい答え」ではなく、答えにたどり着こうと努力をする過程で見せる知性や論理的な思考のプロセスである。この手の質問をされた時に、じっと黙ってしまったり、「できません」と答えるのは得策ではない。とにかく何でも良いから頭に浮かんだことを素直に口に出して、そこに面接官が知性を読み取ってくれることを期待するしかない。例えば、この問題を出された時に、「少しずつ崩して移動したらどうかな?」と思ったら、そう口に出すべきである。正しい答えにたどり着こうとするばかりに「でも、それじゃあ原型をとどめないからダメだろう」と勝手に思い込んで押し黙っていては、面接官には何も伝わらない。

 つまり、Googleは、「プログラミングが大好きで、ウェブのイノベーションに関わりたてしかたなく、英語でコミュニケーションが出来て、ものすごく頭の良いエンジニア」を探しているのである。キーワードは Passion、Communication、Intelligence である。こう書いてみると、この条件は私の会社(UIEvolution)の採用条件とまったく同じであるが、それは偶然ではない。世界のIT企業は、どこもこんな人材を探しているのである。

 どの条件も一夜漬けで身に付けられるようなものではないが、日本人が一番不得意なのが英語でのコミュニケーションある。ラッキーなことに、努力さえすれば誰でも習得できるのも英語である。理科系の学生であれ、転職を考えているエンジニアであれ、自分のグローバルな人材市場での価値を高めるためには英語が必須だということを今こそはっきりと自覚すべきである。そのためにだったら、1~2年休学や休職してでも勉強する価値があるのが英語である。


『Vista. Not』って何だ?

041029_180323  今日は、サンノゼに出張なのでブログを書かずに寝ようと思っていたのだが、面白い誤訳を見つけてしまったので、英語うんちくを一つ。

 IT Media の記事、「『Vista. Not』に感動!」を読み始めたのだが、題名がどうも理解できない。読み進むと、マイクロソフトの新しいOS、Vista の批判記事らしいことは分かるが、「Vista. Not」が何なのかは最後まで読んでもわからない。

 そこで、元の英文記事を見てみると、タイトルは「I am So Excited by Microsoft Vista. Not.」ではないか。ここで、日本語のタイトルが誤訳だったことが判明する。文の後に、一瞬間を置いてから"Not"と言って文全体を否定する表現方法は、10年ぐらい前に Wayne's World という映画を中心に流行った言葉遊びである。私ぐらいの年齢の人であれば、日本でも、30年ぐらい前に、語尾に「ウソブー」とつける言葉遊びが流行ったのを覚えているだろう。

 つまり、その表現を使えば、

「Vista に感動。ウソブー!」

となるのである。考えて見ると、この手の言葉遊びは過去色々あって、

「Vista に感動。なんちゃって!」 (なんちゃってオジさん)
「Vista に感動。のハンタイ」 (バカボンのパパ)

なども私の世代には通じる。今の世代なら、どういうのだろう。

「Vista に感動しなくなくなくない?」
「Vista ってビミョー」
「Vista に感動。うそぴょん!」 (←ブクマ・コメントで指摘されたので追加)

あたりだろうか。マイクロソフトも頑張って、「Vistaってヤバイ」と言われるように努力しなければならない。