焼き豚対決

 ピザストーンを使ったバーベキューグリルでの焼き鳥の成功(参照)に調子に乗った私が今度チャレンジすることにしたのが焼き豚。それも、タレの中で煮込む簡易焼き豚ではなく、タレに一昼夜漬け込んだ豚肉を遠赤外線でゆっくりと時間をかけて焼くという本格的な焼き豚だ。

 しかし、いそいそとタレに肉を漬け込む私を見た妻が、「それってオーブンで焼いた方がおいしんじゃない?」と言ったときから戦いは始まった。「いやいや、焼き鳥があれほどおいしく焼けるんだから、やはりバーベキューグリルだよ」と主張する私と妻の意見は平行線をたどり、結局、肉を二つに分けて、まったく同じレシピでどちらがおいしく焼けるかという「焼き豚対決」をすることになった。

 ただし、条件を出来るだけ同じにするため、オーブンの方もピザストーンと同じくセラミック製のLE CREUSETのBaking Dishの上にバーベキュー用の串を使って豚肉を吊るす形で焼くことにした。

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 温度設定の出来るオーブンの方は350度F(約180度C)、バーベキューグリルは弱火で、どちらも約二時間、時々タレをハケでつけたり裏返したりしながらゆっくりと焼いて完成したのがこれ。

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 平らでキツネ色に焼けている方がバーベキューグリルで焼いた方、丸く縮んでいる方がオーブンで焼いた方、である。見た目ではバーベキューグリルで焼いた方がおいしそうだ。そこでさっそく試食(というか、これが今日の夕ご飯のおかず)。

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 左がバーベキューグリルで焼いたもの、右がオーブンで焼いたものである。食べてみると、やはりバーベキューグリルで焼いた方が脂がのっている。しかし、オーブンで焼いた方も、脂は落ちているものの肉はとろける様に柔らかく、決して引けはとらない。

 「どっちもおいしいね。でも、どちらもおいしいなら手間がかからないオーブンの方がいいわね。」と早々と勝ちを宣言してしまう妻。言葉に詰まっている私に、「オーブンの方が光熱費もかからないし」と追い討ちをかける妻。「でも、バーベキューグリルだったら10枚ぐらい同時に焼けるし」と意味のない言い訳をする私。

 対決には負けてしまったが、おいしい焼き豚が食べられたので結果オーライ。残った焼き豚で明日はチャーシューメンだ!


ついにおいしい焼き鳥の焼き方をマスター

Yakitori シアトルの短い夏に欠かせないのがバーベキュー。そして、肉を焼くのは私の役目。牛肉を焼くコツはあっさりとマスターできたのだが(強火で両面を一気にあぶってから、じっくりと火を通せばよい)、鶏肉を上手に焼くのはなかなか難しい。鶏肉から落ちた油に火がついて真っ黒になってしまったり、火を通しすぎて肉のうまみがなくなってしまったりするので、手間がかかる上に、味が安定しないのだ。

 ところが、ひょっとした偶然からおいしい鶏肉の焼き方、それも焼き鳥に最適な焼き方をマスターしたのだ。そこで、今日は「バーベキューグリルで焼き鳥をおいしく焼く裏技」を披露する。

 秘訣は「ピザ・ストーン」(「ベーキング・ストーン」とも呼ばれる)。厚さ15ミリ、半径30センチぐらいの円形のセラミックの板である。本来は、オーブンでピザをおいしく焼くためのプレートなのだが、これが焼き鳥にピッタリなのだ。

 この板をグリルの網の上の乗せ、強火でアツアツに熱したところに、串に刺した鶏肉を(なんらかの仕組みで)板に触れないように数センチ離して置き、グリルのフタをしてそのまま強火で10分ほど加熱するだけで良い(途中で串をまわす必要はない。ただし、タレで焼く場合は、5分後と焼き上がりの寸前にタレをハケなどで二度塗り・三度塗りしてやるとよりおいしくなる)。こうやって焼くと、たいした手間もかけずに、安定して外が香ばしく中がジューシーな、とてもおいしい焼き鳥が作れるのだ。

 ちなみに、この板は、そもそもタンドーリ・チキンを焼こうと思って用意したもの。タンドーリ・チキンは熱した素焼きの壺の中で焼くので、それを再現しようとしたのだが、試しに一緒に焼いてみた焼き鳥があまりにもおいしかったので、焼き鳥専用の板に昇格したのだ。

 科学的に解説すれば、このおいしさの原因は熱せられたセラミックの板から出る遠赤外線。備長炭で焼いた焼き鳥がおいしいのと同じ原理だ。

 さっそく友人を招待して食べてもらったのだが、彼いわく、「これで引退しても『焼き鳥屋』で生きて行けますね」。最高の褒め言葉である。


サッカー選手のワザ、ゴルファーのワザ、じゃあ、プログラマーは?

 少し前に、「世界のワールドカップCM集」というエントリーを書いたが、その時に見つけたビデオの一つに、どう考えても特撮としか思えないようなワザを見かけたので、サッカーに詳しい知り合いに真偽のほどを尋ねたところ、「本当に出来る人がいるらしい」とのこと。まずはビデオを見て欲しい(真ん中の矢印をクリックするとビデオが始まる)。

 これはすごい。ちなみに、これで思い出したのはTiger Woodsを使ったNikeの広告。日本で放映されたかどうかは知らないが、米国のゴルファーの間ではかなり評判になった。

 ちなみに、プログラマーが30秒ぐらいで人に見せられるワザというのはあるのだろうか?「Hello World」を30秒で作って見せろといわれれば出来るが、そんなことはタイプ打ちさえ早ければ誰でもできる。そうではなくて、見た人に「おお、プログラマーってスゲェ。俺には出来っこネエ。」と言わせるような何かである。

 誰か思いついたら、ぜひともビデオに収めてYoutubeにアップロードした上で、トラックバックなりコメントで教えて欲しい。


Cooper River Salmon

060529_111943  今週末は月曜日が Memorial Day で休みの三連休。本来ならばこの週末あたりから、本格的なアウトドア活動を始めるのが多くのシアトルの人たちの楽しみだが、今年はあいにくの雨。仕方がないのでコスコに買い物に行くと、Cooper River(カッパー川)のサーモン(鮭)が大量に入荷しているではないか。

 Cooper Riverは、ここ数年、「最高級の鮭の採れる川」としてシアトル近郊で急速にブランド力を増しているアラスカの川の名前。5月の中旬に解禁になると同時に、シーフードレストランは特別メニューを提供して客単価を上げることに必死になるし、スーパーは大量に入荷して一気に売りさばく。

 「みごとなマーケティング戦略だな」と思いつつ、この手の季節ものには弱い私達夫婦も一尾分買い求める(約3ポンド、1.5キロ)。

 とうてい一度には食べきれないので、まずは半身をバーベキューにする。去年までは塩コショウで焼いていたのだが、今年は少し趣向を変えて、塩だけで焼くことにしてみた。それも、たっぷりめの塩を両面にふりかけ、冷蔵庫で4時間ほどラップをせずに置いておいてから焼く、という懲りようだ。

 焼き方も、焼き網の上に直接置かずに、焼き網の上に石を並べ、その上に更に別の焼き網を置いてその上で焼くという「遠火の強火」。遠火過ぎたのか焼くのに45分もかかってしまったが、出来上がった「鮭の塩焼き」は絶品。だし醤油をかけた大根おろしと、炊き立てのご飯と一緒に口に含むと、そこには言葉では表せない幸せが広がる。


Happy Thanks Giving

 今週の米国は、Thanks Giving ウィーク。木曜日に家族とか友達が集まってターキー・ディナー(ローストした七面鳥を中心とした夕食)を食べるのがならわし。子供のころに見た「クリスマス・キャロル」でクリスマスに七面鳥を食べる場面を見て以来、クリスマス=七面鳥と完全に思い込んでいたのだが、米国に住むようになってそれが誤解だということに気が付いた。

 今年の Thanks Giving は、近所の家族を招いてホーム・パーティ。それぞれが食べ物を持ち寄る potluck という形式のパーティだ。ちなみに、七面鳥はホストの独断と偏見でチキンで代用した。やはりローストするのはチキンに限る。

 ちなみに、日本でも報道されたかも知れないが、パフィーが New York で催された Thanks Giving Parade に日本人として初参加。こちらのテレビでも放映された。鳴り物入りでデビューした松田聖子もウタダヒカルも完全に失敗した米国市場で、あの(けだるそうな)パフィーがしっかりと成功しているさまは、ある意味で痛快でさえある。

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不惑のさんま定食

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 ずいぶん遠回りをしたけれど

 やっと気がついた

 捜し求めていたものが

 こんなに近くにあるなんて

 最近、迷うことなく、「フランス料理のフルコースよりも、最高の神戸牛ステーキよりも、さんま定食が好き」と言えるようになったが、こういうのを「四十にして惑わず」と呼ぶのだろうか。


ブログ用バナー素材プレゼント(アフリカ編)

 昨日のエントリーでも書いたが、せっかく作ったブログ用のバナーがうまく使えなくて悔しい。しかし、せっかく用意した幾つかのバナー様の素材を「お蔵」にしてしまうのはあまりにももったいないので、このブログの読者にプレゼントすることにした(誰も欲しくないかも知れないが^^;)。

 下のサムネイルをクリックすると、640x120ドットの大きさの画像が開くので、それを "Save Picture As..." などのコマンドを使って自分のパソコンにダウンロードしてから自由に使っていただきたい。

 ちょうど著作権関連の考え方の勉強にもなるので、この手の著作物をブログなどで無償配布する際のライセンス方法として、少し前から気になっていた「クリエイティブコモンズ」にのっとって配布することにした。なんらかの形で、このエントリーに対してリンクを張って原著作者(=私)を明確にし、トラックバックをいただければ、自由に使っていただいて結構である。二次加工もOKである。

 ちなみに、この「クリエイティブコモンズ」という考え方は、「シェアウェア」とか「フリー画像」などを配布する場合に時々問題となる「どこまでの範囲で自由に使ってよいのか、二次著作物を認めるのか」などを明確にするための手法として作り出された考え方で、ソフトウェアであれ画像であれ、自分の著作物をウェブを通して無料配布しているような人は一度は理解しておくと良い考え方である(クリエイティブコモンズジャパンというサイトも一応はあるが、全てを網羅しているわけではないようなので注意。一番分かりやすいのは解説ビデオだが、残念ながら英語版しかないようだ。英語の勉強だと思って何度か見てみるのも良いかも知れない。)。その意味で言えばブログの文章も無料配布している著作物であり、その二次配布や二次加工をどこまで認めるかは、本来ならばクリエイティブコモンズの手法などを使って明確化すべきことである。

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
上の画像は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。


奥田英雄のサウスバウンド

050725_095145  前回日本に行ったときに発売されたばかりの初版本を買い求めてきた奥田英雄の「サウスバウンド」。「寝る前に数ページ読んでは沈没」方式ではなかなか進まないので、週末を利用して一気読み。

 直木賞受賞作の「空中ブランコ」に伊良部一郎というハチャメチャな精神科医を搭乗させて楽しませてくれた奥田氏だが、この作品にも、期待を裏切らずに、元過激派の上原一郎という一味違うハチャメチャさを持つ主人公を搭乗させてくれた奥田氏には脱帽である。

 原則として小説はSFとミステリーしか読まない私がなぜ岡田氏の小説を好きかなのかを自分なりに解釈してみると、やはりその主人公の魅力に尽きると思う。私自身、まわりの人たちには、マイペースだとか、過激な発言をする奴だと思われているようだが、彼の小説の主人公と比べればかわいいものだ。伊良部一郎や上原一郎の奇行を描いた小説を読みながら、「私ももっと暴れていいのかも知れない」と結構本気で思ってしまう私である。

 技術にしろビジネスにしろ、常識だとか他人の目だとかを気にして行動していては、決して新しいものは生まれない。むしろ、常識をうたがってかかって、他人からは「奇行」と言われるぐらいのことをしてこそ、ブレークスルーが起こるのだ。しかし、実際に「奇行」をするにはそれなりの勇気とエネルギーが必要であり、そんな時に良い糧になってくれるのが奥田氏の小説である。


プリンス小林、5年連続でアメリカを制す

Kobayashi 今朝、何気なくESPNにチャンネルを回すと、独立記念日(Independent Day)恒例の「ホットドック早食いコンテスト」の放映中だ。例の「プリンス小林」がアメリカの大男を制して4年連続優勝し続けているイベントだ。

 当然、「プリンス小林」は今年も優勝候補。12分でホットドックを幾つ食べられるかを競うイベントだ。全米の各地から予選を勝ち抜いてきたつわもの達が小林に挑む形になっているが、予選での勝ち抜きで食べたホットドックの数が高々30なので、50を越す記録を持つ小林にまともな戦いが挑めるとは思えない。

 レースは、最初の2~3分ぐらいは小林独特の食べ方(ソーセージとパンを別々に食べる食べ方、番組では Japanese Eating Style と呼んでいた^^;)のために一見出遅れているように見えたが、5分ぐらいから一気にトップに躍り出てからは何の問題も無く独走態勢で49個で優勝。5連覇達成である。

 ちなみに、2位は小林の横で食べていた Sonya Thomas というアジア系のアメリカ人女性。彼女の37個はアメリカ人としては新記録だそうだが、50個を食べることが出来ずに不満そうだった小林にはまだまだ追い付きそうもない。