H7N9 の感染者にはなぜ高齢者が多いのか

中国で発症している H7N9 ウィルスの感染者は、以前の H5N1 ウィルスと比べると高齢者が多い(なぜ若者は鳥インフルエンザにかからないのか)。また、鳥インフルエンザの毒性に関しても、専門家が「(強毒性だった H5N1と比べて)毒性は弱い」と指摘するにも関わらず108人中22人という死亡率の高さは納得がいかない。

これに関しては、香港大学の研究者の「実際の感染者は報告されている103人(注:このレポートが書かれた時点の数値)の倍以上いる可能性がある」との指摘(参照)が興味深い。毒性がそれほど強くないため、体力のある人達は感染しても大した症状に陥らないため、中国政府が把握できていないのだろうと予測している。

しかし、たとえ弱毒性ではあっても、これまで人類に広がったことのないウィルスであるため、毎年流行している「普通のインフルエンザ」と比べて重症に陥る人が多く、その分、死亡率が高くなる点は注意が必要である。

ちなみに、インフルエンザを予防する一番の方法は、出来るだけ頻繁に手を洗うことと、外から帰った時に「うがい」をすることだが、以外に知られていないのが「公共の場所でつり革やドアノブなどを触った後に手で目をこする」ことによる感染。

公共の場でつり革やドアノブを触った後にその手を口に入れたり、素手で食べ物を掴むことが良くないことは直感的に分かるが、目をこすることによる「手から目」という感染経路もあることは意外と知られていない。

ちなみに、米国の公衆トイレにはドアの手前にゴミ箱が置いてあるのが一般的だが、これは手を洗った後に水気を拭った紙ナプキンを使ってドアノブを開ける人が近年増えているため。公衆トイレのドアノブが主要なウィルスの感染経路の一つであるとの認識が広まっているからだ。

 

 


宝くじほど逆進性の強い税金はない

少し前に、こちら(シアトル)のラジオで、「貧乏な人ほど、もっとも割の悪いギャンブルである宝くじを買う」というニュースを聞いた。純粋に期待値を見れば、ラスベガス(95〜99%)>競馬・競輪(約75%)>宝くじ(約40%)の順であり、宝くじほど割の悪いものはない。

にも関わらず、宝くじを買う人が多いのは、「一攫千金」の可能性があるから。しかし、一回の賭けでは36倍にしかならないルーレットでも、掛け方を工夫すれば、「勝つ可能性は低いが、万が一勝った時には億万長者になれる」賭け方はあるし、宝くじよりもはるかに期待値は高い。

ちなみに、宝くじの収益は米国でも日本でも大半が地方自治体に入る。「形を変えた」税金なのである。所得税や消費税を増やすことは国民の反感を買うので、現政権にとってとても不利である。しかし、宝くじならば、税金には見えない上に、選挙に良く来るような人(すなわち、期待値を計算出来る人、宝くじ=税金だと知っている人、ギャンブルよりも良い投資先を知っている人、一攫千金など狙わなくても十分な収入や財産がある人)たちは避けるため、宝くじとは現政権にとってとても便利な税金集めの方法なのだ。

そしてその結果、あまり知識の無い人、収入が低い人、宝くじ以外に夢を持てない人たちが、税金とは知らずに、わずかな収入の中からなけなしのお金を使って宝くじを買う、という超逆進性を持つのが宝くじの特徴なのだ。

その上、景気が落ち込むと所得税や消費税による税収は一緒に落ち込むのに対し、景気が悪くなってもそれほど落ち込まない(場合によっては、逆に上昇するケースもある)宝くじは、不景気な時に財政を立て直さなければならない政権にとっては、格好の道具なのだ。

ということで、消費税を上げる代わりに、何を買っても商品の価格の10%相当の宝くじを買わなければならない、という「10%消費者宝くじ」を導入すれば、国民に気づかれずに増税ができると思うのだが、どうだろう→野田総理。導入と同時に、特殊法人消費者宝くじセンターを作って、経産省と財務省からの天下りを毎年受け入れることにすれば、霞ヶ関の人たちも大喜びだ。

冗談はさておき、消費税にしろ、原発再稼働にしろ、すっかりと霞ヶ関の操り人形と化した野田総理。「霞ヶ関のシロアリたちを退治する前には増税しない」という公約(参照ビデオ)はどうなってしまったのだろう?

【参考文献】

 


日経BPが永久機関の話にだまされちゃ困るだろう

 「水からエネルギーを生み出して走る車」の話はあまりにも子供だましなので、スルーをしようと思っていたのだが、日経BPまでが軽率にも報道してしまったために(参照1参照2)、米国の朝のニュースでも報道される始末。

 日経エレクトロニクスの愛読者として日経BPにはいろいろとお世話になっている私だが、今回のは完全なミスなので日経BPのためにも指摘しておきたい。こんな詐欺のような話は頭から無視すべきなのは明々白々。こんなくだらない話を記事にした記者には厳重注意を与えるべき。日経BPとしてこれ以上の権威失墜を避けるためにも、ここから先の報道は控えた方が良いだろう。できることならば、「なぜこの手の永久機関が不可能なのか」を丁寧に解説して、不幸にも誤解してしまった読者を救済すべき。

 エネルギーを使わずに触媒だけで水素と酸素を分解することはできないのは当たり前の話(エネルギー保存の法則)。化学反応を使って水を分解することは可能だが(例えばナトリウム)、その場合は「化学エネルギー」を消費しているわけで、決して水からエネルギーを取り出しているわけではない。

 そもそも「水から発電する新エネルギー」という言葉使いがうさんくさい。日経BPの記者ならば、その言葉を聞いただけで「まやかし」だと見破らなければだめ。「水と空気だけで発電し続けます」という記事のタイトルも完全にミスリード。今回の話が可能であれば、「特殊なバネを使って『石』を高いところに持ち上げて、それが落下するエネルギーを使って発電する『石エネルギー車』」が可能になる。

 まあ、どんな科学の法則でも絶対に覆せないわけではないのだが(ニュートン力学に対する相対性理論が良い例)、ニュートン、アインシュタイン以来の革新的な科学の進歩が、突然大阪のベンチャー企業によって達成されたとは信じがたい。

 ちなみに、どうしても理解できないのがこの「ジェネパックス」社の狙い。ベンチャー企業として投資家からお金を集めようとしているのかも知れないが、ベンチャー投資であろうと全く科学的根拠のないエセ科学をうたって投資家からお金を集めれば詐欺罪は成立するわけで、そんな見え透いた犯罪に、こんなにおおっぴらに手を染めて来るとは考えにくい。作っている本人たち自らが勘違いをしてしまっている可能性がない訳でもないが、なんらかのエネルギーを注入しなければ車が走らないことは本人たちが一番良く知っているだろうから、それもありえないし。

【追記】何人かの人たちに、「すでに永久機関ではないことを認めているから良いのではないか」との指摘を受けたが、私が問題にしているのは、ジェネパックスが使っている「コップ一杯の水が、地球を支えるエネルギーに」「水が生活エネルギーに変わる」「水からエネルギーを取り出す過程で...」という、あたかも「水からエネルギーを取り出す技術を持っている」ように表現している部分。彼らのウェブサイトにある、「発電の仕組み」というアニメーションにも水が触媒と反応して水素と酸素に分かれるという表現があり、これも意図的なミスリーディング(「触媒」という言葉を使っている点に注目)。

 化学反応を利用した水素電池を発明したのであれば、最初からどうどうと「画期的な電池を発明しました」と言うべき。そこを「水からエネルギーを取り出す」という言葉を使っては投資詐欺と指摘されてもしかたがない。


自分で考える前にググっていませんか?

 つい先日、興味深い話を聞いた。ある大学の授業で「デジタル・コンテンツ・ビジネス」というテーマで小論文を宿題として書かせたところ、同じような内容の小論文ばかりが集まったという。その原因を調べたところ、「デジタル コンテンツ ビジネス」のキーワードでググると上位に来る私の過去のエントリーの内容がほぼ丸写しにされていたという。

 日本の学生の勉強に対する態度なんてそんなものなのかも知れないが(それはそれで憂うべき話だがその話は別の機会に)、少し心配になるのがどんな気持ちでその手の「コピペ」をしているのか、という点である。確信犯的に「徹底的に手を抜きたいからコピペしているだけ」ならまだ許せる。私が問題視するのは「自分で考える前にまずググる」習慣であり、「ググれば答えが見つかるにちがいない」という錯覚である。

 暗黒時代とも呼ばれる中世ヨーロッパで科学の進歩があんなにも長い間低迷した原因の一つは、あの時代の人たちが聖書に書いてあることすべてを絶対的な真実として受け入れてしまい、自分で考えることをやめてしまったこと。地動説を主張したガリレオが弾圧されたのも、天動説を絶対的な真実として受け入れて思考停止をしてしまった社会のなせるわざだ(このあたりの話に関しては、「古典力学の形成」に詳しく書いてある。ちなみに、この本は理科系の人たちにとってはすばらしいエンターテイメント)。

 問題は、上に書いたように自分で考える前にググって「手っ取り早く答えを見つけてくる」ことを習慣的にやってきた学生が社会に出た時に、ちゃんと自分で考えることができるのだろうか、ということ。自分で考える努力をせず、ネットで見つけた情報を頭から信じて行動することは、聖書に書いてあることを頭から信じ込んで思考停止をしてしまった中世ヨーロッパの人たちの行動と同じだ。

 ということで、今日のメッセージは「宿題を手っ取り早く終わらせるためにググってコピペするのはかまわないが、あくまで確信犯としてやってほしい」ということ。特に仕事でネットを使う時には、ネットにはでたらめな情報・勝手な意見があふれている、ということをキチンと認識した上で使いこなしてほしいということ。

 難しい問題に直面したときに、自分で考える前にまずググって答えを探してしまっていませんか?ネットで見つけた解決方法をろくに考えずもせずに採用してしまっていませんか?


インターネットが普及すると少子化が進む!?

Birthrate_2
 統計の授業で重回帰分析 (multiple regression)をしてみせなければならなかったので、CIAの発行するWorld Fact Bookから、世界中の国のさまざまなデータを入手して、何が出生率と強い相関関係を持つかを調べてみた。

 入力データは、人口、国民一人あたりのGDP、インターネットの普及率、赤字国債のGDPに対する比率、失業率。この5つのデータすべてを集めることができた113カ国に関して、 「それらの入力データのうち、どれが出生率と強い相関関係を持っているか」を重回帰分析という手法を利用して解析したのだ。

 細かな計算式を見せても退屈だろうから結果だけを書くと、上の5つの入力データのうち、出生率と強い相関関係を持つのは、インターネットの普及率と失業率。

 出生率(人口千人あたりに年間何人子供が生まれてくるか)を、インターネットの普及率と失業率で表すとこうなる。

 出生率=23.6 - 0.235 × インターネットの普及率(%)+ 0.147 × 失業率(%)

 つまりインターネットの普及率が1%上がると出生率が0.235下がり、失業率が1%上がると出生率が0.147上がるのである。

 日本の場合、インターネットの普及率が68.8%、失業率が4.00%なので、上の式から予想される出生率は8.00(人/千人・年)と、実際の数値7.87にとても近い値となる。

   ◇   ◇

 と、ここまでは単純に数字を扱うだけなのでそれほど難しくないのだが、問題はこの結果をどう解釈するか、である。特に注意しなければならないのは、これは単に「インターネットの普及率が高い国では出生率が低い」という相関関係を示しているだけで、必ずしも「インターネットの普及が原因で出生率が低くなる」という因果関係を示しているのではないこと。

 そのあたりに注意した上で、なぜ「インターネットの普及率と出生率との間にこんなに強い負の相関関係があるのか」をいろいろと妄想・議論してみるのも楽しいかも知れない。


理想のパワーナップ・チェアを求めて、その2

 先日の「理想のパワーナップ・チェアを求めて...」というエントリーに対して、いくつかのフィードバックをいただいたが、その結果、なかなか良さそうな候補が二つ見つかったので、ここで報告。

 一つ目は、コメント欄で紹介をいただいたHuman touchのPerfect Chair。木のフレームも皮張りのところも私のイメージ通りだが、完全に平らにならないところがいささか疑問。これはNasaが研究の結果たどりついた"zero gravity"と呼ばれる体に最も負担がかからない姿勢らしいが、実際に試してみない限り信用出来ない。

Perfectchair

 「こんな姿勢で寝心地がいいのかな?」と私が悩んでいると、「同じような形のキャンプ用の椅子をREIが売ってるよ」と妻が指摘してくれたのが、Comfort Lounger Chair。革張りではないが、メッシュなので涼しそうだし、139ドルという値段も「ちょっと試してみる」には悪くない値段だ。

Comfortchair

 ということで、とりあえずはREIのComfort Lounger Chairをしばらく試してみて、この"zero gravity"の姿勢での昼寝パワーナップが気に入ればHuman touchのPerfect Chairにアップグレードを考慮する、という作戦に出ることにした。


春が来ると思い出す...

 シアトルは毎年、この時期になると一週間ほど妙に暖かい日が続くのだが、その時に必ず私を襲うのがクシャミの嵐。軽度の花粉症なので病院にも行かずに、ティッシュペーパーを抱えてこの時期を乗り越える私だが、この時期に思い出すのが小学生の頃に通わされた耳鼻咽喉科。

 医者は私の症状を「アレルギー性鼻炎」と診断し「週三回来る様に」と言う。塾など通っていなかった私は、遊ぶ時間が削られるのがいやで仕方が無かったのだが、「このまま放置すると蓄膿症になって手術しなければいけないかも知れない」と言われた私は手術が嫌なばかりに週三回まじめに通った。しかし、通ったからといって良くなる訳でもなく、毎年2〜3ヶ月かよううちに自然と収まる、ということを毎年繰り返していた。

 その病院の待合室は、いつ行っても鼻を垂らした子供たちで一杯だったことを覚えている。その医者は、ほかの子供たちも「手術」をちらつかせて脅して通わせていたに違いないが、今では確認するすべもない。

 てなことを毎年春になると思い出す私にとって、「耳鼻咽喉科」は春を表す季語。

♪春になると思い出す
  はなたれ小僧でいっぱいの
   耳鼻咽喉科の待合室



「お父さん臭い!」をビジネスのネタにしたベンチャー企業の話

 一年ほど前に、「女の子が『お父さん臭い』と思うのは、自分と遺伝子の形が似ている異性のにおいを不快に感じるという近親相姦を避けるために自然が生み出した仕組みの結果」ということが実験で証明された、というニュースを読んだのを覚えているが(参照)、今回CBSの朝のニュースで報道されたのは、それをビジネスのネタにした、「サイエンティフィック・マッチ」というベンチャー企業の話。ひとことで言えば「科学的相性占いビジネス」。

 表面上は「還元水」と同じく「エセ科学」っぽいところもあるが、この相性占いの元になっている「においで本能的に近親相姦を避ける仕組み」にはそれなりの説得力があり、少なくとも「星占い」よりは信頼性が高く思える。

 ちなみに、この会社によると、DNAが異なるカップルほど、

  1. 相手の自然な体臭が心地よく感じられる可能性が高い
  2. より満足度の高いセックスライフを持つことができる可能性が高い
  3. 女性がオルガズムに到達できる可能性が高い
  4. 女性が浮気に走る可能性が低い
  5. 妊娠する可能性が高い
  6. より健康で免疫力が高い子供が出来る可能性が高い

とのこと。1, 5, 6に関してはそれなりの説得力もあるが、2,3,4は科学的根拠に乏しく、エセ科学に限りなく近い。科学的根拠がある項目の間に、根拠は薄いながらも消費者が飛びつきそうな項目を挟み込んだあたりに、意図的なマーケティング戦略が読み取れる。

 ちなみに、今は50%オフのキャンペーン中で終身メンバーシップが995ドルだという。興味のある人は自己責任でどうぞ。995ドルを節約したければ、最初のデートで相手の汗のにおいをかがせてもらえば良いとも思うが、その行動自体で変態扱いされて嫌われても私は責任はとらないのでそのつもりで。


原点に戻って徹底的に納得するまで理解する

学ぶ時には「原典」に当たる

 たとえば、PerlであればCGI本とかではなく、ラクダ本に当たる、というのがこれの意味するところです。もちろんCならK&R。なぜ原典でなければならないか。それは、原典には、その言語の設計者の意図が書かれているからです。それで、その言語は何が得意で何が不得意なのかもわかる。結果的に易しく「こうやれば出来る」が書いた本よりも、「こういう人向けに作りました」がわかる原典の方が優しいのです。

404 Blog Not Found:私の言語遅延学習法 - 三つのルール+1より引用】

 これを読んで思い出したのが、学生時代に勉強に関して思ったこと。公式とか法則とかをを覚えるのが不得意だった上に、「これはこういう決まりだから覚えておきなさい」と先生から頭ごなしに言われるのが嫌いだった私は、一度理解しようとしたことは自分が納得できるまで(つまり、自分で公式や法則を導けるようになるまで)決して前に進まない、という姿勢を貫くことにしていた。

 炭素に含まれる同位体の割合でなぜ年代が測定できるのかがどうしても理解できずに地学の先生に徹底的にからんだりしたのはそのためだ。

 大人になって気がついたのだが、世の中にはその手のことを理解せずに「暗記」してしまえる能力を持つ人たちがたくさんいるということ。そしてそうやって根本を理解せずに身にまとっただけの知識を元に仕事までしてしまう人までがいるから驚きだ。

 そんな薄っぺらな知識を元にしても結構なんとかなってしまうものだが、そんな人たちはちょっとした例外条件が発生した時などに応用が効かない。本質を理解していれば絶対にするはずがないミスなどをしてしまう。

 その意味では、原点に立ち戻って勉強することはものすごく大切。言語に関して言えば、なぜそうなっているのか、どういう意図でそう作られているのか、などをきちんと理解しているのといないのでは、大きな違いが出る。Rubyに関する入門書は沢山出ているが、やはり読むべき本はまつもとゆきひろ氏自身が書いた「オブジェクト指向スクリプト言語Ruby」なのも同じ理由だ。

【おまけ】

 ちなみに、上にのべた放射性炭素年代測定の原理は中学生ぐらいで教わるので「知って」いる人は多いと思うが、炭素は植物の一部になる前から崩壊をし続けているはずなので、空気中に二酸化炭素として存在する間も崩壊しつづけているはず。にも関わらず、発掘された木片に含まれた放射性炭素の割合を調べるだけでその木片の古さが特定できてしまうのはなぜだろうか、というのが中学生の時に私が抱いた疑問である。単に「炭素の古さ」を調べているだけだったら、その炭素が木に吸収される前の期間が含まれてしまうはず。では、ここで問題です、どうして放射性炭素年代測定で、炭素そのものの年齢ではなく、木の年齢をはかることが可能なのでしょう?


これぞマッド・サイエンティスト

 面白い物理の実験を見せてくれるMITの教授のビデオがYoutubeで大人気だが、これを見て思い出したのは、子供のころは科学の実験の時間が大好きだった私(物理より化学だったが)。自分の家にも実験室を持とうと、小遣いをためては、ビーカー+フラスコ+石綿金網+三脚+アルコールランプと買い集めていたころを思い出す。専門の薬局に水酸化ナトリウムと塩酸を買いに行って「子供には売れない」と断られたのも私だし、木炭を作ろうとしていて部屋の中に一酸化炭素が充満してしまい、「何このにおい!」と母親に助け出されたのも私だ。

 ちなみに、このビデオは落下する水と空き缶だけで発電するという実験。確かにすごい。こんな先生ばかりだったら、科学好きの子供たちが増えるだろうなあ、と。