松下電器産業とスクエニの提携
2006.04.07
まずは、このプレスリリースから読んでいただきたい。
Uniphier上にシームレス・コンテンツの開発および利用環境を共同構築
スクエニが松下電器産業と協力し、スクウェア・エニックスが保有するソフトウェア技術を活用したミドルウェア「SEAD Engine」を、松下電器のデジタル家電統合プラットフォーム「UniPhier」に共同で組み込み、デジタル家電上でのシームレス・コンテンツ利用の技術・ノウハウを構築して行く。
というアナウンスメントである。私の大好きな分野の話なので、本来ならば「シームレス・コンテンツってパーベイシブ・アプリケーションのことじゃん」とか「これって、両社にとってこんな戦略的な意味を持つに違いない」とかツッコミを入れるのに最適なテーマである。
しかし残念なことに、スクエニがUIEの親会社であること、私自身がスクエニのチーフ・ソフトウェア・アーキテクトとしてこのプロジェクトに関わっていること、および、この「SEAD Engine」なるものがこの資料の末尾にも書かれている通りUIEngineの上に構築されていること、を考慮すると下手なことは言えない。私が「これはこんな時期にこんな商品として実を結ぶに違いない!」などと言ってしまうと、それが「インサイダーの発言」として引用されて一人歩きしてしまい、後から「あくまで私見で公式な意見ではありません」と言っても取り返しがつかないことになってしまうから気をつけなければならない。
酒の席で話題が下ネタになった時は、あくまで一般論にとどめておき決して自分自身のことなどは話さない方が良いと思っている私だが、これにも同じポリシーを適用した方が良さそうだ。
ということで、今日はこのくらいにしておくが、あくまで一般論として「シームレスコンテンツとは何か」を理解したければ、このブログの「パーベイシブ・アプリケーションという世界観」、もしくはCNetの「ネット時代のデジタルライフスタイル」を読んでいただければ良いと思う。
また、Uniphierに組み込まれるSEAD Engine上へのコンテンツの開発に興味がある開発者の方々は、当面はUIEngine のSDKで遊んでいただければ良い(ダウンロードはこちら)。SEAD EngineはUIEngineを拡張したものなので、UIEngine上に作ったコンテンツは、キチンと移植性を考慮して開発したものであればSEAD Engineの上でもそのまま動く。UIEngine は既に携帯電話を含めた数多くのデバイスに移植済みなので、とりあえずは携帯電話用のコンテンツの作成に使っておいていただければ、Uniphier+SEAD を搭載した家電製品が世の中に出たときには、そのままコンテンツを持っていくことができるのである。
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