PhotoShare向けAddOnソフト募集

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 先週の金曜日(日本時間の土曜日)に販売を開始したSmallCanvas、PhotoShareユーザーの多くの方々にご購入いただき(そして実際に使っていただき)、大変感謝している。

 無料で提供しているPhotoShareに対する「ご祝儀」の意味も多々あるとは思うが、わずか三日でアクティブ・ユーザー(ユーザー数は未公表)の15%以上の方々にご購入いただけたのは予想を上回る成果。

 まだまだ母体となるユーザー数が小さいので黒字化にはほど遠いが、「無料で提供しているPhotoShareをソシアル・ネットワークの母体として活用するAddソフトをコミュニティーに向けて販売する」というビジネスモデルの確立に向けた第一歩としては悪くないすべりだしだと思う。

 後はユーザーからのフィードバックを(PhotoShareを通して直に)受けながら改良を重ねて、20%、25%、と普及率を高めて行く努力をしつつ、同時にPhotoShareコミュニティそのものを大きく育てて行く、という、とてもシンプルなビジネスモデルだ。

 ちなみに、SmallCanvasをPhotoShareのAddOnアプリケーションとして販売することを決めた段階で、PhotoShareそのものに、SmallCanvasなどのAddOnソフトの広告を表示する仕組みを入れておいた。左の図(各画像の詳細ページ)の、"Powered by (Small Canvas)"という部分がそうだ。

 仕組みはいたって簡単。SmallCanvasからPhotoShareサーバーに画像をアップロードする際に、商品のIDを一緒にサーバーに渡しておき、PhotoShare側でそれを表示する時にそれをAppStoreの販売ページへのリンクへと変換して表示するだけの話だ。

 当然だが、AddOnソフトはSmallCanvas一つで終えるつもりななく、これからさまざまな形の「ユーザーが何らかの創作活動をして作った画像をPhotoShareにアップロードして、そこから生まれるコミュニケーションで楽しむ」というアプリケーションを、社内外の力を作って開発・発売して行きたいと考えている。

 SmallCanvas以外にも、すでにいくつかのプロジェクトは進んでいるのだが、どんなアプリでも開発には1〜2ヶ月はかかると思うので、今のうちにネタを仕込んでいただこう、という願いも込めてパートナー募集要項を書いておく。

【PhotoShareパートナー・プログラム概要】

  • 対象:個人または法人
  • ビジネスモデル:アプリの売り上げからのロイヤリティ(後々はアフィリエイトも考慮)
  • ターゲットデバイス:iPhoneもしくはiPod touch
  • アプリの種類:ユーザーが何かを作ったり達成した後に、その作品もしくはスクリーンショットをPhotoShareに投稿して他のユーザーと共有して楽しめるものならなんでも。例:画像処理、写真加工、画像生成、アート系、育成ゲーム、ハイスコアを争うゲームやパズル、CGM型ゲーム、収集ゲームなど(ただし、画像処理・画像加工系に関してはSmallCanvasも含めてすでに社内でいくつかプロジェクトが進んでいるので、よほどユニークなものでないと難しい)。
  • 応募方法:アプリの実機でのベータテストが可能になった段階でphotoshare(アット)bigcanvasinc.comにメールで連絡。新規アプリである必要はなく、すでにApp Storeで販売しているもの、開発中のものもOK。
  • PhotoShareへの画像のアップロード方法:APIをライブラリで提供(UIImageオブジェクトをUploaderオブジェクトに渡すというもの)
  • 選考基準:「PhotoShareのコミュニティがそれによってもっと楽しくなるか」「有料で販売する価値があるか」「ちゃんと安定して動くか」「メモリーリークは検出されないか」などなど。
  • 応募期間:いつでも

週刊文春とITMediaのインタビュー記事の紹介

 先月日本に帰国していた時に二つほどインタビューを受けたのだが、その二つが記事になったのでその紹介。

 一つは、週刊文春の「仕事のはなし」という記事(左の写真は、PhotoShareユーザーの方が投稿したものを拝借させていただいたもの)。まだ引退もしていないのに自分の経歴の話をするあまり好きでないのだが、聞き手の人がとても上手だったため、肩の力を抜いて色々と話すことができた。自分で読み直しても思うのだが、Windows95やInternet Exploreの開発に関わることが出来たのも、「常に技術の最前線の面白いプロジェクトに関わっていたい」という思いが人一倍強かったのが一番の理由だと思う。飽きっぽくて新しいもの好きの私にとっては、成熟した市場に向けた製品作りより、「これから」という市場で勝負する方が何倍も楽しい。今、iPhoneのアプリを作っているのも全く同じ理由だ。

 もう一つは、ITmediaの「ひとりで作るネットワークサービス:番外編」。ひとりではなくて、増井君と二人で作っているので「番外編」なのだと思うが、このインタビューはまさに現在進行系のPhotoShareに関するものだったので、思いっきり宣伝させていただいた。とても良く書けているインタビュー記事で、ある意味では私の文章よりも会社のビジョンとか、PhotoShareの目指すところとかが良く書かれているので、ぜひとも読んでいただきたい。

 ちなみに、この記事の副題が「PhotoShareで世界を変える」となっているが、それほど大それた言ったわけではなく、「画像によるリアルタイムなコミュニケーションを可能にして、人々のライフスタイルを変えるぐらいのインパクトを与えたい」という思いでPhotoShareを作ったという話である。携帯にカメラが搭載されるようになってもう何年にもなるが、それが人々の生活を変えるほどにはまだまだなっていないと思う。その意味では、まだだま進化の余地がある分野。やるべき・やりたいことはまだたくさんある。


iPhoneアプリ奮闘記:写真がアップロードされ始めた

 iPhone OS 2.0がまだ正式にはリリースされていないため、App Storeからアプリをダウンロードして試すことができるのはβ版を持った開発者だけ。にも関わらず、既に300人以上の人がPhotoShareをiPhoneの上で走らせていることがサーバーへのアクセス解析から分かる。

 実際に2.0がリリースされたら一体何人がアクセスしてくることになるかは想像もつかないので、ある意味で今日はちょうど良いベータテスト。今のところサーバーの調子は順調なようだ。

 こんな形のベータユーザーが増えて妙にうれしいのは、彼らがアップロードした写真を見ること。あくびをした犬の写真から、うたた寝をしているインターンまで、色々と「日常のちょっとしたシーン」を写したものがあり、見ていてとても楽しい。


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