ミイラ取りがミイラになりそうなPhotoShare

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 ポルノ画像騒動、アマゾンS3停止、とサービス開始以来二週間連続で週末が大忙しになってしまったPhotoShareだが、今週末は大きな問題もなく過ごすことができ、胸をなでおろしている。

 相変わらず勘違いをしてヌード画像や水着の女性の写真を投稿してくる新規ユーザーはいることはいるが、導入したフィルターリング機能がきちんと働いてくれている上に、本来の使い方であるライフロギングをしているユーザーの数が順調に増えているので、相対的にコミュニティとして健全な方向に向かっているのがとても喜ばしいところだ。

 人気の写真コーナーを見ても、椅子から滑り落ちた酔っぱらいの写真だとか、あっかんべーをした子供の顔などが並び、そのまったりとした「ゆるいコミュニケーション」が楽しくて、「これではミイラ取りがミイラになってしまう」と思いながら、私自身ついつい見入ってしまう。

 若干気になるのは、相対的に見て、勘違いをしている北米ユーザーの数が多いこと。そもそも、ろくな携帯電話もなかった北米のユーザーにとってみれば、まだまだ「iPhoneで撮影して、その場で他の人と共有出来る」という「常時接続ライフスタイル」は理解を超越した話なのかも知れない。しかし、そこは「常時接続ライフスタイル」を何年も実践してきた日本のユーザーの方々が手本を示してくれているので、時間が解決してくれると楽観視している。

 運営開始後わずか二週間で、一日2000枚もの写真が投稿されるようになったPhotoShare。iPhoneを持っている方々にはぜひとも使っていただきたいのはもちろんのこと、「PhotoShareで遊びたいからiPhoneに切り替える」という人が出るぐらいまで魅力的なサービスに育てたいと考えている私である。


ぜひとも家族の間で使ってほしいPhotoShare

 App Storeでの配布を始めてわずか10日ばかりのPhotoShareだが、たくさんの方々に実際に参加していただいた上に、ブログでも評価していただき、とても感謝している。私が見つけて目を通したものは、すべてブックマークしてあるので、興味のあるかたはごらんいただきたい(参照)。

 その中でも、「PhotoShare作っててよかった!」と一番感動したのがこのエントリー。

よく、デジカメとか携帯とかで、普段の生活で良く写真を・・・という話がありますが、それを、PCに取り込んで、見れるようにするというのが面倒で、最初からやる気もありませんでした。(私としては。写真自体もともと撮らない方だし)でも、PhotoShareだと、アプリ起動→写真を撮る→アップロードが、とても簡単にできます。これなら、ものぐさな私でも、何か見た瞬間にすぐに、撮っておこうと思えます。【K's Garage Blogより引用】

という部分だけでも、「そうそう、面倒で写真なんか撮っていなかった人に撮るようになってほしかったんだよなあ」と歓声をあげてしまいそうだったが、一番気に入ったのが、

SNSになっていて、共有した写真にコメントしたり、あと、家族だけ、友達だけに公開したりできます。私は、家族だけに公開してます。見てるのは嫁だけですが。(見るのは普通のPCからブラウザで見れます)【K's Garage Blogより引用】

という部分。PhotoShareの場合、初めてのユーザーには「全員に公開」と指定された写真のみが見えるため、不特定多数との写真共有が主目的のアプリケーションと誤解されるケースが多いようで、まだまだ家族間・友達間でのプライベートな写真共有の機能を使いこなしているユーザーの数はまだまだ多くない。その意味で、この「私は、家族だけに公開してます。見てるのは嫁だけですが。」というユーザーの声はとても貴重で励みになる。

 ということで、単身赴任中の方でお子さんの育つ姿を毎日でも見たい人は、ぜひとも夫婦でiPhoneを買ってPhotoShareを楽しみましょう!...と、またまた自社広になってしまいました^^;。


いろいろな国の人が参加しているからこそのPhotoShare


 PhotoShareに投稿される写真には色々なものがあるが、やはり見ていて楽しいのは、世界のさまざまなところに済むユーザーからの写真。日本・米国はもちろんのこと、イギリス・ギリシャ・ドイツ・デンマークに住むユーザーの日常をリアルタイムでかいま見ることができるというのは楽しい。「SNSはユーザー自身がコンテンツ」というのはまさにこのことだ。

 ちなみに、iTunesストアのPhotoShareの評価は初日のポルノ騒ぎで地に堕ちていたのだが、強化したフィルター機能のおかげで、評価も着実に上がって来ている。例えば、こんな感じだ。

this is by far one of the better (maybe even best) photo share type app on here. - it's statle. i've yet to have it crash on me yet - lots of users from all over the world. most other photo share apps on here are U.S. centric so you get all the myspace-type-teen-junk that you can easily get all day, any day on the net... here, i'm lookin' at photos from mt. fuji japan, hong kong noodle shop, sunset in west Texas... you get the point - no porn. not that i mind it really but if you got kids with iphones this will probably be a plus

however there are some features i wish they'd add...
- geo tag the photos
- ability to resize the photos in the app

that's about it. enjoy

 確かにいかにもmyspaceから流れてきましたという感じのティーンエージャーの写真もたくさん上がってはいるのだが、それと同時に東京にすむ人のお昼ご飯のカツ丼やらアテネのナイトクラブの様子が混ざっているところに価値がある。まさにこれが世界各国に同時にアプリの流通を可能にしてくれたApp Storeのおかげ。

 「なぜまだまだ絶対量では他の携帯と比べて少ないiPhone向けに作ったのか?」という質問に対する答えの一つはここにある。iアプリやBREWじゃあどう考えても無理。J2ME/MIDPだって各国のキャリアと交渉するだけで一年以上かかる。4月に誕生したばかりのベンチャー企業にとっては、iPhone+App Storeの存在は本当に偉大。


Amazon S3、何も日曜に落ちなくてもいいのに!

Amazon

 「不適切な画像」の投稿などのユーザーレベルでの運用上の問題はいくつか出たものの、サーバー自体はリリース後一週間の間なんの問題もなく稼働していたPhotoShare。今日は天気のよい日曜日なので、家でのんびりしようとPhotoShareで遊んでいると、朝の9時(シアトル時間)を過ぎたあたりからどうも動作がおかしくなる。サービスそのものは稼働しているようだが、画像の読み込みに失敗しているようだ。

 あわてて増井君に連絡をして調べてもらうと、ユーザーから投稿してもらった写真をしまってあるAmazonのS3サーバーが落ちているという。Amazonのウェブサービスのステータスページを見ると、どうやらS3は全滅らしい。

 幸いなことに、ユーザーがPhotoShareにアップした画像は、一度EC2側のアプリケーション・サーバーにキャッシュし、そこから非同期でS3に移すというアーキテクチャになっているため、S3が落ちてから投稿された新しい画像にはアクセスできるので、「最新の画像」のコーナーに何も見えなくなる、ということはない。

 それでも、ユーザーアイコンは表示できなくなるし、「お気に入り」や「人気の写真」などが軒並み全滅なので、既存ユーザーが離れてしまうかもしれないし、新規ユーザーは写真の投稿すらしてくれなくなる可能性もある。リリース後わずか一週間のPhotoShareとしては一大事だ。

 とは言っても問題はAmazon側にあるため、こちらで出来ることはあまりない。仕方がないので、S3へのwrite-throughの部分を一時的にオフにして、とりあえず今日投稿される画像だけは確実にキャッシュした上でS3の復旧を待つことに。

 管理人の私は、ユーザーに対するステータスを15分ごとに報告するぐらいしかできることはない(この報告そのものも画像で行うところがPhotoShareの特徴)。

 「アルファ・ユーザーたちからの写真の投稿がなかったらどうしよう」という気持ちではらはらしながら午前中を過ごしたのだが、正午過ぎにファンの数で1・2位を争う{smash}とMagdalenaからの投稿があり、少し安心する。

 4時半を過ぎたあたりから徐々にS3が復活し始め、それと同時に他のアルファ・ユーザーたちも投稿を開始し、なんとか最悪の事態は避けられた感じではある。

 しかし、Amazonを信頼してPhotoShareをホスティングしてもらっているのに、7時間半もS3をダウンさせてしまうとは困ったものだ。まあ、この手の問題は自分たちでサーバーを管理しても起こりうる話とは言え、こんな風に「自分では何も出来ない状況」に陥る可能性があるのが、クラウドコンピューティングを使う時のリスクであることを再認識したしだいである。

 それにしても、日曜の朝からこれは勘弁して欲しい。ああ、疲れた--;


PhotoShareを一週間運営して学んだこと・感じたこと

 はてなやmixiなどのソシアル・ネットワーク・サービス、ユーザーとしては触れたことはあったが、運営側に立つのは私にとっては初めての体験。わずか一週間の運営の間にも色々な問題点や発見があり、とても刺激的な経験をさせていただいている。

 もっとも強く認識したのは、ソシアル・ネットワーク・サービスはまさに「客商売・サービス業」であること。ソフトウェアは必要条件の一つでしかなく、ソシアル・ネットワーク・サービスをきちんとしたサービスに育てるためには、ソフトウェア開発以外にたくさんやらなければならないことがある。

 コミュニティは健全に育っているか、リーダーシップを取ってくれるアルファ・ユーザーが育っているか、新規ユーザーがとけ込めなくて寂しい思いをしていないか、使い方を勘違いしている人がいないか、どこまでを運営側からコントロールすべきか、などなど。PhotoShareの場合、私自身が1ユーザー兼管理人として、色々な楽しみ方を実践して見せたり、新しいユーザーに話かけたり、とほとんどユースホステルの管理人のおやじのような役目を果たさなければならない。

 ソシアル・ネットワーク・サービスは、ユーザー同士のコミュニケーションが成立してこそ成り立つサービス。その意味では、こんな早い段階から、PhotoShareのアルファ・ユーザーとして日々の生活を写真の形で共有する"real-time life-logging"を実践していただいている皆さんには大感謝である。

 ちなみに、左の写真は、そんなアルファ・ユーザーの一人であるMagdalenaさんが、世界中のPhotoShareユーザーのためにニューヨークの街角でそのあたりにいるあんちゃん二人と一緒にポーズをして投稿してくれたもの。こんな彼女と世界中のユーザーがリアルタイムに繋がってコミュニケーションをとることができるのも、AppleがiPhoneというプラットフォームを作り、App StoreでPhotoShareを世界中に同時に流通させることを可能にしてくれたからこそ可能になったこと。DoCoMoの携帯でしか動かないiアプリはもちろんのこと、J2ME/MIDPだろうとWindows Mobileだろうと、流通コストが高すぎてこんなことは到底不可能である。

 DoCoMoがiモードで、そしてJ-Phoneが写メールで世界に見せてくれた「常時接続ライフスタイル」が、iPhoneをきっかけに一気に世界中に広がろうとしていることをヒシヒシと感じる今日この頃である。
 


J-Phoneのビジョンと常時接続ライフスタイル

 朝起きるて、はてなの注目エントリーを見ると(「はい、また寝間着のままでネットしてました」→妻へ)「iPhoneで共有するPhotoShareのススメ」という解説エントリーを発見。作った私自身が色々と宣伝しようが、結局は我田引水でしかないので、こんな風に実際のユーザーに方に評価・解説をしていただくのは大変にありがたい。

 ちなみに、もっと感動したのがこのブログの一つ前のエントリー。

 何事でもそうなのだが、何かをする方法が簡単になり大勢の人がそれを利用するようになると、その何かは確実に変化していく。写真を写すという行為は、デジタルカメラの登場による撮影手段の多様化、インターネットの登場による写真データのやりとり・共有の容易化によって、いままでとは違うステージに進み、かつては予想もできなかった利用法が生み出されて普及していくに違いない。【目に見える情報を残すという文化の移り変わり - 北の大地から送る物欲日記より引用】

 この「インターネットの登場による写真データのやりとり・共有の容易化によって、いままでとは違うステージに進み...」という部分は、私も強く感じているところで、それがまさにPhotoShareを作った背景でもある。

 J-Phoneが写メールのサービスを始めたばかりの時に、J-Phoneのサービスの担当者の方と何度か会う機会があったのだが、その人が最初の写メール携帯で実現しようとしていたのが、「いつでもどこでもだれでも気軽に写真を撮る」という今まで存在しなかったライフスタイルの実現。

 J-Phone自体はなくなってしまったが、あの「写メール革命」はいまや世界中に広がり、iPhoneにカメラが付いているのも、もとはと言えばJ-Phoneの担当者たちのビジョンがあったからこそ。

 そのJ-Phoneのビジョンを、ほんのちょっとだけ押し進めて「いつでもどこでもだれでも気軽に写真を撮って共有する」というライフスタイルを実現しようというのがPhotoShareの狙い。

 「パラダイス鎖国」とか「ガラパゴス」と呼ばれるほどに「ケータイ・カルチャー」が特異点にまで進化した日本。その日本人がPhotoShareを通じて「本当の常時接続ライフスタイル」を世界に見せることにより、そのカルチャーが世界に広がる、というのが理想型だな〜、と夢を見ている私である。


PhotoShareに関してのいくつかの質問に答えてみる

 作った本人はできるだけ使いやすくしたつもりでも、必ずしも使っている人に通じないのがユーザーインターフェイスの設計の難しさ。わずか4日ほど運営しただけだが、色々なフィードバックが返って来たので、まずはそれに対してここで答えておこうと思う。

1. コメントの入力を日本語でする時に、変換候補がキーボードとかぶってしまい誤入力する

 それなりのテストをしたつもりだったんですが、これに関しては見落としてしまいました。100%私のミスです。TextFieldの位置を少し上にずらしたものをVersion 1.01として、App Storeにはアップロード済みなので、Appleのテストをパスさえすればダウンロードが可能になるはずです。それまでは、キーパッドのできるだけ下の方を狙ってタップする、という方法でしのいでください。

2. 自分の写真にコメントをくれた人の写真を見に行く手段がない

 これも完全な見落としでした。わずか3行のプログラムで実現できるのに実装していなかったのは、ベータテストをわずか3人でしていたから。たった3人しかユーザーがいなければ、コメントをくれたユーザーを探すのは簡単ですから^^;。Version 1.01では、もらったコメントを選択すると、その人の写真一覧が開くようにできています。

3. 最新の写真で見つけた写真を投稿した人の写真すべてを見る手段がない

 これも2と同じ理由で見逃してしまいました。Version 1.01では、各写真の詳細ページの作者の右横にボタンを付けて、それをタップするとその人の写真一覧が開きます。

4. PhotoShareからバグレポートを書こうとすると、キーパッドが下に潜り込んでしまう。

 このバグに関しては、まだ完全には原因が解明できていないんですが、アプリの中でウェブページを開いているためにこんなことになってしまっているようです。お手数ですが、http://bigcanvasinc.com/photo/category/feedbackをブラウザーで開いて、そこからFeedbackを書くようにお願いいたします。

5. PhotoShareで見つけた人を友達として登録するためにはメアドを知らなければならないの?

 これは仕様です。ここの部分は私も悩んだんですが、やはり未成年を怪しい大人たちから守るためには、「メアドを知っているぐらい親しい人以外とはプライベートな関係は結べない」という仕様にしておくべきとの判断です。PhotoShareを少女売春(援助交際なんてなまやさしい言葉は使うべきではない)の道具にはしてほしくありませんから。

 単にお互いの公開写真を見せ合うだけであれば、お互いをフォローしていただければ十分です。友達関係を結ぶ必要があるのは「一般の人たちには見せたくないけど、信頼出来る友達にだけは見せたいプライベートな写真」(たとえば自分が通っている学校が分かってしまう写真とか)がある場合のみです。写真をアップするときに、「非公開」「家族と共有」「友人と共有」「全員に公開」という選択肢がありますが、これが「誰に見せるか」を指定するセキュリティ・セッティングです。そういうプライベートなものへのアクセスをネットで出会っただけで簡単に許してしまうという行動に私自身は疑問を感じているので、こういう仕様にさせていただきました。

 なので、Twitterのようなゆるい関係を持ちたいのであればお互いをフォローしていただければ良いですし、mixiのようなプライベートな関係を持ちたいのであれば「招待」の機能を使って、友達関係を結んでいただきます。

6. フォローの仕方がわからない

 ここは私も少し使い勝手の面で改良の余地があると感じているところですが、今の段階では、その人の写真の詳細ページを開いて、そこにある「(誰々)をフォロー」というスイッチをオンにしていただくことで可能です。たぶん、Version 1.02ぐらいで、その人の写真一覧からフォロー指定ができるようにしたいと考えています。ちなみに、友達関係と違ってフォローは相手の承認は必要ありません(Twitterと同じです)。

7. 「家族と共有」って家族写真を入れるところなの?

 ちょっと違います。これは、「一般の人には見せたくない・見せる必要がないけど、家族とだけ共有したい写真」をアップロードする時に選択します。PhotoShareが目指しているライフスタイルの一つに、「ディズニーランドに子供と遊びに行っているときに、リアルタイムで子供の写真をおじいちゃん・おばあちゃんに見せる」というのがありますが、そんな時に「家族と共有」が最適です。

 

自分の子供の写真を一般公開することが安全でないと考える人も多いでしょうし、「うちの子供のはしゃぎ回る姿をどんどんアップロードしたら他の人が迷惑だろう」と考える人も多いでしょうから、そんな人たちのために用意した機能です。iPhoneを持っていないおじいちゃん・おばあちゃんにPhotoShareにあげた家族写真を見せる、ということも可能なので(PhotoShareから「家族→招待する...」で普通のメアドを指定すれば可能です)、ぜひとも試してください。


PhotoShare向けのプリクラ・アイコン募集

 iPhone向けのPhotoShareは無料で提供しているが、もちろん慈善事業でしているわけではないので、何らかの売り上げをあげる方法を考えなければならない。広告というのも一つの方法だし、機能がたくさんつまったPhotoShare Premiumを有料で売るという方法もある。そういったものも当然考えていかなければならないとは考えているのだが、どうもありきたりで面白くない。「誰もやっていないことをやってこそ価値がある」というポリシーの私としては、何かユニークなことをしたくて仕方がない(日本とか韓国ではアバター販売がビジネスとして成立しているものの、米国の投資家はまだまだそこが理解できていない。ある意味で難しいビジネスモデルではあるが、ある意味ではチャンス)。

 そこで思いついたのは、PhotoShare向けのプリクラ事業に乗り出すこと。PhotoShareにアップロードするときに、貼付けると楽しい色々な画像(ひげ、ハートマーク、感情を表すアイコン、服、髪の毛、目、アバター、キャラクター、吹き出し、などなど)をいくつかセットにして、エディターとともにPhotoShareユーザーに向けてApp Storeを通じて販売するのだ。アニメ先進国の日本には、その手のアイコンを作るデザイナーの方々がたくさんいる。そんな人たちがデザインしたアイコンをPhotoShareを通じて全世界のユーザーに販売するというのは、今までなかったビジネス・アイデアだと思うのだがいかがだろうか。

 ということで、世界のPhotoShareユーザーに向けてさまざまなアイコンを販売したいというデザイナーの方大募集である。すでに色々な素材を持っているからそれを売りたいという方は大歓迎だし、これから作っていただく方ももちろん歓迎だ。ビジネスモデルとしては、用意していただいた素材と私たちが作ったエディターを組み合わせて、PhotoShareのAdd-OnソフトとしてApp Storeで販売し、その売り上げに応じてロイヤリティーをお支払いする、というほぼ出版事業のようなシンプルなモデルを予定している。

 素材は、iPhoneの画面の大きさ(320x480)の写真に貼付けて楽しいもの(フォーマットはアルファチャネルありのPNG)であれば何でも良い(ただし、Apple Storeの規定に従って極端なエロ・グロはお断りする)。あたりまえのことだが、応募した人自身が著作権を所有している必要がある。

 可能なかぎり同じデザイナーによる素材をデザイナーの名前を全面に出して販売したいので、少なくとも25個ぐらいの素材を一度に用意していただけるとありがたい。どうしても無理であれば柔軟に対応させていただくつもりだが、できれば複数の作家のものを混ぜこぜにしたアンソロジーは避けた方が良いと考えている。

 興味のあるデザイナーの方は、"photoshare(あ)bigcanvasinc.com" ((あ)の部分を@に置き換えて)まで、素材へのリンクもしくは素材そのものを添付ファイルとして送っていただくようお願いする。商品化の際には、こちらから連絡させていただく。応募がたくさん来た場合には、すぐに全員に返事ができないと思うがそこはご了承いただきたい。

 まだ始まったばかりのApp Storeを利用したコンテンツ販売。どのくらいの大きさのビジネスになるか想像しにくい部分もあるので、「今の職を辞めてPhotoShare向けのアイコン作りに専念する」ことはおすすめしない。「今まで書きためて来た素材を再利用してちょっとおこづかいがかせげればラッキー」ぐらいの軽い気持ちでコンタクトしていただけると私も助かる。

【追記】開発者向けのプランも企画中なのでお待ちいただきたい。とりあえずはSDKをダウンロードして、Objective-Cの腕を磨いておいていただきたい。もし「何でもいいから作りたい!」という気持ちが押さえられないのであれば、倉庫番やロードランナーのような面が後から追加できるパズルものを作っておくことをおすすめする。そこそこに遊べるものが出来た時点で上のメールアドレスにコンタクトをいただければ、その時までには何か具体的なものが提案できると思う。


PhotoShare二日目、早くもネットアイドルが誕生

 期待のApp Storeが正式にオープンしてからほぼ48時間がたった。PhotoShareの運営も二日目に入り、ユーザー数も順調に増えている。本格的なSNSを運営する側に立つのは初めてなので、色々と学ぶところは多い。

 SNS運営初心者としての、いきなりの失敗は「不適切な画像」に対する対応がまったく準備不足だったこと。そのため、ユーザーからの報告が入っているのにすぐに消えなかったり、それが「Most Popular」に入ってしまったりとの悲惨な状態に。慌てて対処はしたものの、準備不足でユーザーの方々に不快な思いをさせてしまった責任は100%こちらにあり、たいへん申し訳ないことをしてしまった。深く反省している。

 逆に喜ばしいほうの驚きは、たった二日でもう「ネットアイドル」が誕生しつつあること。彼女たち(もしくは彼ら)が日々の生活をiPhoneで撮影して毎日のようにPhotoShareで公開し、それをファンがフォローを使って追いかけて、コメント欄で会話をするという行動パターンが既に作られつつあるのだ(ちなみに、「出会い系サイト」になることを避けるために、個別のメッセージはあえて送れないようにしてある)。

Smash

Magdalena

 もしこんな新しい形の「ネットアイドルの誕生」をリアルタイムで目撃したいとすれば、ぜひともBig Canvas PhotoShareをお試しいただきたい。公式にはPhotoShareは写真の投稿もできるiPhoneのみ対応だが、ROMに徹するのであればiPod touchでも楽しむこともできるらしいので(未確認)、「まだiPhoneの入手ができない・入手に踏み切れないけどiPod touchを持っている」という人はダウンロードを試みてみるのも良いかもしれない(ダウンロードさえ可能ならば走るはずなので)。もちろん、「自分がネットアイドルになりたい」という方も男女問わず大歓迎。自分の写真をアップロードするのが恥ずかしければ、自分のペットをネットアイドルに、というのももちろんありだ。