映画「No reservations(邦題:幸せのレシピ)」

 ラブコメ・ファンとしては絶対に見逃せなかった「No Reservations」。やっと見て来た。「定番ラブコメ」と言ってしまえばそれまでだが、着実に押さえるところを押さえて安心して楽しませてくれるのはやはりプロの仕事。アカデミー賞にノミネートされるたぐいの作品ではないが、デート・ムービーにおすすめの良品。日本では「幸せのレシピ」という題名で公開されるそうだが、この題名でこの映画の面白さが伝わるかどうかは少し疑問。

 ちなみに、この映画を見ていて思い出したのは日本のある老舗のそば屋でのできごと。がらの悪い客が「いつまで待たせるんだ!」となんくせをつけ始めたのでどうなるかと見ていたら、蕎をうっていた店主が出て来て、「蕎は注文を受けてからゆでるから時間がかかるのはあたりまえ。文句があるんならとっとと帰ってくれ」とその客を追い返したこと。感動したのは、その客がすてぜりふとともに外に出てしまってから、他の客が店主に向かって拍手をしたこと。


炭火で焼き鳥!

 去年の夏に「ついにおいしい焼き鳥の焼き方をマスター」というエントリーを書いた私だが、妻が「卓上炭火焼セット」なるものを通信販売で見つけてしまい、さっそく購入。外食があまり好きでない私にとっては、「自宅でよりおいしいものを食べる」方法を開拓することはものすごく大切。

 購入してみたものの、少し苦労したのが「炭」の入手。なんでも合理化してしまうアメリカでは、炭に混ぜ物をして成型した charcoal briquette なるものが普及しており、加工していない普通の炭は普通のスーパーやハードウェア・ストアでは売っていないのだ。幸い、近所のアジア食材店が韓国製のバーベキューセット向けに natural charcoal と称して「炭」を販売していることを発見して入手。

 さすがに室内では使えないので、家の外にあるデッキのテーブルの上にセットして焼きながらアツアツを食べるとそのうまいこと。やはり焼き鳥は炭火焼きにかぎる!

Yakitori


GoogleのCEOと私の共通点

 twitterを試してから、ちょっと思ったことを一言だけ書くという楽しみを覚えたので、ここでも、さっそく(←twitterいらないじゃん^^;)。

 Web2.0 Expoで、インタビュアーに「朝、起きて一番最初にすることは?」と聞かれたGoogleのCEO、Eric Schmidt の答えがこれ。

 「そりゃメールのチェックに決まってるじゃないの。みんな、そうだよね…」

ね、みんなそうなんだから。顔を洗ってからじゃだめなんだよ。→妻へ。

Sf


「冗談じゃない」の大竹しのぶがすごい件について

 日曜日からTBSで放映が始まった「冗談じゃない」。やはり大竹しのぶはすごい。何をやらせてもすごい役者だが、この手のコメディになると際立つ。織田祐二はあいかわらずだが、彼女の演技を見るためだけでも見る価値のある番組。

 ちなみに、第一話の再放送を21日(土)の14:00からすることが決まったそうなので、見逃した方はぜひ。しかし、シアトルに住む私がこんなことを書く時代になるとは…。それもこれもSlingboxのおかげ。


ドライ・エージド・ビーフ(乾燥熟成牛肉)

 シアトルに来たばかりのころは「アメリカの牛肉はまずい、牛肉は日本に限る」と言っていた私だが、最近は少し違う意見を持っている。一つの原因は最近の日本の牛肉が私の口に合わなくなってきたことであり、もう一つはアメリカでおいしい牛肉料理を食べる方法を発見したことにある。

 まずは一つ目の「日本の牛肉の変化」の話だが、ここ15年ほどで日本の牛肉の「霜降り嗜好」が極端に進みすぎたと感じているのは私だけではないはずだ。どの畜産農家も、マスコミが作り上げた「霜降り=高級」のイメージに踊らされて、霜降り牛の生産にいそしんだおかげで、消費者のニーズを通り越した「脂の乗りすぎた」牛肉を作り出しているように思える(まさに「イノベーションのジレンマ」だ)。脂がたくさん乗った「特上牛肉」は確かに口の中でとろけるほど柔らかくておいしいが、そう感じるのは一口・二口だけで、そんな肉を一人前食べると胸焼けがしてしまう。日本で「しゃぶしゃぶ」や「焼き肉」を食べるときに、私が「特上」をあえて避ける理由はここにある。「上」ぐらいの牛肉の霜降り具合の方がずっとおいしいと思う。

 二つ目の「アメリカの牛肉のおいしい食べ方の発見」だが、アメリカでおいしいステーキを食べるには、リブ・アイ(日本ではリブ・ロース)を買ってきて、自分好みの焼き加減に焼いて、醤油と大根おろしで食べるのが一番良いとは前々から知っていた。それでも最近までは、日本のおいしいステーキにはどうしても勝てないと感じていたのだが、ごく最近になって、ある種類の牛肉に出会って見方を変えた。それがドライ・エージド・ビーフ(乾燥熟成牛肉)だ。

 ドライ・エージド・ビーフとは、特別な冷蔵庫の中で20~40日間ほど乾燥することにより肉本来のうまみを引き出した牛肉のことである。手間もかかるし、水分の蒸発で重量が減ってしまうため、通常の牛肉より3~4割ほど高いが、そのおいしさは格別である。

 シアトルのWhole Foodsだと、ドライ・エージド処理をほどこしたリブ・アイだと1ポンドあたり約20ドル(約2400円)。他の牛肉と比べるとかなり高いが、それでも日本円に直せば、100グラムあたり500円程度。デパ地下の高級牛肉よりもずっと安い。

 昨日は、このドライ・エージド・リブ・アイを薄切りにして、鉄板の上で両面を軽く焼いて「大根おろし」と「だし醤油」で食べたのだが、脂の乗り具合といい、柔らかさといい、格別。ご飯がすすむ!

【追記】ちなみに、ドライ・エージド・リブ・アイ・ステーキを食べさせてくれるレストランを麻布に発見。約1ポンドのステーキが8000円だそうだが、通常3割と言われる原価率から計算すれば、妥当な値段だろう。日本人のお腹に合わせて、250グラムぐらいにすれば良いと思うのだが…。


クリスピー・クリーム、行列を作りたがるのは人間の本能か

 新宿のサザンテラスに開店してからもう二月ほど経つのに、相変わらず熱狂のおさまらないクリスピー・クリーム。平日の朝から二百人以上が並んでいる。

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 ところが、すでに熱狂のおさまっている米国の店(これはSalt Lake Cityの店)では、行列どころか「閑古鳥が鳴いている」という表現がぴったりな感じである。

Saltlake_k

Saltlake_k2

 こんな違いを目の当たりにして、「他の人がしていることをしたくなる、というのは人間の本能なんだな」と再認識した。「行列のできる店」には並びたくなるが、閑古鳥が鳴いている店には入りたくないものだ。


「あなたもレールから外れてみませんか」と言うつもりもないが…

Engineer_type 去年の末にキャリアデザインセンターというところから受けたインタビュー記事が、「エンジニアtype」という転職情報誌に出た。例によって調子に乗って好き勝手なことをしゃべってしまったので、自分で読み返しても少し後悔する部分もあるが、就職や転職を考えている人のために一つだけハイライトしておきたい部分がある。

 大学卒業時に、バイト先のアスキーではなくNTTを就職先として選んだ点について質問されたときの、「せっかく持っているカードを使わないのはもったいない、という感じかな。浅ましい発想ですよね」という私の発言がそれである。つまり、「せっかくNTTの研究所に入れる学歴と成績を持っているのに行かないのはもったいない」というしたたかな計算の結果のNTTへの就職だったのである。

 今になって考えてみると、「天職」とも呼べるほど大好きなこと(パソコン上でプログラムを書くこと)を既に見つけておきながらその道を選ばなかったのがそもそも間違っていたのだが、「君の成績ならこんなところがふさわしい」と教授が敷いてくれたレールから自ら外れるのはあまりにももったいないと思ったのだ。

 結局のところ、NTTへの就職のわずか14ヵ月後にアスキー時代の知り合いがマイクロソフトの日本法人を立ち上げたとの新聞発表を見て、「僕抜きでこんなに楽しそうなことをするなんて許せない」という思いが一気に噴出して瞬時に転職を決意したのだが、その時には「大好きなプログラムをまた毎日のように書くことができる!」という思いがいっぱいで、NTTの研究所に得た職が惜しいとはこれっぽっちも思わなかった。

 だからと言って「あなたもレールから外れてみませんか」と言うつもりもないが、私みたいに一度は「レールから外れるのはもったいない」と考えたような人間でも、その後、意外なほどあっさりと転職してしまうケースもあるのだ、ということを伝えたかったのだ。「本当にやりたいこと」を見つける機会なんて一生に何回もないだろうから、そんなパッションを感じた時には自分の直感を信じてまっしぐらに走りだすべきだ。


家庭でもできる「高級料亭風」柿のデザート

Kaki

 昨日食べにいったレストランで最後に出た柿のデザートがあまりにおいしかったので、さっそく家に帰って試してみた。

【用意するもの】
1.柿 (あまり熟れすぎていないもの)
2.梅酒
3.和風の小皿

【作り方】
1.皮をむいて六つに切った柿を小皿に乗せる。
2.梅酒を小さじ一杯、柿にかける。

 これだけである。騙されたと思って、ぜひとも一度試していただきたい。ただの柿が、梅酒の香りが加わっただけで、高級デザートに変身するから不思議なものだ。


おいしい親子丼を作るコツ

Oyakodon 親子丼のレシピは、「煮込んだタマネギと鶏肉に溶き卵を乗せて半熟になったところでご飯にかける」というとても単純なものだが、おいしく作るのは意外と難しい。私も、なかなかマスターできなかったのだが、ようやく自分でも満足できる味のものができるようになったのでここで私なりにあみだしたコツを披露する。

 結局のところ、卵への火の通し方がキモなのだが、

(1)大きなフライパンで何人分も一度に作ろうとせずに、蓋付きの親子丼専用のなべで一人分づつ丁寧に卵に火を通すこと(タマネギと鶏肉をタレで煮込む工程は大きなフライパンでやってもかまわない)、
(2)卵は二回に分けて流し入れること、
(3)卵はどんぶり一杯あたり二個使うこと、
(4)卵にあらかじめ少しタレを混ぜておくこと、
(5)卵はあまり丁寧に混ぜずに使うこと、
(6)鶏肉の量は控えめにすること、

という大原則をしっかりと守り、後は「おいしい親子丼が食べたい!」という熱意を持って作るのだ。

 ちなみに、タレは自家製のものを色々と試したのだが、なかなかおいしいものが作れず、結局ヒガシマル食品の「ちょっとどんぶり、うすくち」を使うのが一番良いという結論に達した。

 妻は、タレが自家製でないことが少し悔しいようだが、私にとっては「おいしい親子丼をいつでも好きなときに食べられる」ことが一番大切なので、タレが自家製かどうかは問題ではない。例の、「ドリルを買いにきた客が、本当に欲しいのはドリルではなく、穴である」というのと同じである。